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JpnI馬キャッスルトップの近況

  • 2021年09月06日(月) 18時00分
 7月14日に大井競馬場で行われた南関東牡馬クラシック3冠目のジャパンダートダービー。仲野光馬騎手騎乗の12番人気キャッスルトップ(船橋・渋谷信博厩舎)が逃げ切り勝ちを収めたシーンは、今でも興奮冷めやらず。

 キャッスルトップは初勝利まで9戦を要し、今年5月の段階ではまだ3歳の下のクラスで走っていた馬。

 一方、仲野騎手は高校卒業後に地方競馬教養センターの騎手試験に合格したものの、卒業間際に体重調整が厳しくなり、この道を断念。

 最初は別の仕事に就きましたが、騎手になる夢を諦めきれず、船橋競馬場の調教専門厩務員として働き始め、4年の歳月を経て一発試験に合格し、24歳で騎手デビュー。デビューしてから丸7年、怪我などが多かった苦労人。

 そんな人馬がコンビを組み、初めての大舞台で果敢に逃げて、最後は中央の強豪たちに迫られながらも、粘り強さを遺憾なく発揮し凌ぎ切りました。

 地方競馬の騎手は登録されている自身の勝負服があり、仲野騎手の勝負服エピソードも話題になりました。胴茶(実際の色は海老茶)、右黒たすき、そで黄。有馬記念の勝ち馬ダイユウサクの勝負服(馬主 橋元幸平氏)にちなんだもの。

 細かく言うと、海老茶は兄弟子の川島正太郎騎手の勝負服から、そで黄はデビューした時の師匠・川島正行調教師が騎手時代に着ていたもの。それに右黒たすきを入れ、父親が大好きだったダイユウサク仕様に。

「ダイユウサクはデビュー戦で負けていますが、有馬記念ではアッと驚かせて大きな花を咲かせました。自分もあきらめないで頑張ろうという意思表示です」と、デビュー当時に言っていた仲野騎手。それから7年後に自身も世間をアッと驚かせることになるとは、夢がありますね!

仲野騎手は東京競馬場乗馬センター出身者。宮崎北斗騎手や杉原誠人騎手、石川裕紀人騎手、嶋田純次騎手、平野優元騎手と一緒に通っていたそうです(撮影:高橋華代子)


 キャッスルトップは疲れも見せずケロッとしていたそうで、9月15日に川崎競馬場で行われる戸塚記念(SI、2100m)に向けて順調にトレーニングを積んでいるそうです。

「調教では先週から火がついて気持ちが入ってきたので、うまくなだめながらやっています。前回は挑戦者でしたが、今回は立場が変わってきたのでプレッシャーもありますが、馬には関係ないことなので伝わらないようにしています。

 こういう騎手人生を送るのも初めてなので、今の状況を楽しめるように、いい緊張感を持ちながら人馬ともに成長したいです」(仲野騎手)

 アッと驚かせたジャパンダートダービーから約2か月。今度はどんな走りを見せてくれるか今から待ち遠しいです!

ジャパンダートダービーを走り終えた後のキャッスルトップ。あれだけの強い競馬を見せましたが、素顔は愛らしい男の子(写真は7月下旬撮影、撮影:高橋華代子)

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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