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【セントウルS AI予想】レースの傾向からも魅力十分!今週もAIの注目馬から目が離せない

  • 2021年09月06日(月) 18時00分


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

単勝1番人気馬が9年連続で連対中


AIマスターM(以下、M) 先週は新潟記念が行われ、単勝オッズ42.8倍(12番人気)のマイネルファンロンが優勝を果たしました。

伊吹 驚きましたね。新潟芝外回りは、M.デムーロ騎手やC.ルメール騎手といった外国出身ジョッキーの期待値が高い舞台。それもあって一応押さえていたのですが、M.デムーロ騎手の立ち回りが想像以上に素晴らしかったです。

M 大外から末脚を伸ばし、最後は外ラチの近くまで持ち出しての差し切り勝ち。馬場の状態を読み切っての勝利に見えます。

伊吹 発表こそ良でしたが、降雨の影響が残っていたようで、外を突いた馬に有利な馬場でしたね。内寄りの枠を引いた馬にとっては厳しい競馬となり、1着から6着までを6〜8枠の馬が占めました。

M マイネルファンロンは重賞初制覇です。

伊吹 3歳時のスプリングSで3着に食い込むなど、もともと実績上位ではありますが、6歳の夏にこうして結果を出したのですから、本当に立派な馬だと思います。これまでとはちょっとイメージの異なるレース運びでしたし、次走以降も注目しておくべきでしょう。

M ちなみに、2着は単勝オッズ6.0倍(3番人気)のトーセンスーリヤ。これでサマー2000シリーズにおける獲得ポイントを15とし、今年のチャンピオンに決定しました。

伊吹 Aiエスケープが特別登録時点の注目馬に指名していましたね。お見事です。

M こちらも6歳馬ですが、善戦が続いています。

伊吹 負担重量が前走より1.5kg増えていましたし、着順以上に高く評価して良いでしょう。この秋は格の高いレースでも上位に食い込むチャンスがあるかもしれません。

M 今週の日曜中京メインレースは、サマースプリントシリーズ最終戦のセントウルS。昨年は単勝オッズ3.0倍(1番人気)のダノンスマッシュが優勝を果たしました。

伊吹 横綱相撲で危なげなく押し切りましたね。休養明けに強いタイプであることは知られていましたし、順当勝ちだったと思います。

M スプリンターズSの前哨戦ということもあってか、上位人気馬はそれなりに信頼できるイメージです。

伊吹 実際、過去10年の単勝人気順別成績を見ると、1番人気に推された馬はすべて3着以内に好走しています。連対率も90.0%です。


M ほぼ完璧な成績ですね。

伊吹 そもそも2016年以降は単勝1番人気馬が5連勝中。2012〜2015年の単勝1番人気馬もすべて2着に食い込んでいました。連対を果たせなかったのは2011年3着のダッシャーゴーゴーが最後。ここまで大崩れが少ないのも珍しいですね。

M その分、人気薄の馬はあまり上位に食い込めていません。

伊吹 ただ、昨年は単勝オッズ67.6倍(12番人気)のメイショウグロッケが2着に健闘しました。1番人気馬を除くと、上位人気馬の好走率が極端に高いわけではないので、わざわざ買い目を人気サイドに寄せる必要はないでしょう。

M そんなセントウルSでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ピクシーナイトです。

伊吹 なかなか興味深いところを挙げてきましたね。それなりに注目を集めると思いますが、1番人気ということはなさそう。

M おそらくレシステンシアが1番人気でしょうし、2番手グループの一角を占めるくらいかと思います。

伊吹 単穴、もしくは妙味ある連軸の候補と見ている方が多いかもしれません。

M ポイントはやはり3歳馬である点。伊吹さんはどう見ていますか?

伊吹 素直に強調材料と考えて良いんじゃないでしょうか。セントウルSは基本的に高齢馬が信頼できないレースです。


M 連対を果たした馬の大半は5歳以下なんですね。

伊吹 ちなみに3歳の馬は2011年以降[2-2-1-15](3着内率25.0%)、2015年以降[1-2-1-4](3着内率50.0%)。4〜5歳勢より高く評価すべきかどうかは微妙なところですが、少なくとも不安視する必要はありません。

M 今回はGIで善戦したことのある馬も出走してきますが、実績面はいかがでしょう。

伊吹 この点についてもまったく問題はないと思います。過去10年のセントウルSで3着以内となった馬の大半は、年明け以降の重賞で好走を果たしていた馬です。


M 昨年のセントウルSで穴をあけたメイショウグロッケも、2020年2月の京都牝馬Sで3着に食い込んでいました。

伊吹 ちなみに、集計対象を2013年以降の過去8年とすると、“同年、かつJRA、かつ重賞のレース”において3着以内となった経験がない、かつ“同年の北九州記念”において5着以内となった経験のない馬は[0-1-1-66](3着内率2.9%)。要するに、年明け以降の重賞で3着以内に好走している馬と、北九州記念の4〜5着馬を重視すべきレースです。

M 今年はこの条件をクリアしている馬が意外と多くありませんね。ピクシーナイトは今年のシンザン記念やCBC賞で連対を果たしていますから、相当に高く評価して良いんじゃないでしょうか。

伊吹 その通り。さらに付け加えておくと、前走好走馬である点も強調できます。


M なるほど。格が高いレースからの直行組でなければ、前走の内容が良かった馬を素直に重視したいところですね。

伊吹 もともと私もこの馬には重いシルシを打つつもりでした。Aiエスケープのお墨付きもあるわけですし、それなりに信頼して良いんじゃないでしょうか。オッズも加味したうえで、上手く買い目を組み立てたいと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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