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【京成杯AH・セントウルS予想】中心に据えるべき馬を調教からジャッジ!

  • 2021年09月08日(水) 18時00分

今年のセントウルSは馬券を絞っていく必要がありそう


 今週から中山、中京での開催がスタート。しばらく2場開催となりますが、毎週行われる重賞には、秋のGIで勝ち負けの期待できる馬たちが続々と出走予定。ここから年末に向かって、一気に駆け抜けていく感じになるんでしょうね。

 それにしても、今年のセントウルSは人気上位に支持されそうな馬たちは質の高いメンバーになりました。それゆえに荒れる確率は低いと思いますが、そうなると馬券は絞っていく必要がありそう。どの馬を中心に据えるべきか、本当に悩みます。

【紫苑S/ハギノピリナ】

 未勝利、1勝クラスと連勝して出走したオークスが3着。その実績を考えれば、ここで人気するのも当然だと思います。また、ここに向けて、8月中旬から坂路で時計を出し始めており、準備は万端。なにせ、ここで権利を獲らないと秋華賞出走はほぼ無理だと思いますし、それよりもこのレースに出走できるかどうかというところも抽選になりそうです。

 この馬自身に対する調教内容に気になるところはありませんが、中山芝2000mに対する調教適性がどうか。特に開幕週で時計が速くなるようなら、スピードの持続力が必要になります。そうなった時にトラック調教の要素が重要になるでしょうから、そこへの対応。これが鍵になりそうです。

【京成杯AH/グレナディアガーズ】

 朝日杯FSの勝ち馬がハンデ戦に出走。なぜ、と思う部分もありますが、この後は米国遠征も視野に入っているということで、そうなった時にここを使っておくことがベターという判断なのでしょう。ハンデも56キロで止まっていますし、気になるとすれば、休み明けでの仕上がりでしょう。

 ただ、調教内容はしっかりしていて、8月15日から坂路で時計を出し始めており、2週前追い切り、1週前追い切りはCWで併せ馬を消化。1週前は1勝クラスを追走しましたが、スピード感だけでなく、パワーのある動きで迫力満点。追いつくまで逆手前、抜け出して手前を替えてからは追い抜かせないという完璧な走り。ここは初戦からきっちりという感じはします。

調教Gメン研究所

完璧な走りをみせたグレナディアガーズ(9月7日撮影)


【京成杯AH/バスラットレオン】

 ここ2戦、スタート直後に落馬したNHKマイルC、距離実績のない2400mの日本ダービーと度外視してよいと思います。NZTを勝った中山マイルに戻れば、ということでここで人気するのも無理ないでしょう。

 1週前追い切りは坂路で1勝クラスの真後ろにつけて、最後は手応え劣勢で同入。逃げ馬ですから、追われてからの伸びとしてはこんなものだと思います。むしろ、最終追い切りでは4F50.2秒で自己ベストを更新したようですから、スピードを発揮したんでしょう。どんな動きだったかは、VTRで動きを確認したいところです。

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最終追い切りで自己ベストを更新したバスラットレオン(9月7日撮影)


【セントウルS/レシステンシア】

 過去の休み明けは3回ありますが、いずれも結果が違います。勝った阪急杯を参考にすると、4F51秒台を1本、4F50秒台を2本の坂路追い切りを消化。休み明けとはいえ、きっちりと時計を出すことで、次走のGIにも繋がってくる仕上げとなるような気がします。

 そういった意味では今回の内容は4F51秒台が2本と最終追い切りの4F52.0秒の坂路追い切り。50秒台はありませんが、阪急杯よりも時計の出し始めが早いことを思えば、十分な時計的な負荷と思えます。この馬らしい、後半2Fの時計も出ていますし、仕上がりに関してはほぼ万全でしょう。ただ、個人的に懸念するのはこの距離での戦法。高松宮記念では差しに回って連対は確保できましたが、セントウルSというレースの性質で同じ競馬ができるかどうか、ちょっと気になります。

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仕上がりはほぼ万全なレシステンシア(9月7日撮影)


【セントウルS/カレンモエ】

 重賞では3戦続けて2着。なかなか勝ち切れないという部分はありますが、常に番手からレースをできる安定感はこの中でも最上位でしょう。レース間隔に関しても、オーシャンS、函館SSとほぼ同じですから、気になるところはありません。

 そして、今回の調教内容ですが、1週前追い切りが坂路で4F49.7秒。速い全体時計にもかかわらず、4F目11.6秒ですから、スピードに乗ったら止まらないという動きを見せました。最終追い切りは4F53.9秒と近走では一番遅い数字になりますが、これは予定していたもので、気にすることはありません。追い切りの本数も十分にこなせていますし、あとは運といったところでしょう。

調教Gメン研究所

安定感のあるカレンモエ(9月7日撮影)


◆次走要注意

・9/5 新潟記念【ヤシャマル】(8人/4着)

 エプソムCが早めの進出で伸び切れないままでしたが、今回はじっくり脚をためてのレース。それでも掲示板がやっとという着順をどう判定するかですが、個人的には休み明けでまだ良化の余地がある中での結果に次走以降に期待が持てると判断しました。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山ダート1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F53秒以下をマーク
○最終追い切りがトラック馬場で4F52秒以下(新馬4F53秒以下)をマーク

 いざ、開催が始まってみないことには坂路が有利な馬場かどうか判定が難しい中山ダート1200m。昨年の秋開催に関しては坂路有利でしたから、こういった調教適性になります。ただ、坂路にしてもトラックにしても速さはひとつポイントになると思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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