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【ローズS・セントライト記念予想】混戦模様のトライアル 本番への切符を掴む馬はどの馬か!

  • 2021年09月15日(水) 18時00分

逞しさ増した好馬体 権利必須のここは勝負仕上げか!


 さあ、今週は3日間開催。牡馬、牝馬のトライアルレースもあり、いよいよ秋競馬が本番といった感じになってきました。栗東もかなり涼しくなってきて、朝一番は半袖で肌寒いくらい。ただ、後半の時間帯に陽が照ると、まだ9月だよなあという感じ。でも、馬にとってはかなり過ごしやすい季節になってきました。

 セントライト記念は月曜開催ということで、ここではローズSを中心に取り上げました。ただ、例年と違い、2勝クラスが多数いて、1勝クラスは除外対象という頭数の多さ。これにオークス、桜花賞で馬券対象となった馬が出走していないというメンバー構成を考えると混戦は間違いないでしょう。

 そして、個人的に注目は大府特別のバーデンヴァイラー。ダートに転じて2連勝。しかも2着に1秒以上の着差をつけており、今後が楽しみな大物。今朝15日の最終追い切りも素晴らしい動きでしたし、やっぱり秋にも3歳ダート王決定戦をやってくれると、先週勝ち上がったケイアイロベージなど、盛り上がるメンバー構成になると思うんですけどね。

【ローズS/マリアエレーナ】

 1勝クラス、2勝クラスを連勝して、賞金的には出走順上位。しかも、全9走中、中京競馬場は6戦経験しているわけですから、単純な競走成績からも狙える馬だと思います。春から長い休みがあったわけではありませんが、使いつつ体を増やすことができているのも成長の証ではないでしょうか。

 この中間の追い切りは火曜日と土曜日に集中。このパターンは1勝クラスを勝った時に経験しており、全く問題ありません。前走は最終追い切りをレース週に課すことなく競馬を使っていますから、相当なポテンシャルを持っていると思います。今回の最終追い切りは14日の火曜日。CWコース向正面から出て、1周キャンターで流し、2周目の追い切り。前半をゆっくり進めて、後半しっかりの内容。最後の直線は2F続けて11秒台のラップを踏んでフィニッシュ。ここは本当に楽しみです。

【ローズS/アールドヴィーヴル】

 桜花賞、オークスはいずれも5着。1勝馬ながら、netkeiba.comの予想オッズで人気になるのも納得。いわゆる春の実績馬という意味では筆頭の評価になるでしょうね。春はクイーンCで減った馬体重がなかなか戻ってきませんでしたが、今回はひと夏を越して、逞しい体になった印象。普段の調教でも落ち着きが出てきたような気がします。

 そんなこともあってか、追い切りも十分にこなせており、1週前追い切りは坂路4F50.6秒で自己ベストを更新。最終追い切りは数字しか確認できていませんが、4F52.7秒、2F24.3秒なので、全体が速くて、なおかつ終いもしっかりという動きだったようです。3歳牝馬クラシック皆勤のためにも、ここで権利必須ですから、そんな仕上げであることは間違いありません。

調教Gメン研究所

ひと夏を越して馬体に逞しさが増した印象のアールドヴィーヴル(8月24日撮影)


【ローズS/タガノパッション】

 中1週のスイートピーSはウマい馬券でも◎を打ちましたが、さすがに中2週のオークスは、と思って無印にしたら、メンバー中最速の上がりを使って4着。相当なポテンシャルの高さだと思いますが、当時は体がギリギリという印象でした。

 夏場を休養に充て、馬体は充実。追い切りには岩田康誠騎手が跨って、入念に仕上げてきました。特に先週末の坂路で4F53.4秒、1F12.3秒の負荷が素晴らしく、オークスでもやったパターンを更に強い負荷にしてきたという感じ。最終追い切りは岩田騎手が跨って、CWでの単走でしたが、これは前回と同じ。今の体でどのくらいの動きを見せてくれるのか、ちょっと楽しみです。

調教Gメン研究所

馬体が充実した今、どこまでやれるのか楽しみなタガノパッション(9月15日撮影)


【セントライト記念/ルペルカーリア】

 京都新聞杯が2着に終わった時点で春はお休み。夏を経て、秋に大きな舞台を目指すべく、ここまでの調整を進めてきています。調教欄をご覧いただくと分かりますが、8月12日から栗東で時計を出し始め、中間にはプール調教も併用。調教欄に掲載のないところでは、障害角馬場での調整なども行っており、運動量としては本当に半端ないといった感じ。

 1週前追い切りはCWでの3頭併せに遅れ。この動きはVTRでの確認でしたが、遅れたといっても、ゴールを過ぎたところでは楽に前との差を詰めていましたし、決して脚が上がった感じではなさそう。まあ、追って鋭い脚を使えるタイプではないということを示すような動きでもあったと思いますから、京都新聞杯のようなレースをして、どんなパフォーマンスを見せてくれるかでしょう。

調教Gメン研究所

休養後は多くの運動量を課せられているルペルカーリア(手前、9月1日撮影)


【セントライト記念/ヴィクティファルス】

 皐月賞、ダービーは大きな着順となってしまいましたが、中山競馬場はスプリングSで重賞を勝った舞台。その適性は高いはずですし、レース間隔をあけた今回はあらためて、といったところだと思います。

 今回、ポイントになりそうなのは1週前追い切り。CWで併せ馬を先着していますが、これが共同通信杯2着やスプリングS1着時と同じパターン。皐月賞は単走だったり、ダービーは同入だったりと、ここ2戦は好走パターンではない1週前だったことを敗因にできます。

 映像を見ると、一番外、ジェニーアムレットにはゴール前で差を詰められているように映りますが、レクセランスを交わしたところで気を抜いていただけ。抜け出してくる反応の良さは見せており、1週前の時点で動ける態勢は整っています。

調教Gメン研究所

反応の良さを見せているヴィクティファルス(9月1日撮影)


◆次走要注意

・9/12 2歳未勝利【デヴィルズマーブル】(7人/1着)

 新馬戦5着時に当欄で取り上げていましたが、やっぱり距離を延ばして結果を出してきました。前半が速くなって、終いを要する展開になったことが嵌ったとすれば、この距離がベストだとは思いますが、前半がもう少しゆっくり流れたとしても対応できるはず。いずれにしてもオープン、重賞で通用するはずです。

[メモ登録用コメント] [芝マイル以下]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山ダート1800m>
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目以降2F連続12.9秒以下
◎最終追い切りが南Wで6F85秒以下
◎最終追い切りがダート馬場【新馬限定】
○追い切りがすべて併せ馬
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 先週のウマい馬券に記した内容から、少しアジャストしました。いろんなパターンの調教内容がありますが、一筋縄では決まらないのがこの条件。これらがうまく嵌った時に大きな配当が出るだけに、あと3週、実戦することをおすすめします。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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