スマートフォン版へ

【オールカマー・神戸新聞杯予想】秋のGI戦線に向け各馬が始動!

  • 2021年09月23日(木) 18時00分

有力馬の秋初戦の仕上がり具合は?


 今週は月曜日まで開催があった影響で、火曜日が全休。その関係で、当コラムの公開も1日スライドさせていただきましたが、重賞出走予定馬は全休日でも調教が可能なため、22日の水曜日に最終追い切りを課してくる陣営もたくさん。特にオールカマーは中山競馬場への前日輸送があるため、そこまでの日程に余裕をもたせるためにも水曜に追い切っています。

 神戸新聞杯も多数の馬が最終追い切りを消化。その中で最も注目を集めるだろうシャフリヤールですが、その時計は栗東坂路4F51.2秒。ちなみに9月22日の栗坂で1F目が13.2秒というのはこの日のベスト。併せた相手スカリーワグですら、13.7秒ですから、それでいて、4F目12.2秒ってどういうこと? って感じです。

【オールカマー/レイパパレ】

 4ヶ月ぶりの大阪杯、3ヶ月ぶりの宝塚記念ともに坂路での追い切りが4本のみという、少ない調教量できっちり仕上げてきました。どちらもGIですから、それでもこの本数、GIでないここはそれらよりも調教内容が緩くなることを想定していました。ところが6本もの追い切りを消化してきました。

 これをどう判断するかが難しいところで、普通なら調教量を評価します。ただ、1週前追い切りも最終追い切りも併せ馬では手応え劣勢の動き。こうなると、動けていないから本数が多いのかも? と深読みしてしまうんですよね。そんな感じで判断に迷う部分もありますが、決して悪い動きではないと思いますし、自分の競馬ができる状態にはあると思います。

調教Gメン研究所

レイパパレは6本の追い切りを消化(9月14日撮影)


【オールカマー/ランブリングアレー】

 2020年以降で連対を外した2レースは、早目のレースを強いられた小倉記念と、外枠ということもあり道中外々を回って終わってしまったターコイズS。前走はグランアレグリアに差をあけられたものの、鋭い末脚で2着を確保。やっぱり追ってからの良さがこの馬の特徴でしょう。

 もちろんレース内容に関しては、枠順なども決まらないことには分からない部分はありますが、馬の状態に関しては素晴らしいと思います。1週前追い切りのCWでの時計が速く、これが実質的な最後の強い負荷と思いましたが、最終追い切りでも楽に時計が出た感じ。初めての芝2200mになりますが、むしろ、これまでで一番いい競馬ができるイメージが湧いてきます。

調教Gメン研究所

これまでで一番いい競馬ができそうなランブリングアレー(9月22日撮影)


【オールカマー/ステイフーリッシュ】

 札幌記念は心房細動とのこと。その後、栗東へ移動して、調整を続けていますが、最終追い切りがCWでびっくり。トラック馬場での最終追いは前走もこなしていますし、函館記念などでも経験していますが、CWとなると初めて。もちろん、CWでの追い切り自体は経験がありますが、最終追い切りが坂路でない点にむしろ魅力を感じます。

 その動きも素晴らしい内容。テンからしっかりとスピードに乗っていって、時計は6F79.5〜5F65.6〜4F52.1〜3F38.4〜1F12.7秒。最後は切れるという感じではありませんでしたが、それはレースでも同じ。心房細動の影響は気になるものの、それを相殺するどころか、これまで勝ち切れなかったところを払拭するきっかけになるかもしれないCW追い切りに注目です。

調教Gメン研究所

ステイフーリッシュはCWで最終追い切り(9月22日撮影)


【神戸新聞杯/シャフリヤール】

 8月12日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩して、1ヶ月以上栗東での在厩調整。最初のCW追い切りでは、少し気持ちが入っているなあという印象でしたが、追い切るごとに気持ちをコントロールしながら走ることができているといった感じ。これを時間をかけて調整してくるあたりが、さすが藤原英昭厩舎だと思います。

 そして、最終追い切りは坂路で素晴らしい自己ベスト更新。とんでもないスピード調教なのですが、それを感じさせない適度に力が抜けた動きが絶妙だと思います。頭数も落ち着きましたし、これなら力通りの走りを見せてくれると思います。

調教Gメン研究所

ダービー馬シャフリヤールは最終追い切りで坂路で自己ベスト更新(9月7日撮影)


【神戸新聞杯/ステラヴェローチェ】

 サウジアラビアRC以降、勝ち鞍から遠ざかっていますが、皐月賞、ダービーはともに3着。もともと坂路での追い切り本数がすごく多い調教内容でしたが、それを崩すことなく、クラシック路線を戦ったことで安定した結果を残せたような気もします。

 そういった意味で今回の調教内容も坂路での追い切り本数は十分。8月14日から坂路で時計を出していますが、調教欄に掲載される本数は20本に迫ろうかという勢い。だからこそ、最終追い切りでも楽に4F時計が自己ベストを更新したんでしょうし、この内容を評価しないわけにはいきません。

調教Gメン研究所

追い切り本数は十分なステラヴェローチェ(8月31日撮影)


◆次走要注意

・9/20 セントライト記念【カレンルシェルブル】(11人/4着)

 道中はプレッシャーの少ないポジションでしたし、勝負どころも自分から動くことができる位置。ただし、それがかなり外だったことを思えば、道中のロスは結構大きかったと思います。その分、ゴール前では伸び負けした印象ですが、この経験は今後に必ず役立ってくるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝マイル以下]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝1600m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で2F25.0秒以下
○最終追い切りが併せ馬で追走先着

 今開催中京芝1600mは全部で6レースありましたが、うち5頭の1着馬は◎、残り1頭は2F25秒以下の○に該当していました。1番人気は1頭しかいませんでしたが、馬券的妙味も十分な調教適性だと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング