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【スプリンターズS AI予想】好走馬の条件も概ねクリア! AIが狙う伏兵に注目

  • 2021年09月27日(月) 18時00分

単勝オッズ4.7倍(2番人気)のウインマリリンが優勝(c)netkeiba.com、撮影:武田明彦


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

連対を果たした馬の多くは3番人気以内だが……


AIマスターM(以下、M) 先週はオールカマーが行われ、単勝オッズ4.7倍(2番人気)のウインマリリンが優勝を果たしました。

伊吹 完勝と言って良いんじゃないでしょうか。ゴール前の直線半ばで一旦進路が塞がり、脚を余してしまってもおかしくない状況でしたが、難なく抜け出してきました。

M 周囲のライバルとは手応えが違っていましたからね。

伊吹 やはり、道中でロスなくレースを進められたのが大きかったと思います。展開に恵まれた部分もあるとはいえ、的確に導いた横山武史騎手も、それに応えたウインマリリンもお見事です。

M ウインマリリンはこれで重賞3勝目。今春の日経賞に引き続き、牡牝混合のGIIを制しました。

伊吹 本当によく頑張っていますよね。GIの天皇賞(春)でも5着に健闘するなど、古馬中長距離戦線のトップクラスと互角に渡り合っている点は高く評価すべきでしょう。

M 次走はエリザベス女王杯になりそうです。

伊吹 昨年のエリザベス女王杯でも4着に食い込んでいましたし、さらに逞しさを増した今なら素直に中心視して良いと思います。有馬記念など、牡牝混合のビッグレースでもしっかりマークしておくべきでしょう。

M 今週の日曜中山メインレースは、下半期のGIシリーズ開幕戦となるスプリンターズS。昨年は単勝オッズ2.2倍(1番人気)のグランアレグリアが優勝を果たしました。

伊吹 4コーナーでもまだ15番手のポジションにいて、さすがに苦しいかと思ったのですが、異次元の末脚であっという間に先行勢を捕らえましたね。4コーナーを最後方の16番手で通過したアウィルアウェイも3着に食い込んでいて、全体的に差し有利な流れではあったものの、あの衝撃は忘れられません。

M グランアレグリアは次走のマイルCSも制して、2020年のJRA賞最優秀短距離馬に選出されています。

伊吹 その後「もう短距離路線でやり残したことはない」とばかりに2021年の大阪杯を使ったわけですが、実際のところそう判断するに相応しい戦績でしたし、このスプリンターズSで見せた強烈なパフォーマンスも後押しになったはずです。

M 波乱の決着も少なくないように思いますが、近年の傾向はいかがでしょう。

伊吹 過去10年の単勝人気順別成績を見ると、優勝馬10頭のうち9頭、連対馬20頭のうち15頭を単勝3番人気以内の馬が占めています。


M 基本的には上位人気馬が強いレースと言えそうですね。

伊吹 もっとも、3着以内馬30頭のうち12頭は単勝7番人気以下。ちなみに、そのうち10頭は単勝9番人気以下でした。伏兵を狙うのも決して無理筋ではありません。

M その分、単勝4〜6番人気の馬が3着内率6.7%と苦戦しています。

伊吹 わざわざ「単勝5番人気前後になりそうだから」という理由で評価を下げる必要はありませんが、中途半端に穴人気しているような馬を狙うくらいなら、超人気薄の一発に賭けた方が良いんじゃないでしょうか。

M そんなスプリンターズSでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、クリノガウディーです。

伊吹 ……しまった、5番人気前後になりそうな馬だ(笑)。

M 2020年高松宮記念で1位入線(4着降着)の実績がありますし、前走のセントウルSでも3着に健闘しています。ただ、既に5歳となっているうえ、今年に入ってからの2勝はいずれもオープン特別。GIウイナーのダノンスマッシュ・レシステンシア、セントウルSで先着を許したピクシーナイトあたりの方が人気を集めそうです。

伊吹 甘めに評価できるほどの人気薄ではないものの、妙味ある存在と見ている方も少なくないはず。買い目を組み立てるうえでポイントになる一頭かもしれませんね。

M オープン特別を2連勝、さらには前哨戦で好走というここ3戦の実績は、どのくらい高く評価すべきなのでしょうか。

伊吹 ポジティヴに受け止めて良いと思いますよ。もともとスプリンターズSは前走好走馬が強いレースです。


M 思いのほかハッキリと明暗が分かれていますね。

伊吹 2016年以降の過去5年に限ると、前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬は[0-1-1-38](3着内率5.0%)でした。大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。

M クリノガウディーは前走の1位入線馬とのタイム差が0.2秒。前走好走馬に分類して良さそうです。

伊吹 同じく過去10年の傾向を見ると、年明け以降に中央場所の重賞やオープン特別を勝っている馬は堅実でした。


M おおっ、こちらはさらに好走率の差が大きい。サマースプリントシリーズ対象レースの大半がローカル場で施行されることを考えると、なかなか示唆に富んだ数字と言えます。

伊吹 前走好走馬が強いレースとは言え、同年夏のサマースプリントシリーズで台頭してきた新興勢力は、過信禁物と見ておいた方が良いかもしれません。厳密に言うとクリノガウディーはこの条件をクリアしていないのですが、2走前の安土城Sや3走前の鞍馬Sは、例年なら京都競馬場で施行されるオープン特別。出走メンバーのレベルは相応の水準にあったと思いますし、大きく評価を下げる必要はないでしょう。

M なるほど。そうなると、あとは展開やコース適性がポイントになりそうですね。

伊吹 昨年のスプリンターズSで5着に食い込んでいますし、中山芝1200m外が致命的に合わないということはないはずです。近年は前走で先行していた馬が期待を裏切りがちなので、展開が味方する可能性も高いと思いますよ。


M 今年はレシステンシアらがこの条件に引っ掛かっています。

伊吹 この傾向が気になっていたこともあって、もともと私もクリノガウディーやもっと人気のない伏兵を狙うつもりでした。Aiエスケープはまた別の理由で高く評価しているのだと思いますが、見解が一致したのは心強いですね。あとは枠順やオッズを加味したうえで、最終的な買い目を組み立てたいと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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