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乗る馬が減っても1頭1頭に集中して…「今は楽しく乗れてるわ」

  • 2021年09月28日(火) 18時01分
レコード決着となった土曜日の中京3Rでサワーホマレーが大健闘! 自身の時計も大幅に更新し、大きな可能性を感じさせる走りを見せてくれました。「上を目指せる馬かもしれない」とは小牧騎手。今週の『太論』では、改めて感じたサワーホマレーへの手応えのほか、今週出走予定のニホンピロスクーロ&マリブの近況についても語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

「失敗は許されない」くらいの覚悟で乗ってるよ


──サワーホマレーの4戦目は3着(9月25日・中京3R・2歳未勝利・芝2000m)。初勝利はおあずけとなりましたが、すごく可能性を感じさせる内容でしたね。

小牧 いいレースをしているし、思った以上に走るね。今回はちょっとイレ込んでいてピリッとしていたけど、レースでは相変わらず乗りやすいし、必ずひと脚を使う。どんな競馬でもできるわ。

──ここ2戦はスタートも上々。控えるにしても、スタートが決まるのと決まらないのでは、道中のリズムも違うのでは?

小牧 うん。スタートが決まると折り合いをつけやすいから、リズムよく楽にいけるね。ただ、あれだけスタートがよかったら、次からはもうちょっと前に行ってもいいかなと思ってる。このあとは短期放牧に出るけど、たぶんまた馬が大きくなるわ。少しずつ体重が増えているでしょ?

──そうですね。順調に使いつつ少しずつ体が増えているあたり、すごく理想的だなと思って見ています。なにしろ、この前はレコード決着からコンマ4秒差。同日の野路菊Sの2着馬より速いタイムでしたね。

小牧 馬主さんもそれに気づいたみたいで、すぐに電話が掛かってきたわ。この前は馬場がよかったのもあるけど、上を目指せる馬かもしれんと思った。僕自身、乗ってる頭数が少ないぶん、ものすごく集中していて、それこそ「失敗は許されない」くらいの覚悟で乗ってるよ。本当に楽しみだし、とりあえず早くひとつ勝ちたいね。

──さて、今週はニホンピロスクーロの復帰戦が入ってます(10月2日・中京10R・関ケ原S・芝2000m)。

小牧 うん。前走は崩れてしまったけど(14着)、あんなに負ける馬じゃないからね。しっかり追い切りもできているし、今度はなんとかいいところを見せたい。そういえば、ニホンピロマリブも今週使うんやないかな。

──こちらも仕切り直しの一戦になりますね。

小牧 ホンマやね。先週はスクーロと併せ馬をして、相変わらずトモが少し緩いけど、まずまずいい動きやったよ。もうひと追いできるしね。今度は前に行くことにこだわらず、初出走のときのような競馬をしてみたいと思ってる。まだ少し重たいけど、なんせセンスがいい馬だから。今週は最後の中京やし、マリブにスクーロと楽しみな馬もいるから頑張りたいね。

──今週でようやく2場開催が終わりますね。

小牧 僕の場合、乗る馬は決まっているから、2場でも3場でも一緒や。確かに乗る馬は減ったけど、そのぶん1頭1頭に集中して、今はなんか楽しく乗れてるわ。体だけは衰えんように、一生懸命運動してるしね。レースより普段の運動のほうがしんどいくらい(笑)。

──小牧さん、そこは昔から一切手抜きなしですもんね。

小牧 うん。なんせ自分をいじめるのが好きやから(笑)。たとえ1頭であっても、仕事があるのはありがたいこと。しかも期待を持てる馬がいるわけやから、気持ちが途切れることはないね。

──では、ユーザーからの質問をひとつ。「9月といえば、小牧さんの誕生日! 今年はどんなふうに過ごしましたか? うれしかったプレゼントなどがあれば教えてください!」。

小牧 54歳やで。我ながらすごいなと思う(笑)。今年は緊急事態宣言中だったからね、おとなしく家で過ごしました。プレゼントはワインが多かった。よっぽど飲兵衛だと思われてるんやろうなぁ(苦笑)。ファンの方がね、毎年ジョッキークラブにプレゼントを送ってきてくれるんですわ。園田のときからやから、もう18年くらいになるのかな。ありがたい限りやね。

──最後になりますが、加矢太さんの騎手免許試験、そろそろでは?

小牧 そうそう、ついに明日や。今日から(競馬学校のある)白井に行くみたい。今月に入ってからは、お酒も一滴も飲まず、55キロ以上あったらアカンから、食べる物にも気を遣ってた。まぁやることはやったと思うよ。

──なんかドキドキしますね…。

小牧 僕がドキドキすることはないけど(笑)、なんせ受かってもらいたい。受かったら楽しみが増えますやん。頑張っているのをずっと近くで見てきたから、なんとか一回で受かってほしいね。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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