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JBCの中央選定馬を見て

  • 2021年10月19日(火) 18時00分

人気上位が予想される馬が補欠となる選定システムに疑問



 今年は11月3日に金沢競馬場と門別競馬場が舞台となるJBC。実行委員会より選定馬および補欠馬が正式に発表になるのは22日(金)の予定だが、JRA所属馬については通常のダートグレードと同様の過程で選定される(Road to JBCの各レースで優先出走権を得た馬以外)ため、17日付で発表になった。

 2歳優駿以外のJpnI・3競走が行われる金沢競馬場はフルゲートが12頭だから仕方ないとはいえ、今さらながらJRA枠が5頭というのはいかにも少ない。中央・地方という所属による出走枠はある程度は必要と思うが、特にスプリントとレディスクラシックについては、それぞれのカテゴリーで唯一のGI/JpnIだけに、まずは所属に関係なく、少なくともフルゲートの半数程度は能力上位の馬を選定すべきではないだろうか。そうしないと人気上位が予想される馬が除外される可能性が大きい。

 たとえば今回のスプリントでは、ダートグレード2勝を含めダート1200mで8戦連続連対中と、この路線でいまもっとも勢いがあるリュウノユキナが補欠1番目となっている(選定馬となっているエアスピネルの次走予定が武蔵野Sとされているので繰り上がりになる可能性は高いが)。また昨年から今年にかけて地方のダートグレードで4勝を挙げているラプタスが補欠2番目、近3走地方のダートグレードで2勝2着1回というテイエムサウスダンが補欠5番目となっているのは残念であり、なんとももったいない。

 ここ2、3年、主役不在で推移してきた牝馬戦線では、マルシュロレーヌが牝馬ダートグレードで4勝を挙げて抜け出したかたちだが、アメリカのブリーダーズC遠征ということで今回は不在。レディスクラシックの選定馬では、レディスプレリュードを勝って優先出走権を獲得したレーヌブランシュが牝馬ダートグレード2勝で、テオレーマ、マドラスチェックが同1勝。そのほかは補欠馬まで含め重賞未勝利で、わりと順当な選定になった。ただ同じ重賞未勝利でも、牝馬ダートグレードで2、3着が複数ある馬と、3勝クラスを勝ったまでという馬の線引きは、運によるところが大きい。

 クラシックの路線は、クリソベリルが引退したこともあって、今は中央勢の層がやや薄い。選定馬5頭はいずれもGI/JpnIの勝ち馬で、補欠はGI/JpnI勝ちのない馬たちで、たまたまではあるがわかりやすい線引きとなった。

 前述のとおり短距離と牝馬の路線ではGI/JpnIがJBC唯一であるのに対し、ダートマイル以上の路線は、牝馬限定戦と2・3歳限定戦を除いてもGI/JpnIが年間8レースもあり、さらに春には中東遠征という選択肢もある。中央馬にとっては、あえてJBCクラシックは使わなくても、ということもめずらしくはない。

 限られた枠の出走馬を選定するには、どんな方法をとってもベストとはならないだろうが、JBCはダートグレードの中でもお祭り的な特殊なイベントだけに、選定方法も特別なものにしてもいいのではないか。

 アメリカのケンタッキーダービーでは近年、出走馬選定がポイント制となっているのはひとつ参考になりそう。たとえば過去1年程度のダートグレード競走で、格付けごとに上位着順に“JBCポイント”を設定する。中央馬はダートのリステッド競走まで含める必要があるかもしれないし、地方馬は別に地方重賞にもポイントを設定する。そうすれば、現状の『Road to JBC』の4レースの勝ち馬に優先出走権が与えられるというだけでなく、長期間に渡って“JBCに向けて”という雰囲気が盛り上がると思うのだが、どうだろう。

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登録済

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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