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【藤沢和雄調教師】「タイキシャトルを牝馬にしたような…」グランアレグリアと挑む最後の天皇賞・秋

  • 2021年10月24日(日) 18時02分
今週のface

▲天皇賞・秋を過去6度制している藤沢和雄調教師 (C)netkeiba.com


現在GI5勝と圧倒的な強さを見せるグランアレグリア、その成長ぶりについて「どんどんたくましくなって、“いい馬”になった」と藤沢和雄調教師は明かします。

来年で定年を迎えることとなり、藤沢調教師にとっては今回が最後となる天皇賞・秋。計6勝している過去の管理優勝馬との共通点やレースへの思いを伺いました。

(取材・文=和久順一)

5歳秋を迎え“大人の女”になってきた


――20日の美浦Wで1週前追い切りを行い、併せ馬で先着しました。仕上がり具合はいかがでしょうか。

藤沢和師 先導馬に取りつくのが早かった分、1頭で抜け出してしまったけど、休み明けとしてはいい感じだったんじゃないかな。スプリンターズSから使い出した昨秋より始動が遅くなったことで、夏休みを長く取って十分に乗り込めている。レースまであと1週間あるから、あとは週末に乗った感じで当週の調整を考えます。

――8月に喉の疾患(喉頭蓋エントラップメント)の手術を行っています。その影響はありますか。

藤沢和師 もちろん、喉を気にしながら調整を進めてきたが、全く問題なさそう。牧場でもしっかり乗り込めていたし、2週前には坂路でいい時計(4F50秒8)を出せている。1週前追い切りを終えた後の息遣いも良かったよ。

――2歳6月にデビューして約3年半がたちました。現役ラストシーズンの5歳秋を迎え、これまでで最も成長したところはどんな部分でしょうか。

藤沢和師 “大人の女”になってきたね。2、3歳頃のカイバを食べなかった時期からどんどんたくましくなって、“いい馬”になった。気持ちが空回りしているところもない。年齢も年齢なので絞りづらくなってはいるけど、その分、乗り込み量を増やしているからね。

――GI6勝目を狙った前走の安田記念は後方から追い込んで勝ち馬からアタマ差の2着でした。レースを振り返ってもらえますか。

藤沢和師 スタートのタイミングが合わなかったな。ヴィクトリアM(1着)後に蹄に気になるところはあったが、早めに蹄鉄を打ち替えるなど対処して問題はなく調整できていた。最後に地力は見せてくれたんじゃないかな。

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▲GI5勝目となった今年のヴィクトリアマイル (撮影:下野雄規)


――2000mへの挑戦は2度目になります。大阪杯のレース内容はどう見ていますか。

藤沢和師 4コーナーまでは上手に走っていたよね。思った程伸びなかったのは距離なのか、それとも重い馬場が影響したのか…。ただ、コントレイルは強かった。ずっと向正面から併走して、最後まであの馬は交わせなかった。良馬場なら違ったと思うけど、あのレースに関しては完敗でした。

――今回はそのコントレイルと再戦になります。ポイントはどこになりますか。

藤沢和師 大阪杯の時はコースをグルッと1周しないといけないから、前半に力まないように気を付けた調整だったけど、今回はワンターンの競馬で、いつもと同じような調整をできている。グランアレグリア本人も大阪杯の時は“えっ、もう1周するの?”って思ったのかもしれないね(笑)。今回は走り慣れた東京芝1600mのちょっと後ろからスタートするだけだし、東京芝2000mの方が競馬しやすくなると思う。良馬場で改めて期待しています。

スタミナじゃなく、スピードのある馬で勝ちたい


――天皇賞・秋は96年バブルガムフェロー、02-03年シンボリクリスエス、04年ゼンノロブロイ、14年スピルバーグ、18年レイデオロと計6勝もしています。今年の意気込みとレースへの特別な思いはありますか。

藤沢和師 今まで勝たせてもらった強い馬たちは、どちらかというと2000mが得意だった。天皇賞・秋にはスタミナじゃなく、スピードのある馬で勝ちたい気持ちが大きかったので、初めてそういう馬で行ける今年はすごく楽しみですよ。天皇賞・秋でタイキシャトルの走りを見たかったし、タイキブリザードやシンコウラブリイ、マグナーテンも走らせたかった(※当時は外国産馬やセン馬に出走制限があった)。グランアレグリアは今名前を挙げたタイキシャトルを牝馬にしたイメージに近いのかな。

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▲レイデオロが優勝した18年の天皇賞・秋 (撮影:下野雄規)


――過去の管理優勝馬の共通点や、どのような馬が勝ちやすいと考えていますか。

藤沢和師 スピードだけでは難しいと思う。やはり東京の芝2000mは直線も長いし、コントロールが上手にできないと最後の脚がなくなってしまうからね。バブルガムフェローなんかは直線でグッと(仕掛けを)待てる余裕があった。グランアレグリアも若い頃は暴走気味なところがあったけど、穏やかになってハンドルが利くようになった今は、当時の優勝馬たちと同じ感じになりつつあるよね。

――天皇賞・秋を使った後はどのようなプランを描いていますか。

藤沢和師 この後はジャパンCとか香港くらいしかないわけだから、今回の結果次第でオーナーと相談して決めます。私も秋初戦の走りを楽しみにしていますよ。

(文中敬称略)

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