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長めの距離に強い父、近親にスピード豊かな馬が並んでいるエフフォーリアの強さ

  • 2021年11月01日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・10/31 天皇賞・秋(GI・東京・芝2000m)
 残り200mでグランアレグリアをとらえて先頭に立ったエフフォーリアが、外から迫るコントレイルを1馬身抑えて優勝しました。3歳馬の勝利は2002年のシンボリクリスエス以来19年ぶり。負かした相手が三冠馬コントレイル、最強マイラーのグランアレグリアですから、これらを打ち破ったエフフォーリアの強さは文句なしです。

 父エピファネイアは三冠牝馬デアリングタクト、アメリカJCCのアリストテレス、菊花賞2着馬オーソクレースなどを出しており、土曜日のアルテミスSを勝ったサークルオブライフの父でもあります。自身が菊花賞とジャパンCを勝っているように長めの距離に強いタイプです。

 それに加えて本馬は、母の父ハーツクライがサンデー系種牡馬のなかでもスタミナ豊富なタイプですから、本質的には2000mよりも2400mのほうが合っているはずです。

 ただ、近親にアドマイヤムーン、スリープレスナイトといったスピード豊かな馬が並んでいるので、2000mでもスピード負けせず強い競馬ができます。次走の有馬記念を勝てば年度代表馬の座が濃厚です。

・10/30 アルテミスS(GIII・東京・芝1600m)
 大外を伸びたサークルオブライフがゴール前でベルクレスタをとらえ、デビュー3戦目で重賞を制覇しました。

 8月の新馬戦(新潟芝1800m)は評判馬イクイノックスから7馬身差の3着。2戦目の未勝利戦(中山芝1600m)はスタートで出遅れて最後方まで下がったものの、道中、大胆にポジションを押し上げて直線で突き抜けました。

 今回は一転して脚をためる競馬。ラストで非凡な切れ味を披露しました。スターマイライフ(米年度代表馬レディーズシークレットの半妹)のファミリーは活力があり、スティールパスやトレンドハンターなどの活躍馬が出ています。菊花賞で6着となったヴェローチェオロも同じ一族です。

 父エピファネイアは、本馬とエフフォーリアが2日連続で重賞を勝ちました。他にデアリングタクト、アリストテレス、オーソクレースなどを出しています。当レース3着シゲルイワイザケ、5着フォラブリューテ、7着ミントも同産駒です。

 今年の2歳牝馬には他にソネットフレーズ(デイリー杯2歳Sに出走予定)などもいてタレント豊富。牝馬クラシック路線でエピファネイア軍団が大暴れしそうです。

今週の血統注目馬は?


・11/7 道頓堀S(3勝クラス・阪神・芝1200m)
 阪神芝1200mと相性のいい種牡馬はロードカナロア。これまで連対率29.3%と優れた成績を挙げています。

 2011年以降、当コースで産駒が20走以上した計50頭の種牡馬のなかで第1位の成績です。

 当レースには同産駒サウンドカナロア、サトノファビュラス、スワーヴシャルル、フォレブルートの4頭が登録しています。なかでも注目したいのはスワーヴシャルル。サトノアーサー(関屋記念、エプソムC)、ダノンレガーロ(現5戦3勝)を兄弟に持ち、母キングスローズはニュージーランド1000ギニー(G1・芝1600m)など6つの重賞を制した名牝。

 このクラスで上位争いを繰り返しており、そろそろ順番が回ってくるタイミングです。

今週の血統Tips


 10月30日、豪フレミントン競馬場で行われたヴィクトリアダービー(豪G1・芝2500m)を、モーリス産駒のヒトツが制覇しました。

 秋シーズンは毎年、シャトル種牡馬としてオーストラリアへ渡り、アローフィールドスタッドで供用されています。今年も8月から12月まで渡豪中。南半球で供用された日本のシャトル種牡馬が、現地の種付けで大レース勝ち馬を出した例は過去にもあります。

 タヤスツヨシがホロービュレット(ヴィクトリアオークス、アローフィールドスタッドS)を、フジキセキがサンクラシーク(ドバイシーマクラシック、ケープフィリーズギニー、マジョルカS、ウーラヴィントン2200、ダイアナS)を出しました。

 モーリスは初年度から大物を出しただけでなく、コンスタントに産駒が勝ち上がっています。タヤスツヨシやフジキセキは現地では一発屋の印象が否めなかったのですが、モーリスは違います。

 2017年に初供用された種牡馬を対象とした豪セカンドシーズンサイアーランキングで現在トップに立っています。今後、国際的な評価が高まりそうです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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