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【マイルCS予想】「ちょい長め」に出ていた馬をチェック

  • 2021年11月16日(火) 12時00分

思い浮かぶ好走するパターンは…


 マイルCSは本来だと京都。それが昨年今年と阪神になっているわけで本当はそれをごっちゃにした話をしてはいけないのだが、さりとて去年だけを対象に話をするわけにもいかないので、敢えて過去10年すべてを対象とする。

 マイル戦の場合、1200〜1400mで走っていた馬も1800〜2000mで走っていた馬も出られるという面がある。ではどちらが有利、どちらがいまひとつといったようなことはあるのだろうか?

 過去10年のマイルCSに出走した馬が、同年とその前年、どんな距離のレースに出ていたかを整理すると以下のようになる。いまは新馬・未勝利にまで1800m以上のレースがたくさんあるので、敢えてクラスは不問とした。ただしダート戦は除いてある。

出走全馬だと
1600m未満 317走(全体の18.9%) うち92勝(勝率29.0%)
1600m  867走(同51.8%)   うち237勝(勝率27.3%)
1600m超 491走(同29.3%)   うち109勝(勝率22.2%)

マイルCSで1〜3着した馬のみを対象にすると
1600m未満 30走(全体の11.8%) うち11勝(勝率36.7%)
1600m   116走(全体の45.3%) うち39勝(勝率33.6%)
1600m超  110走(全体の42.9%) うち24勝(勝率21.8%)

 いずれも2年連続で出走・好走した馬については、同じ過去レースが2回カウントされている。

 出走全馬→3着以内馬を比較した場合、3着以内馬のほうでは1600m超の出走履歴がシェアを増している(29.3%→42.9%)ことが分かる。また、1600m未満・1600mに比べて1600m超の過去レースはそこにおける勝率が低い。例えば「昨年は頑張ってクラシックに出ていたが2000m以上は長すぎたという4歳馬」がここで好走するというようなパターンが思い浮かぶ。

 もちろんグランアレグリアのように3グループすべてに出走している馬もいるわけだが、おおざっぱにいうと「去年今年と長めの距離に出ていて、そこでの成績も踏まえてマイルに転じてきた馬」がここで好走するというパターンを狙いたくなる。ちなみに今回の登録馬でいうと、今年と昨年に1600m超のレースに出た数が多いのはダノンザキッドとサトノウィザード(注:回避予定)の5回。4回がサリオスなど3頭。上位人気3頭は含まれないから、ここから配当を伸ばしてくれる馬を探してみたいものである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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