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【ジャパンC予想】この距離は三冠馬にとって不安はない

  • 2021年11月26日(金) 18時00分

引退戦は後のことを考えないでよい仕上げができる


 コントレイルの引退戦となるジャパンカップ。想定される中では手ごわい敵が少なめとなった印象もあり、人気に応えられる可能性も高そうだ。

 天皇賞秋は上がりの競馬で後ろからになったぶんエフフォーリアを捕らえられなかったが、上がり33.0秒の脚を使っているのだから能力の高さは示している。距離は2000mのほうがベターかもしれないが三冠馬にとって2400mが不安なわけがない。引退戦というのも、後のことを考えないでよい仕上げができるぶん良い面もある。

 シャフリヤールは神戸新聞杯4着から。別に力負けしたわけではなく、馬場が馬場だっただけに深刻にとらえる必要はない。ただGII4着以下からGIという形そのものは普通だとなかなか結果が出ない。本来の地力と、ダービーを勝ったコースに戻ることでどこまでコントレイルに肉薄できるか。

 オーソリティはルメール人気もあって売れそう。陣営の使い方からもややスタミナが勝ったタイプか。GIでは2回大敗しており、今回も負けるとトライアルホース的なキャラクターになってしまう。GIIを勝ってジャパンカップで上位人気というのは本来あまり買いたくないのだが、この馬の場合は2〜3番手に行けるという魅力がある。先行タイプが少ない今回のメンバーだとルメールはかなり積極的に乗って結果に繋げるのではないだろうか。

 アリストテレスもスタミナはあるが、こちらはとにかく上がりのタイムが出ないタイプ。ジャパンカップは上がり特化型のレースにはなりにくいのでその点に期待をかけたいが、決め脚のある馬が揃う中だとやや不利な面があるし、位置もどの程度とれるかは不透明。テン乗りとなる横山武史騎手の戦略に注目したい。

 ユーバーレーベンは秋華賞大敗だったがオークスを勝ったコースでの前進を期待。3歳牝馬の53キロは魅力だが、外枠を引いたのはややマイナスか。ジャパンカップはとにかく内枠が強いし、コーナーで外を回るとしんどくなる。

 外国調教馬3頭から1頭だけ選ぶならブルーム。枠も内だし前に行く選択肢もある。ただ今シーズンだいぶ使われているので状態面は心配でもある。ジャパンはここ2年のG1実績が物足りないし、枠も大外。グランドグローリーは距離も馬場も合わないと思う。馬場が合うとは思えなかった欧州馬が意外と走るというケースもなくはないのだが、それをアテにして馬券は買えない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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