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【浜中俊騎手】前哨戦からの騎乗は「大きなアドバンテージ」メイショウハリオとチャンピオンズCへ

  • 2021年11月30日(火) 18時02分
今週のface

▲初騎乗のメイショウハリオとみやこSを制した浜中俊騎手 (C)netkeiba.com


重賞初出走となったみやこSを制覇したメイショウハリオ。直線でたしかな末脚を発揮しての勝利となりましたが、レースの最初のポイントは1コーナーでのポジション争いにあったと言います。

初騎乗だった前走に続き、GI・チャンピオンズCでも手綱をとる浜中俊騎手にみやこSについて詳しい振り返り、そしてGIに向けての思いを伺いました。

(取材・構成=大恵陽子)

※このインタビューは電話取材で行いました

1コーナーで突っ張れたことがポイント


――みやこS制覇、おめでとうございます。初騎乗でしたが、第一印象はいかがでしたか?

浜中 厩舎からは「少しテンションが高い面があります」と聞いていたんですけど、返し馬からレースに向かうまでは落ち着いていて乗りやすいなと感じました。レースでは「しまいはしっかりしている馬なので、良さを出せるように乗ってほしい」と聞いていました。

――スタートして、1コーナーの入り口では両サイドから寄られ、位置取りが1つ下がってしまいそうな場面がありましたが、しっかりポジションをキープしました。

浜中 スタートの出方から、位置取りが後方になってしまいそうだったので、少し促してある程度のポジションを取りたいと思いました。その後の1コーナーが、レースの最初のポイントでした。あそこで引かずに突っ張れたことは大きかったと思います。

――向正面ではエクスパートランがマクっていきました。あの場面でレースの流れなどに変化はありましたか?

浜中 エクスパートランはいつも途中で動いていく馬なので、この時もたぶん動くだろうなと思っていました。エクスパートランが行ったことで先行勢も若干ペースを上げたのかなと思いました。

――そうすると、末脚確実なメイショウハリオにとっては、スローペースで流れるよりかは「よしよし」といった流れに?

浜中 そうですね。僕はそうは思っていました。

――しかし、4コーナーは少しゴチャついたように見えました。

浜中 4コーナーで少しズブさを見せて、なんとかポジションをキープしようとしていたら、内の馬が曲がりづらそうで、2回くらい外にオーバーランする感じの場面があって、それで苦しくなりました。直線の立ち上がりまで前の馬と離れずについていければ、最後は脚を使ってくれるんじゃないかという印象を持っていたので、あの場面で頑張ってくれたのは大きかったですね。

――直線では粘るアナザートゥルースを捕らえられる手応えはありましたか?

浜中 直線に入って前が開けるとグンと伸びたので、アナザートゥルースは交わせると思いました。そしたら、そのタイミングで外からいい脚で伸びてきている馬がいると感じたので、そちらとの勝負だなと感じました。相手の勢いから「交わされそう」と一瞬思ったんですけど、近づいてきたらもうひと踏ん張りして伸びてくれました。サクッと交わされそうなところを踏ん張った分、最後まで残ったと思います。

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▲「最後は脚を使ってくれるんじゃないかという印象を持っていた」と浜中騎手 (C)netkeiba.com


――レース後には「内を捌いて馬の間からの競馬をした前走の経験が生きたと思います」と話していました。

浜中 前走では岩田(康誠)さんが内から馬群を割る競馬をしていたので、1コーナーで引きそうな場面で突っ張ることができたり、4コーナーでゴチャついた時にも踏ん張って、直線では間を割って伸びてくれたところに繋がったんじゃないかな、と思い、そうコメントしました。

前哨戦から乗れるのは大きなアドバンテージ


――デビューから一貫して乗り続けることの醍醐味も、初騎乗で求められている結果をしっかり残す責任も、ジョッキーにとっては様々あるのではないかなと想像します。今回は後者でした。

浜中 結果を出せるとどんな時でも「期待に応えられてよかった」という安堵の気持ちがあります。ただ、ジョッキーがどう乗ったとしても、それに応えてくれる馬の能力がなければできないこともありますので、自分が上手く乗ったというよりは、今回のメイショウハリオにしても馬の力のおかげなので、そういった力のある馬に乗せていただけたことがジョッキーとしてはありがたいです。

――浜中騎手は2019年、京都新聞杯で初騎乗(2着)だったロジャーバローズで日本ダービーを12番人気ながら見事勝利しました。今回のチャンピオンズCも前哨戦から続けての騎乗になります。その辺りのメリットは?

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▲19年の日本ダービーでは12番人気のロジャーバローズを勝利に導いた (撮影:下野雄規)


浜中 GIでテン乗りよりも、二度目の方がその馬のことを多く知ることができている状態で競馬に向かえますから、大きなアドバンテージだと思います。見ているのと、一度乗って感じるのとでは、やっぱり全然違います。

――実際にレースで乗って、改めてメイショウハリオの長所はどこだと感じましたか?

浜中 最後の直線で脚を使ってくれるところが一番のセールスポイントだと思います。

――チャンピオンズCの舞台はどう思いますか?

浜中 左回りでも走っていますし、特に何も心配なところはないです。

――最後に、チャンピオンズCに向けて意気込みをお願いします。

浜中 4歳でまだ若くてフレッシュな馬で、重賞初挑戦で勝ってGIに向かえます。馬も勢いづいているので、楽しみを持ってチャレンジできるんじゃないかと思っています。応援よろしくお願いします。

(文中敬称略)

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