▲チャンピオンズC連覇に挑むチュウワウィザード (C)netkeiba.com
先週に引き続きノーザンファームしがらき・松本康宏場長にインタビュー。今週は、チャンピオンズC連覇に挑むチュウワウィザードに焦点を当てお届けします。JBCクラシック・帝王賞の振り返りや「成長を感じた」という海外遠征のこと、今後の展望についてもお話いただきました。
(取材・文=netkeiba編集部)
馬の状態は非常に良い
──骨折休養明けとなった前走のJBCクラシックを振り返ってみていかがですか?
松本康宏場長(以下、松本) 小回りな金沢のコースはちょっと向かないかな、という馬なのですが、それでもしぶとく伸びてきてくれました。年々ズブくなっているような感触もありますし、戸崎騎手に聞くと追って味がある馬だということで、そういう意味では順調な結果かなと。本番はチャンピオンズCだったので、休み明けのひと叩きという意味では十分な内容かなと思っています。
──サウジ・ドバイ遠征を経ての変化について聞かせてください。
松本 初の海外遠征でドバイへ行った時は、厩舎の調整や馬のテンションなど、かみ合わなかった面があったのか、現地で馬が非常にイライラしてて、身体も小さく見えてあまり状態がよくないなと思っていました。当時はレースが中止になりそのまま日本に帰ってきたのですが、レースをしていないのにかなりダメージがあるような感じでしたね。
サウジは行っておらず見れていないんですけど、今年のドバイ遠征のときは非常にいいコンディションで、落ち着きもありつつ適度に気持ちが入っていて、身体のハリも良かったので状態はすごくいいのかなと思いましたし、2着といういい結果も出せました。海外遠征を経て精神的に成長する馬が多いんですけど、この馬もやはり精神的に、また肉体的にもかなり成長したのかなという感じは受けました。
──帰国初戦となる帝王賞では6着、その後骨折が発表されました。
松本 かなり軽度な骨折なんですけど、結果としてはそれも響いたのかなと。また大井コースではまだ勝っていなくて…比較的パフォーマンスの落ちるコースなのかなという認識はあります
──今回は得意とする中京コースに戻ります。
松本 広く大きな競馬場、そして左回りでは比較的いい成績を残しているので、チャンピオンズCもいい結果を出してくれるのかなと期待しています。
──9月の帰厩後はトレセンに在厩しています。最近の状態はどうですか?
松本 7月7日に帰ってきて9月29日に入っているので、約3か月ほどしがらきの方で調整させてもらいました。昨年と同様の臨戦過程かなと思っています。
──大久保龍志調教師とはどのような会話を?
松本 馬の状態は大久保先生からは非常にいいと、なんとかここは勝ちたいという話は聞いています。馬のクセというか、どのような感じかについては聞いたりします。
──同馬の好調を見極めるポイントを教えてください。
松本 難しいと思うんですけど、大きく見せるような感じであれば馬は好調なのかなと。普段からうるさいところがある馬ではありますし、多少イレこんだりとかしても特に問題ないかと思うんですが、調子がいいときは比較的大きく見せる感じはありますね。
──今後の予定については?
松本 大久保調教師からは、チャンピオンズCで勝てばサウジ・ドバイにいけると。ドバイの方は実績もあるのでおそらく選出されるとは思いますが、サウジはまだ不透明な部分もあるので…勝てばまた来年も連戦になるのかなと聞いてます。昨年のドバイでは離されましたが2着に来てますし、頑張ってもらえたらなと思います。
──チャンピオンズCに向けての意気込みをお願いします。
松本 昨年はチャンピオンズCを勝ってJRA最優秀ダートホースに選ばれました。今年はいまのところ勝てていませんが、まだ衰えているわけじゃないですし、さらに上を目指し大きいレースを獲るためローテーションを組んで頑張っているところです。
チャンピオンズCは目標の一つなので勝ちたいと思います、応援よろしくお願いします。
(文中敬称略)