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「思った通りの競馬はできたんやけど…」キタノインディ8着にショック

  • 2021年12月07日(火) 18時01分
先週は、約5年ぶりに中山に参戦した小牧騎手。パートナーは、「もっと上まで行ける馬」と力が入るキタノインディ。スタートから4コーナーまで、絶妙なコース取りを含めて完璧な競馬に見えましたが、残念ながら結果は8着。これには「ショックやったわ…」と、落胆を隠さない小牧騎手。日曜日の心の動きを赤裸々に語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

ゲート裏でローズキングダムを思い出しながら…


──先週は、ひと叩きされたニホンピロランドがきっちり変わり身を見せましたね(12月4日・阪神10R・妙見山S・9番人気5着)。

小牧 ランドは納得のいく競馬ができたね。一回叩いたら、やっぱり違うわ。

──もともと使いつつのタイプ。

小牧 うん。いつも久々はもうひとつ。次やね、次。力を出せる状態であれば、3勝クラスでも十分通用することがわかった。次こそはなんとかなりそうや。

──日曜日のキタノインディは8着(12月5日・中山10R・市川S・9番人気8着)。力が入っていたぶん、この結果はショックだったのでは…。

小牧 ショックやったわ。速い流れに巻き込まれたかなとも思ったんやけど、そんなことないよね。

──そんなことないと思いますよ。内からすごくスムーズに外に出して、完璧な競馬だったように思います。

小牧 僕もね、自信を持って乗ったし、思った通りの競馬はできたんやけど…。前に行く馬が多くて、最初は流れが速かったから、どんな競馬でもできるわと思ってあの位置に。外に出すのは難しいかなと思っていたら、上手いこと隙間があってね。スムーズに出せたんやけどなぁ。本命の馬(ノーブルシルエット1番人気2着)を前に置いて、自信満々で乗ったんですよ。あんなに自信を持って乗ったのは久しぶりやった。だからこそ、なんかホントにショックで。

──4コーナーまで本当にスムーズでしたが、直線に向いたときはどんな手応えだったんですか?

小牧 直線に向いたとき、ノーブルにちょっと離されたね。ああいうときは、もっと食い下がらんとアカンのやけど、その時点でもう進まなくなってしまった。ちょっと流れは速かったかもしれないけど、それも踏まえて、思った通りの競馬はできたんやけどね。

──敗因がハッキリしないだけに、なんかモヤモヤが…。

小牧 ん〜、ちょっと太いのかなぁ。

──先生や厩舎の方は、敗因について何かおっしゃってました?

小牧 いやぁ、わからないねぇ。「ちょっと太かったかな」とは言っていたけどね。

──3歳ですから成長分もあるでしょうが、ここ3戦で合計20キロ増えていますからね。

小牧 確かにそうなんやけど、調教の感じからして、ホントに調子がよかったんですわ。3勝クラスはもちろん、もっと上に行ける馬だと僕は思ってるんでね。なんとか巻き返したいね。それにしても、中山は久々に行ったわ。ヒットザターゲットの有馬記念以来ちゃう?(編集部注:実際は17年中山金杯以来)

──約5年ぶり!

小牧 たぶんそうやで。だから、帰りは横浜にでも寄って行こうかと思ってたんやけど…。ショックが大きくて、真っ直ぐに帰ったわ。なんか疲れてね、1頭しか乗っていないのに。

──精神的にドッと疲れがきたんでしょうね。で、なんでまた横浜なんですか?

小牧 僕ね、BSでやってる太田和彦さんの『居酒屋百選』っていう番組を観てるんですわ。そこでね、横浜のすごく美味そうな居酒屋さんを紹介していて、中山の帰りにひとりでちょこっと寄ろうかと思ってたんやけど、なんかそんな気になれなくてね。今日はもういいやと思って、駅でお寿司を買って、酎ハイを飲みながら帰ってきましたわ(苦笑)。

──そうでしたか。でも、それだけ真剣に向き合っていたということ。絶対に巻き返してほしいです。

小牧 はい。今回は本気で勝てるんちゃうかと思っていたからね。久々にゲート裏でローズキングダムのことを思い出したりして。

──どんなことを思い出していたんですか?

小牧 自信満々で乗ってたなぁって。あの頃の気持ちを思い出しながら、「よし、今日も自信を持って乗っていこう」と思って、実際に上手いこと乗れたんやけどね。それで負けたから余計にショックだったけど、今は絶対に巻き返したいっていう気持ちのほうがずっと大きいわ。

──さて、今週ですが、特別登録を見ていたら、ちょっとだけ懐かしい馬を見つけました。

小牧 ああ、ドルチェリアね。一度障害に行ったけど、平地に戻ってくるみたい。

──12月1日に調教に乗ってらっしゃいましたね。

小牧 うん。時計は出ていたけど、今回はちょっと重たいかもしれないね。でも、一度叩いたら上位にくる力があるのはわかっているから。

──平地で頭打ちになって障害に転向した馬ではないですもんね。

小牧 そうそう。もう8歳やけど、あの馬は本当に堅実。

──競馬には、障害帰りの一発がときどきありますからね。

小牧 そうやね。一度叩いてからかなとは思うけど、僕も一発決めるつもりで乗ってくるよ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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