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ハーツクライ産駒2頭目の朝日杯FS制覇

  • 2021年12月20日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・12/19 朝日杯フューチュリティS(GI・阪神・芝1600m)
 中団につけたドウデュースがセリフォスとの競り合いを制し、無傷の3連勝で2歳マイル王の座につきました。1、2戦目は1800m戦で、今回はマイル戦。距離短縮+相手強化によって800m通過は前走に比べて2秒5速かったのですが、すんなりと流れに乗りました。

 1番人気のセリフォスが前半行きたがり、2番人気ジオグリフが後ろから2頭目で競馬を進めるなか、鞍上の意のままに折り合うセンスの良さが光りました。

 ハーツクライ産駒の朝日杯FS制覇は2019年のサリオスに次いで2頭目。母ダストアンドダイヤモンズはダート6.5ハロンの米G2を勝った実績がありますが、母の父ヴィンディケーションは快速タイプではなく、むしろ中距離寄りの血です。マイルは守備範囲でも、本質的には中距離タイプではないかと思われます。皐月賞の2000mに距離不安はないでしょう。スパっと切れるタイプではないので中山の消耗戦も合うはずです。

・12/18 ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)
 最後方に控えたミスニューヨークが直線で大外から差し切りました。800m通過45秒4というハイペース。思い切って最後方に下げたミルコ・デムーロ騎手の勝負手が見事にハマりました。3歳時の昨年、16番人気の秋華賞で5着に食い込んだ実績があります。展開と馬場が向けば大駆けの可能性のある馬で、今回はハイペースと稍重のコンディションが味方となりました。

 ちなみに、秋華賞も稍重で、重馬場では2戦2勝。力の要る馬場になるといい走りをします。1分32秒8という勝ちタイムは、ハイペースに引っ張られた効果によるものです。

 父キングズベストは、ヨーロッパの名種牡馬ガリレオやシーザスターズを近親に持つ重厚な血統構成。2、3着はオルフェーヴル産駒ですから、ヨーロッパ的な重厚さを持ち合わせた馬に向いた馬場でした。キングズベストは先週の中日新聞杯を勝ったショウナンバルディに続いて2週連続の重賞制覇となります。

今週の血統注目馬は?


・12/26 サンタクロースS(3勝クラス・阪神・芝2000m)
 阪神芝2000mに強い種牡馬はドゥラメンテ。連対率32.1%は、2011年以降、当コースで産駒が20走以上した55頭の種牡馬のなかで第1位。このレースにはヴァリアメンテが登録しています。阪神芝2000mは過去2戦1勝。敗れたレースは強敵が揃ったリステッドレースの若葉Sで、なおかつスタートで出遅れる不利がありました。良馬場でも走れますが、母は重厚な血統構成なので、少し時計のかかる馬場コンディションになればさらに良さそうです。

今週の血統Tips


 人気の中心はエフフォーリアとクロノジェネシス。それが今年の有馬記念の下馬評です。3歳馬エフフォーリアはエピファネイア産駒。来年の種付け料は1800万円となり、わが国でナンバーワンの種牡馬に躍り出ました。

 エフフォーリアだけでなく、牝馬三冠馬デアリングタクト、2歳女王サークルオブライフなど、産駒の粒の大きさがセールスポイントです。今年の菊花賞で産駒が2、3着となったように、スタミナを必要とする舞台を得意としており、中山芝2500mは出走サンプルが少ないものの2戦2勝です。

 エフフォーリアは、これまで最も距離が長かった日本ダービーで2着と敗れていますが、瞬発力を要する競馬でディープインパクト産駒シャフリヤールの切れ味に屈した形です。有馬記念と同じ中山競馬場で行われた皐月賞では、後続に3馬身差をつけて楽勝しました。

 出走メンバーはこのほか、連覇を目指すクロノジェネシス、菊花賞馬タイトルホルダー、フランスで重賞を制したディープボンドなど、多士済々。名勝負を期待したいです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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