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【横山典弘×藤岡佑介】第5回「“名手・横山典弘”の心の声――だから、俺は自分に酔い切ることができない」

  • 2021年12月29日(水) 18時02分
with佑

▲横山典弘騎手ゲスト会、今回で最終回!(撮影:桂伸也)


今回が「with佑」の年内最終更新。横山典弘騎手をゲストにお届けしてきた大反響の対談も、今回が最終回となります。

ここまで、netkeiba編集部が選んだ「横山典弘騎手の神騎乗」の種明かしをしていただきましたが、最後は普段は聞くことのできない、横山典弘騎手の心の声に迫りたいと思います。

「天才」や「名手」と称される横山典弘騎手ですが、自身ではどう感じているのか。現在53歳となった自身の立場も踏まえて、今の心境を赤裸々に語ります。

(取材・構成=不破由妃子)

実は…レースが終わったあとの“反省の弁”がすごい


佑介 僕、ノリさんに聞いてみたかったことがあるんです。前に乗っていたジョッキーとはまったく違う競馬をしたり、連続騎乗だとしても、たとえば前走で逃がした馬を今回は追い込ませてみたりとか、極端に競馬を変えることってありますよね。それで勝ったり、いい競馬ができたときって、「さすが俺!」じゃないですけど、ちょっと自分に酔うみたいなところはあるんですか?

横山 ケイアイチョウサンでラジオNIKKEI賞(2013年)を勝ったときは、「やっぱ俺、天才だな」と思った(笑)。あと、6連勝したときも(2005年11月5日)思ったな。でも、次の日はひとつしか勝てなくて、普通の人だった(笑)。

佑介 アハハハ!

(以下、2013年のラジオNIKKEI賞の映像を観ながらのトーク)

横山 これは上手くいったよな。強運だなと思ったよ。

with佑

▲改めて映像を見て「これは上手くいったよな」(撮影:桂伸也)


佑介 4コーナーの回り方がノリさんならではですよね。手応えがいいと、普通は外に進路を求めたくなるものですが、みんなが進路を選び終わったあと、一番最後に残った進路を伸びてきた。

横山 これで外を選んでいたら勝ってないよな。一瞬しか脚を使わない馬でね、その武器を最高の形で生かせたと思う。

 でもね、どんなに上手く乗ったとしても、結局は馬の力がないと勝てないんだよ。だから、俺は自分に酔い切ることができない。どんなに上手く乗っても負けるときは負けるし、勝ったレースはすべて上手く乗ったかというとそうじゃない。このレースだって、たまたま前が開いたっていうだけでさ。

佑介 違います、たまたまじゃないです(笑)。僕がなぜ

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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