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【シンザン記念予想】位置取りの器用さと瞬発力が問われる

  • 2022年01月08日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 関東地方にいると錯覚するかもしれないが、中京競馬場は木曜こそ「雪のち曇」だったが、JRA公式ホームページによると、当日の降水量は0ミリ。年始の1日以降は基本的には晴天続きで、ダートはかなり乾燥した状態となっている。

 芝コースは1日、2日、3日、京都金杯翌日の6日に散水を実施。8日午前5時測定の含水率は「ゴール前13.3%、4コーナー12.6%」。良馬場としては結構水分を含んでいる。

 シンザン記念は京都競馬場新装工事の影響で昨年に続き、中京の芝Aコースで行われる。前年暮れの中京開催がBコース、年明けがAコースの運用方法は2020年暮れ〜2021年年始と同じ。昨年の開催日数が多かった影響もあるのだろう。JRAホームページでは「3コーナーから4コーナー内側に傷みがあります。その他の箇所も内柵沿いに傷みが出始めました」とのこと。

 ただ、今開催の開幕日5日も内を避けて通る傾向はなく、例えば水曜10R・万葉Sを快勝したマカオンドールは直線で内ラチ沿いに進路を取って差し切った。11R・京都金杯を勝ったザダルも最終4コーナーで12番手にいたが、直線は外に出さずに馬群を縫って伸びていた。

 土曜8日は、芝競走は4鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、2番手、1番手、3番手」。サンプル数が少ないので結論を早まってはいけないが、土曜の中京競馬は芝もダート戦も先行馬が活躍した。

 古馬2勝クラスの9R・鳥羽特別(芝1200m)は先手を奪った11番人気テーオーマルクスが堂々と逃げ切り勝ち。前半3F33秒9〜後半3F34秒3。決してスローに落とした逃げではなく、勝ち時計も1分8秒2とまずまず出ている。

 古馬3勝クラスの10R・寿ステークス(芝2000m)は3番手から伸びたシュヴァリエローズが快勝。このレースでも、逃げた6番人気オーロラフラッシュが内ラチ沿いで2着に粘り込んでいる。
日曜の中京競馬場は引き続き好天予報。降水確率も10%と低い。土曜のレース傾向はそう変わらないのでは?

 3歳重賞のシンザン記念は逃げ候補がビーアストニッシド、シーズザデイあたり。それなりに好位を狙う馬はいるが、案外落ち着いた流れになりそう。そうなると、土曜の傾向からも後方から運ぶ馬は厳しいかもしれない。器用に立ち回れる馬。時計もまずまず出ている。昨年の優勝馬ピクシーナイトの1分33秒3ほどは速くならなくても「1分34秒台前半」付近は出る。瞬発力が問われる舞台設定といっていい。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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