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【日経新春杯AI予想】今週も見解が一致! 絶好調のAIが注目する伏兵の魅力を徹底分析

  • 2022年01月11日(火) 18時00分

先週は注目馬として指名した単勝オッズ13.9倍(7番人気)のザダルが優勝(c)netkeiba.com


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

上位人気に推された馬はそれなりに健闘しているが……


AIマスターM(以下、M) 先週は京都金杯が行われ、単勝オッズ13.9倍(7番人気)のザダルが優勝を果たしました。

伊吹 有馬記念のエフフォーリアに続き、年明け最初の重賞も当コラムで挙げた注目馬が快勝。衆目を集める年末年始の大一番で、Aiエスケープがその実力を存分に見せつけてくれました。これはもう、お見事というほかありません。

M ザダルに関しては、配当的な妙味も十分だったと言って良いのではないでしょうか。

伊吹 その通りですね。先週の当コラムで予告した通り、私もこの馬には重いシルシを打ったのですが、オッズを見て驚きました。3番人気くらいのイメージで評価していましたから。

M 4歳のバスラットレオン(9着)やルークズネスト(11着)よりも人気がないのは意外でしたね。

伊吹 おそらく、57.5kgの負担重量が嫌われたのでしょう。ハンデキャップ競走ということもあり、4歳勢やこれからタイトル獲得を目指す馬に期待した方が多かったようです。

M ちなみに、2着のダイワキャグニーと4着のダイアトニックも負担重量は57.5kgでした。

伊吹 3着のカイザーミノルを含め、上位4頭はいずれもGIIで3着以内となった経験があった馬。結果論ですが、このあたりの実績馬は過小評価され過ぎだったように思います。

M ザダルは昨年のエプソムCに続き自身2度目の重賞制覇。今後も楽しみですね。

伊吹 明け6歳とはいえ、まだキャリア13戦ですからね。トーセンラー産駒の代表格として注目している方もいらっしゃるでしょうし、2022年の重賞戦線を盛り上げてくれるのではないかと思います。

M 今週の日曜中京メインレースは、さまざまな路線から注目馬が集うハンデキャップ競走の日経新春杯。昨年は単勝オッズ19.6倍(7番人気)のショウリュウイクゾが優勝を果たしました。

伊吹 前走が3勝クラスの関ケ原S、かつその前走で8着に敗れていましたから、前評判としては妥当なところだったと思います。ただ、他の先行勢がそれぞれ失速する流れの中、ショウリュウイクゾは4コーナー3番手のポジションから後続の追撃を完封。負担重量が53kgだった点を差し引いても高く評価して良さそうな、堂々たる勝ちっぷりでした。

M その2021年は3連単96万1790円の大波乱決着。ハンデキャップ競走らしい波乱含みの一戦と見ておいた方が良いのでしょうか。

伊吹 難しいところですね。一応、単勝1番人気の支持を集めた馬は、過去10年で7頭が連対を果たしています。


M 2020年のレッドジェニアルは7着に、2021年のアドマイヤビルゴは10着に敗れてしまいましたが、2017〜2019年の勝ち馬3頭はいずれも単勝1番人気でしたね。

伊吹 単勝2〜4番人気の馬も2012年以降[3-3-6-18](3着内率40.0%)ですから、それなりに健闘していると言って良いでしょう。一方、単勝8番人気以下の馬は2012年以降[1-2-2-71](3着内率6.6%)。魅力的な伏兵が見つかった場合はともかく、無理に捻って超人気薄を狙う必要はありません。

M そんな日経新春杯でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、エフェクトオンです。

伊吹 いや〜、まさかこの馬の名前が挙がってくるとは……。先に言ってしまうと、実は私も想定の段階でこの馬を狙おうと考えていました。

M 有馬記念のエフフォーリア、京都金杯のザダルは、Aiエスケープだけでなく伊吹さんも高く評価していた馬。これは吉兆と見て良いのでは!?

伊吹 吉兆かどうかはともかく(笑)、私としては心強い限りです。おそらく人気もないでしょうしね。私はレースの傾向からこの馬の強調材料を指摘していきますので、Aiエスケープが高く評価している事実と併せてご注目いただければと思います。

M エフェクトオンは明け6歳。どちらかと言えば高齢馬に分類される立場だと思いますが、この点は不安視しなくても良いのでしょうか?

伊吹 少なくとも、大きく評価を下げる必要はありません。若い馬ほど信頼できるレースではありますが、6歳までならそれなりに好走例がありますからね。


M 7歳以上の馬だけ過信禁物と見ておけば良さそうですね。

伊吹 2021年も、6歳のミスマンマミーアが単勝オッズ99.0倍(13番人気)の低評価を覆して2着に食い込みました。エフェクトオンくらい配当的な妙味を期待できる馬なら、積極的に狙って良いと思います。

M エフェクトオンは前走の福島記念で5着に健闘。2着馬とのタイム差は0.3秒でした。これをどう評価するかもポイントになりそうです。

伊吹 ハンデキャップ競走らしく、日経新春杯は前走好走馬が強いレース。特に、前走の着順が5着以内だった馬は優秀な成績を収めていました。


M ギリギリではあるものの、エフェクトオンはこの条件をしっかりクリアしています。

伊吹 2走前の新潟記念も、着順こそ8着どまりでしたが、勝ち馬とのタイム差はわずか0.5秒。昨夏にオープン入りしたばかりですし、ここ2戦のパフォーマンスは高く評価して良いでしょう。勢いのある状態で参戦してきた点も魅力的です。

M 他に何か強調材料はありますか?

伊吹 2016年以降は、前走が条件クラスのレースだった馬、すなわち負担重量が比較的軽かった馬を除くと、前走で出走メンバー中4位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていた馬が優秀な成績を収めています。


M 今年は前走で3勝クラス以下のレースを使っていた馬が皆無。そうなると、末脚が明暗を分けそうですね。

伊吹 おっしゃる通り。そして、エフェクトオンは前走の上がり3ハロンタイム順位が出走メンバー中2位でした。

M 福島記念の時点では単勝オッズ31.2倍の11番人気だったこともあり、前走のパフォーマンスが過小評価されそうな雰囲気です。

伊吹 Aiエスケープも、その辺の状況込みで高く評価しているのでしょう。最終的には他馬のオッズ等も踏まえたうえで馬券上の位置付けを決めますが、私は本命に抜擢しても良いくらいの馬だと思っていますよ。結果を確認するのが楽しみで仕方ありません。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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