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頭数減の世代でも重賞勝ち馬を出す…やはり非凡な何かを秘めているオルフェーヴル

  • 2022年01月11日(火) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・1/9 シンザン記念(GIII・中京・芝1600m)
 好位を追走したマテンロウオリオンが直線で抜け出し、ソリタリオの追撃をクビ差しのぎました。これが重賞初制覇。初勝利を挙げた前走の万両賞は直線一気の追い込みでしたが、今回は馬のテンションが高まっていたとのことで、好位抜け出しという異なる戦法を採りました。どちらでも勝てるわけですから、能力が一枚上だったということでしょう。

 父ダイワメジャーは今年21歳。同じサンデーサイレンス産駒の種牡馬のなかではハーツクライと同い年で、すでに鬼籍に入ったディープインパクトよりも1歳上です。種牡馬として最晩年に差し掛かっているのですが、現3歳世代から本馬とセリフォスという2頭の重賞勝ち馬を出し、相変わらず意気軒高。28歳まで種付けをし、33歳まで生きた母の父ノーザンテーストとイメージが重なります。

 マテンロウオリオンは、父ダイワメジャー、2代母レディパステル(オークス)という配合構成。これはマテンロウハピネス(アーリントンC-3着)と同じ。トニービンとブラッシンググルームを併せ持つダイワメジャー産駒なので、高松宮記念を勝ったコパノリチャードとも配合構成が似ています。成績が示すとおりマイラーで、気性的に我慢が利かなくなった場合はスプリント路線に鞍替えするのでしょう。

・1/10 フェアリーS(GIII・中山・芝1600m)
 スタートで出遅れ、最後方から外をマクって進出したライラックが、スターズオンアースにクビ差競り勝ちました。名馬テイエムオペラオーを出したことで知られる浦河の杵臼牧場の生産馬です。オルフェーヴルの現3歳世代は、47頭出走してわずか5頭しか勝ち上がっていません。血統登録頭数はわずか79頭(前年比31頭減)で、繁殖牝馬の質も落ち、ノーザンファームの生産馬はわずか4頭。この苦境にあって重賞勝ち馬を出してくるのですから、やはり非凡な何かを秘めています。

 ただしライラックは、オルフェーヴル産駒の欠点である気性面の難しさや小柄な馬体、という部分もしっかり受け継いでいます。前走、8着に敗れた京都2歳Sは、関西への長距離輸送がメンタルに悪影響を及ぼし、能力を出し切ることができませんでした。今回も最後方からのマクリ勝ち、という気性面の難しさを思わせる勝ち方です。

 平常心でスムーズな競馬ができればクラシックでもそれなりの競馬ができるはずです。現2歳のオルフェーヴル産駒は血統登録頭数がわずか32頭。これが底です。1歳は107頭と回復するので、2世代の低迷期を耐え忍べばまた光が見えてくるはずです。

今週の血統注目馬は?


・1/16 宇佐特別(2勝クラス・小倉・芝1800m)
 小倉芝1800mに強い種牡馬はモーリス。連対率29.2%は、2012年以降、当コースで20走以上した61頭の種牡馬のなかで第1位。当レースにはファジェスが登録しています。これまでに挙げた2勝は、小倉芝2000mと札幌芝2000m。いずれもローカルの芝中距離戦でした。前走は昇級戦だった上に東京芝1600mだったので、得意条件ではありませんでした。小倉に替わる今回はおもしろいでしょう。

今週の血統Tips


 2021年の北米種牡馬ランキングは、イントゥミスチーフが年間賞金獲得額のレコードを更新し、3年連続で首位の座につきました。過去50年間で「3年連続」は最高記録。ダンジグ(1991〜93年)、タピット(2014〜16)に並びました。産駒数が多く、繁殖牝馬の質が上昇してからの産駒がこれからデビューを迎えるため、この牙城を崩すのは容易ではありません。

 昨年の新種牡馬ガンランナーは、ファーストシーズンサイアーチャンピオンだけでなく、2歳全体でもイントゥミスチーフを抑えてトップに立ちました。連続リーディングサイアー記録に立ちはだかりそうな種牡馬は、現状、このガンランナー以外に見当たりません。それでも今年はまだ稼働世代数が少ないので、どんなに頑張ってもトップには届かないでしょう。年明け早々ではありますが、4年連続を達成しそうな気配が濃厚です。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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