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【日経新春杯予想】あの女傑のような成長曲線を描けるか

  • 2022年01月15日(土) 18時00分

現段階でも世代トップクラスの実力を持つ


 クラシック挑戦を目標とする「京成杯」の3歳馬は、引き続き真剣勝負。平凡な内容だと脱落する。また、「日経新春杯」に出走する4歳以上馬は今年こそ…の飛躍を目ざす。そこで最近10年、4歳馬が7勝もしている(2018年は4歳不出走)。

 4歳ステラヴェローチェ(父バゴ)は、ここまでGI「2、3、3、4、4」着。さらに、GIを含めエフフォーリアには4連敗している。

 だが、その差は「0秒2-0秒5」だけ。共同通信杯の上がりは快勝したエフフォーリアに0秒2見劣る33秒6だが、GIは、皐月賞も日本ダービーも、有馬記念も、上がり3ハロンの時計はすべてエフフォーリアと「同じ」だった。勝負どころの反応一歩で勝ち切れないが、現4歳馬でのランクはトップと差がない。

 同じバゴ(その父Nashwanナシュワンは、ディープインパクトの近親)産駒のクロノジェネシスも、3歳時までのGI成績「2、3、3、1、5」着だった。秋華賞を勝ったが、詰めが甘く、古馬GI路線の主役に飛躍したのは4歳初戦のGII京都記念2200mを快勝してからのことだった。

 2頭の成長曲線はかなり似ている。ともに母方の3代前に代を経ても強い影響力を保つサンデーサイレンスの血が入り、血統構成にも共通点がある。ステラヴェローチェが本物になるのは4歳になった今年だろう。

 クロノジェネシスは、引退レースの有馬記念を小差の3着。直線、その外から並びかけるように伸びて半馬身差4着がステラヴェローチェだった。

 ハンデ57キロは、他馬との比較だと楽ではない印象を与えるが、牡馬3冠の好走はずっと57キロだった。決して不利ではない。3場開催になり、GIIにしてはテン乗り(乗り替わり)の馬が多いが、引き続きM.デムーロが騎乗する。

「京成杯」は買いたい馬ばかりだが、2020年に社台スタリオンSから移動。ちょっと評価落ちになったジャスタウェイ産駒のテンダンスに期待したい。半兄のスズカコーズウェイは3歳初戦のジュニアCをクビ差2着。同じくカデナ(父は同じサンデーサイレンス系)は、3歳初戦の弥生賞を制している。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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