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【AJCC】春のGIで新風吹かすか、今年も4歳馬に注目したい

  • 2022年01月22日(土) 12時00分

近5年、4歳世代の活躍顕著な当レース


 年明けの古馬の重賞は、その先のタイトルをにらんで出走してくる馬が多い。レース結果はもちろんだが、それだけではなく、次にどこを狙える器なのか、その品定めをしなくてはならない。

 日経新春杯で4歳馬のヨーホーレイクが勝ったことで、やはりこの世代は強いのではないかという空気になっていて、そこで迎えるAJC杯だけに、どうしてもそこに目が行ってしまう。

 春にさきがけて咲く花を見つけるような新鮮さに満ちているので、いま時分の感覚にぴったりくる。

 ヨーホーレイクは、同世代で三冠レースの3、3、4着、有馬記念でも4着と健闘したステラヴェローチェを見ながらレースを運び、手応え十分に追いくらべに勝っていたが、2キロのハンデ差があったにせよ、ダービー7着以来7ヵ月半ぶりの実戦で能力の高さをアピールしていた。目の外傷で菊花賞を回避してよかったのではないかと思っている。GIの中長距離路線の有力候補にのし上がったと言っていい。

 これを受けてAJC杯に出走する4歳馬がまた走るようだと、春のGI戦に新しい風が吹くと断言していい。

 ここでは、骨折で春のクラシックを棒に振っていたオーソクレースが無視できない。2歳のホープフルSで2着に入り地力は認められていたのだが、復帰した秋に、セントライト記念3着、菊花賞2着で復活した。特に大激戦だった菊花賞の2着争いでせり勝った強さは本物と言える。

 4歳世代の王者、昨年の年度代表馬エフフォーリアと同じエピファネイアの産駒で、母がマリアライト。4歳でエリザベス女王杯を勝ち宝塚記念も1着になった奥手だったが、まだ5戦しかしていないオーソクレースの魅力は、その血統背景からもうかがえる。

 種牡馬エピファネイアの父はシンボリクリスエス、この血統の面白さは息の長さにあり、レースで追い掛け続ける価値がありそうだ。オーソクレースがここで結果を出せれば、今年の4歳世代の中長距離路線での立場は、強固なものになる。

 最近は、日経新春杯もAJC杯もこの路線での立場がそれほどでもなくなっているが、その面でも今年は変化を見せるかもしれない。AJC杯はこの5年、4歳馬の活躍が顕著で、2勝、2着4回、3着2回とめざましい。

 4年前がダンビュライト、ミッキースワロー、昨年がアリストテレス、ヴェルトライゼンデで上位を独占したが、いずれもが前年の菊花賞に出走していた。

 うちダンビュライトを除く3頭はどれも菊花賞以来3ヵ月ぶりの実戦で、成長を感じさせていた。

 特に昨年勝ったアリストテレスはエピファネイアの産駒で、母父がディープインパクトと、今年のオーソクレースと同じ配合で面白い。同じ4歳のアサマノイタズラも、コースが同じセントライト記念を勝っているので無視はできないのだが、4歳馬をテーマにAJC杯は見てみたい。

「栄冠は 遠くになりても 思うもの」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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