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約73年間の歴史に終止符…名古屋競馬場の見納め

  • 2022年02月19日(土) 12時00分

名古屋は“昭和の香り”を残す、私にとって思い出深い競馬場


 きのう18日、名古屋競馬場に行ってきました。目的は“レディスジョッキーズシリーズ”の観戦、ではなく、現競馬場の“見納め”です。

 ご存知のとおり、今の競馬場は、2月28〜3月3日と3月8〜11日の開催を最後に、約73年間の歴史に終止符を打ちます。その2開催には行けなさそうなので、コロナ禍中ではありますが、このタイミングで行ってみることにしました(なお私は、新型コロナワクチンをすでに3回接種。移動や食事の際には、感染予防に十分配慮したつもりです)。

 名古屋は、私にとって思い出深い競馬場です。2009年11月のJBC開催では場内放送+テレビ中継の実況を担当。また、2005年1月には、ばんえい競馬の場外発売にあわせて行われた予想トークショーに出演、メインのポプラ賞で馬単2万円強の高配当をブチ当て、名古屋だけ極めて高率の払い戻しを“発生”させたという“逸話”も残しました(覚えているのは私だけかもしれませんが)。

 現競馬場は、本来なら時代に合わせていろいろ改修しなければならないところがあるはずです。とはいえ、新競馬場への移転寸前とあって、ほとんどが手つかずのまま。それがかえって“昭和の香り”を残していて、あらためて、「昔の競馬場って、こんなだったよなぁ」という思いにさせてくれます。

 今の古いスタンドやパドックの騎手待機所などは、1970(昭和45)年に公開された“寅さんシリーズ”の第4作『新・男はつらいよ』にも映っているので、築50年以上を経過した“年代物”。そりゃぁ、昭和を感じるワケですよね。

 そんな“レトロな”競馬場とも、もうすぐお別れです。3月11日の最終開催日には閉場式、12、13日には馬場やパドックなどを開放するクロージングセレモニーが行われます。その頃にはもう少しコロナの流行が収まっていればいいんですけど。

 今回、“見納め”のついでに。弥富の新競馬場についても話を聞いてきました。今は1周1100メートル、最後の直線は日本最短の194メートルというコース形態ですが、新競馬場はひと回り大きくなります。

 その形状から、1400、1600メートルのレースは実施できなくなり、それぞれ1500、1700メートル戦に置き換えられるとのこと。それに伴って、「マイル争覇」という重賞は名称変更される見込みです。

 あとは、ワンターンの900、920メートル戦と、コースを1周半する2000、2100メートル戦が設定されます。さしあたり、1400メートルを得意とする馬が1500メートル戦でどうなるかが注目ですかね。

 新競馬場へは、近鉄蟹江駅のほか、名古屋駅と現競馬場から送迎バスが運行される予定。詳しいことは、名古屋競馬のホームページで随時発表されるはずです。新装オープンを楽しみに待ちましょう!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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