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先週に引き続き、26日に開催が迫ったサウジCデーの後半戦展望

  • 2022年02月23日(水) 12時00分

3レースともに出走する日本勢のライバルは?


 先週に引き続き、26日に開催が迫ったサウジCデーの展望をお届けする。

 後半戦の幕開けとなるのが、現地時間の19時5分(日本時間の25時05分)に発走する、3歳馬によるG3サウジダービー(d1600m)だ。

 日本勢の3連覇がかかったここに、今年はカトレアS(ダ1600m)の勝ち馬コンシリエーレ(牡3、父ドレフォン)と、兵庫ジュニアグランプリ(ダ1400m)勝ち馬セキフウ(牡3、父ヘニーヒューズ)の2頭が挑む。

 最大の敵は、北米西海岸から乗り込んでくるパインハースト(牡3、父トゥワーリングキャンディ)だろう。昨年9月、デルマーで行われたG1デルマーフューチュリティ(d7F)を制し、デビューから無敗の連勝でG1制覇を果した同馬。その後、G1BCジュヴェナイル(d8.5F)が5着、1月29日にサンタアニタで行われたG2サンヴィセンテS(d7F)が2着と連敗を喫しているが、実績的には間違いなく最上位にランクされる存在だ。

 芝での実績なら、パリロンシャンのG1ジャンルクラガルデル賞(芝1400m)で2着となっているゴドルフィンのノーブルトゥルース(牡3、父キングマン)が最上位だが、オールウェザーも含めて、ダートの経験はない。同馬は昨年11月から、管理するチャーリー・アップルビー調教師のドバイにおける拠点であるマームーム・ステーブルスで調整されているが、アップルビー師は「マームームの路面は、キングアブドゥラジズの路面と非常に良く似ている。ここで見せている動きから、初ダートも問題なくこなすはず」とコメントしている。

 続いて、現地時間の19時45分(日本時間の1時45分)に発走するのが、G3リヤドダートスプリント(d1200m)だ。昨年は、日本調教馬同士の1・2着で決着したこのレースに、連覇がかかるコパノキッキング(セン7、父スプリングアットラスト)、GIIIカペラS(ダ1200m)勝ち馬ダンシングプリンス(牡6、父パドトロワ)、ジャニュアリーS(ダ1200m)3着馬チェーンオブラブ(牝5、父ハーツクライ)の3頭が挑む。

 ブックメーカー各社が横並びで1番人気に推すのが、北米調教馬のジノビリ(セン5、父マニングス)だ。2歳時から重賞戦線に顔を出していたが、4歳の8月にデルマーのG2パットオブライエンS(d7F)を制し、重賞初制覇。その後、G1BCダートマイル(d8F)に挑み、勝ち馬ライフイズグッドには5.3/4馬身差をつけられたが、他のライバルを封じてしっかりと2着を確保している。

 昨年のこのレースの4着馬スイッツァーランド(セン8、父スパイツタウン)も、マークが必要な馬だろう。今季初戦となった、1月1日にメイダンで行われたアルガーハウドスプリント(LR、d1200m)を9.1/4馬身差で快勝。しかも、道中は馬群最後方を追走し、直線で抜け出すと後続を一気に突き放すという派手なパフォーマンスで、8歳にして衰えのないところを示している。

 オールウェザーで、準重賞3つを含めて7勝している他、メイダンでG3マハブアルシマール(d1200m)2着の実績も残している英国調教馬グッドエフォート(牡7、父シャマーダル)も、争覇圏に入ってきそうな1頭である。

 そして、現地時間の20時35分(日本時間の2時35分)に発走するのが、今年からG1の格付けを与えられた、賞金総額2000万ドルのG1サウジC(d1800m)だ。

 今年の日本代表は、昨年のJRA賞最優秀ダートホース・テーオーケインズ(牡5、父シニスターミニスター)と、ここがラストランとなるG1BCディスタフ(d9F)勝ち馬マルシュロレーヌ(牝6、父オルフェーヴル)の2頭である。

 昨年に続く連覇を狙っての出走となるのが、英国調教馬のミシュリフ(牡5、父メイクビリーヴ)だ。昨年のサウジC後は、芝のレースを5戦し、G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)とG1インターナショナルS(芝10F56y)を制した同馬。ここは、4着に敗れた昨年10月のG1チャンピオンS(芝9F212y)以来の出走となるが、早くからここに照準を合わせ、入念に調整を積まれてきた。17日(木曜日)にはオールウェザートラックのチェルムスフォード競馬場に輸送され、G3ネオムターフC(芝2100m)に出走予定のハロヴィアン(セン6、父ルワーデザニモー)と併せ馬で追い切られ、出国前の最終調整を済ませている。

 ダートの本場・北米は4頭出しで臨むが、筆頭格となるのはブラッド・コックス厩舎のマンダルーン(牡4、父イントゥミスチフ)だろう。2着で入線した昨年のG1ケンタッキーダービー(d10F)で、1着入線のメディナスピリットからレース後のドーピング検査で禁止薬物を検出。メディナスピリット失格の最終決定が2月21日に出され、レースから9カ月半を経過してようやく、第147代ケンタッキダービー馬と認定されることになった。

 ケンタッキーダービーの後、モンマスパークのG1ハスケルS(d9F)でも2着で入線。ここでも、1着入線のホットロッドチャーリーが進路妨害で降着となり、マンダルーンは繰り上がりでG1制覇を果している。蹄を傷めて3歳後半を全休した後、今年1月22日にフェアグラウンズで行われたG3ルイジアナS(d8.5F)で戦線復帰。ここを白星で通過し、復活をアピールしている。

 同じ北米の4歳世代では、G1プリークネスS(d9.5F)2着、G1トラヴァーズS(d10F)2着、G1ペンシルヴェニアダービー(d9F)2着などの実績を誇るミッドナイトバーボン(牡4、父ティズナウ)も、上位争いに食い込む1頭だろう。

 残念ながら日本での馬券発売はないが、ここで展望した3レースは、グリーンチャンネルの「All In Line 〜サウジCデー生中継・第2部(26日25時〜27時)」で放送されるので、ぜひライヴでご覧いただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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