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【弥生賞予想】数字だけを見ると前有利ではあったが…

  • 2022年03月05日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 中山の芝はAコース2週目。3〜4コーナー内側に多少傷みはあるが、オーシャンSでは内を避けて通ることもなく、むしろロスなく立ち回った馬が好走した。パンサラッサが逃げ切った先週の中山記念に代表されるように、基本は前有利。好時計が出ている阪神と比べると、中山の時計の出方は標準的といっていい。

 土曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、3番手、2番手、2番手、2番手」。数字だけを見ると、先行馬が活躍した印象も受けるが、レース途中から前に進出して勝った馬もいた。オーシャンS2着のナランフレグのように、勝つまでには至らないまでも差して上位にきた馬も多かった。

 例えば、8R・4歳上1勝クラス(芝1600m)は3コーナーで中団以降にいた馬が3着まで独占。勝った2番人気レーヴドゥラプレリは3コーナー9番手。外を一気に進出して4コーナーでは2番手に進出して勝った。2着コミカライズは3コーナー9番手、3着パラレルキャリアは同12番手。レース前半3F35秒1〜同後半3F34秒9の平均ペース。前に行った馬が手薄だったのもあるが、必ずしも前有利というわけではない。

 9R・潮来特別(芝2500m)は前に行った2頭の決着。シュブリームがレース中盤で1F12秒台後半のスローに落として淡々と2着に粘った。2番手追走の1番人気ホウオウリアリティが抜け出して順当決着。向正面で3番手以下は離れ気味で、道中のペースも結果に直結した形。

 11R・オーシャンS(芝1200m)は3コーナー手前でビアンフェが先頭に立ち、レース前半3F33秒4〜同後半3F34秒5。「超」がつくほどでないがHペース。勝ったジャンダルムは4コーナー2番手から抜け、逃げたビアンフェは3着に粘った。勝ち時計1分7秒9は土曜の南風がどこまで影響したか判断しにくい面はあるが、標準的な時計。多少速めのラップを踏んでも「内&前」が粘る土壌は残っている。先行勢が残る中、4コーナー13番手から、上がり3F33秒5で2着に届いたナランフレグは相当強い内容かもしれない。

 土曜芝の勝ち馬の種牡馬はモーリス2勝でイスラボニータ、エピファネイア、キトゥンズジョイが各1勝。馬体重は408キロ、520キロ、466キロ、480キロ、510キロ。

 日曜も引き続き天気の心配はなく、冷たい北風に変わるが、良馬場は確実。弥生賞はメイショウゲキリンが逃げ候補でSペース想定。逃げる脚もあるボーンディスウェイがどう出るのか? リューベック、アスクビクターモアなど好位を狙いそうな馬もいるが、基本的には「前優位」だろう。ペースが落ちるとみれば、各馬の道中の折り合いや操縦性もポイントになりそうだ。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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