【中山牝馬S予想】難解な中山牝馬S、いくつかのヒント
人気順で見ると大荒れだが、オッズで見てみると?
毎年この週にはフィリーズレビューを取り上げてきたのだが、今年は土曜の中山牝馬Sを扱ってみようと思う。昨年は7、5、6番人気、一昨年は3、14、1番人気、3年前は5、3、11番人気というようにとにかく波乱傾向の強いレースだからだ。
そんなに難しいレースをひとつのデータで解決できるはずがないので、いくつかの傾向をパーツ的に紹介しておきたい。
今年は前走オープン勝ち馬が3頭いるが、前走オープン勝ち馬は過去10年[0-1-0-9]。勝った直後というのは持ちハンデが切り上がっているということでもあり、良い材料ではない。
斤量の絶対値についてはあまり傾向がないというか、55キロという基本の斤量を挟んで重い側からも軽い側からも好走馬が出ている。斤量変動から買うべき馬を見つけるのも難しい。以前は前走オープンかつ斤量減組がよく穴をあけたのだが、直近の10年だと増減なし組が勝率・複勝率とも高く、回収率も単複ともに100%超になっている。しかも前走もハンデ戦で同一ハンデだったような馬がいきなり激走してきたりもする。
ハンデについてなにか手がかりがあるとしたら、ふだんはあまり用いない指標だが「斤量÷馬体重」。馬体重の12%を超える斤量を課されていた馬は過去10年[0-2-1-29]で複回収率も36%と低い。今年はテルツェットやスマイルカナが該当しそうなので注意が必要だ。
通常のレースだと「先行」と呼べる位置にいる馬が強いという傾向が出やすいのだが、このレースについては逃げ粘りがある一方で中団以降にいた馬が強い。逃げ粘りのほうは極端な人気薄馬では起きていないので、馬券の意識としては差しタイプのほうに置くのがよいだろう。
最後に、人気順別で見るとかなり荒れているように見える中山牝馬Sだが、単勝オッズだと20倍以上つけていた馬は過去10年[0-2-3-69]で複回収率74%。このゾーンを積極的に狙う必要はなく、単勝7〜20倍くらいの馬を中心に、少しだけ大穴ゾーンに手を伸ばすくらいがちょうどよいところだ。