スマートフォン版へ

【金鯱賞】返り咲きなるかレイパパレ「気持ちよく走って欲しい」 #NFしがらき直行便

  • 2022年03月10日(木) 18時02分
GIドキュメント

▲無敗で大阪杯を制してGI馬となったレイパパレ(C)netkeiba.com


ノーザンファームしがらきが管理をサポートする有力馬について、松本康宏場長にお話をうかがう当コーナー。今回は昨年、無敗で大阪杯を制し、初の海外遠征にも挑戦したレイパパレについてインタビューしました。

(取材・文=netkeiba編集部)

初の海外遠征・香港カップ


──前走の香港カップは初の海外遠征で6着という結果に終わりました。

松本 馬としては初めての海外遠征、かつレース間隔がこの馬にしては詰まっていたので、出来るだけその中でも良い状態で送り出せるように最大限努力しました。

 しかし良い頃の状態と比べると、馬のテンションや普段の見た感じは低いレベルだったというのが正直なところです。

──レース内容はいかがでしたか?

松本 スタートが上手く決められませんでした。スタートが決まれば最高な枠順でしたが、そのせいで道中内で包まれてしまいました。

 折り合いに関しては2コーナー過ぎで、ある程度は落ち着いたと思います。常に周りからプレッシャーをかかる競馬を初めて経験して、その中で最後まで諦めずに走ってくれたところは、本当に頑張ってくれたなと思います。

GIドキュメント

▲結果は6着も無事初の海外遠征から帰国(撮影:武田明彦)


──騎乗したスミヨン騎手はどんなコメントをされていましたか?

松本 競馬の流れに乗れなかった要因としてスタートを1番に挙げられていました。距離、折り合いに関してはこれぐらいであれば2000m、それ以上でも可能だと。乗った感触から「ビュッ!」とキレる脚を使うよりは長く良い脚を使う馬なので、トップスピードを長く維持出来る競馬を心掛ければ2000m以上でも良いなんじゃないかと。

──今回の海外遠征を経て本馬が変化、成長した点は?

松本 現状、目に見えては特に分からないですね。本来は次の遠征に活かす部分があったので。

 ただ今回入厩してから馬の雰囲気や落ち着きが良いと高野調教師からうかがいました。もしかするとレースに向かう中でのテンションのコントロールなど、機会があれば次の遠征の際に成長している部分がハッキリと窺えるかもしれません。

──高野師は体調を褒めていますがその一方で課題も感じているようです。

松本 元々秋華賞で使えなかった時の大原Sでの勝ち時計や、その後、馬場が悪いとはいえ大阪杯でトップレベルの馬達を抑えて強い勝ち方をしたので、もっともっと走れるのではないかと思います。その意味ではまだまだ様々な課題があると思います。

 ただ良い状態で使えれば今後が楽しみな競馬をしてくれると思います。

GIドキュメント

▲大阪杯以降低迷も復活の兆しはありそう(C)netkeiba.com


──6連勝していた頃と比べて現状をどう見ていますか?

松本 香港から帰ってきてダメージが酷く、その回復にうちのスタッフ達も尽力してくれました。そこから元々金鯱賞、出来れば春の香港というローテーションを組んでいたので、それに向けては最善は尽くせましたし、良い状態で送り出せたと思います。

 6連勝の中でもチャレンジカップは馬の回復よりもレース選択をしてしまい、馬も苦しい中での競馬だったので川田騎手からも乗りづらいと。勝ちはしましたけどあまり良い状態ではありませんでした。今回の金鯱賞に関してはかなり良い状態で使えると思います。

──今回は川田騎手とのコンビに戻るが期待することなどは?

松本 当然今まで乗っていただいた騎手なので安心感はありますし、あの馬の事は充分理解してくれていると思います。今回の面子の中でこの馬がどんな成長をしたのかを正確にジャッジして、フィードバックしてくれることを期待しています。

──ジャックドールという同型馬とのポジション争いについては?

松本 おそらく折り合いはつくと思います。後はレイパパレのストライドを活かした走り、リズムを心掛けてくれれば前でも2番手3番手でも変わらないと思います。むしろジャックドールが前走位のペースで行ってくれればレイパパレは楽になるかなと勝手に思ってます。そこらへんは枠順や騎手の駆け引きもあり、僕は頭の中で想像してるだけなので。レース自体生物ですから、レイパパレらしい走りをしてくれたらと。

今後のプラン、ラストシーズンへ向けて


──金鯱賞後のプランは?

松本 調教師、クラブの方とは金鯱賞を走らせてみて状態次第で香港のクイーンエリザベス二世カップで進めていましたが……。ここにきて検疫について香港政府と香港ジョッキークラブの方から変更通達がありました。

 今まではバブル方式という、2週間の隔離もなく、僕達も馬に触れる事が出来て競馬も出れたのですが、4月の遠征ではそれが出来ないと。人をまず2週間早く行かせて隔離するなど、諸々を考えると香港に行く可能性はかなり低くなりました。なのでその後のローテーションは白紙ですね。レース後の状態をみて、調教師とクラブと相談ですね。

──来年3月には引退となります。ラストシーズンへの思いは

松本 僕としては気持ちよく走って欲しい、それだけですね、この馬に関しては(笑)。あまり窮屈な競馬はさせたくないというか、馬がのびのびと走ってくれたら良いかなと。それで勝てれば最高ですね。すごく走りたい馬だと思います。その気持ちを活かせれば、ただそれだけです。楽しそうに走ってくれれば結果はおのずと着いてくるかなと。

GIドキュメント

▲ラストシーズンまで、レイパパレらしい走りに期待だ(C)netkeiba.com


(文中敬称略)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

有名予想家・ライターによるGIスペシャルコラムや、有力馬密着レポート、1週前からの調教レポートなど、GIレースの攻略情報をどこよりも詳しく、より濃密にお届けします。公開はプレミアムサービス限定となります。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング