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どうなる? 旧・名古屋競馬場

  • 2022年03月15日(火) 18時00分

名称が変わっても“名古屋の競馬場メシ”はしばらく楽しめるようだ


 名古屋競馬場移転のため、土古(どんこ)という地名で親しまれた競馬場が、3月11日に開催最終日を迎えた。

 地方競馬全国協会発行の『地方競馬史 第一巻』によると、「昭和24年4月1日“名古屋競馬場の設置およびその管理事務を共同処理すること”を目的として、愛知県と名古屋市で名古屋競馬場管理組合が組織され、着工中の競馬場を譲り受けその施工を急ぎ、昭和24年6月一応の完成を見るに至った」とあり、そこから73年間、名古屋競馬場として開催が続けられてきた。

73年の歴史を刻んだ名古屋競馬場最終日には4220名の入場があった


 これまでトレーニングセンターとして使用されてきた弥富市にある施設が新・名古屋競馬場となり、4月8日から開催が始まるが、旧競馬場の跡地は果たして何になるのか。

 開催最終日の最終レース後に行われた閉場式には、愛知県競馬組合の管理者である大村秀章愛知県知事が来場。挨拶の中で、「都市開発の拠点となる」という話があった。

 旧競馬場は3月18日から『サンアール名古屋』と名称を変え、現状の2号・3号スタンドが当面の間使用され、場外発売が続けられる。2号スタンド2階のグリーンホール、3階の特別観覧席は引き続き有料席として営業し、3号スタンドの金シャチプレミアムラウンジも引き続き営業。そしてゴール前の東スタンド、隣の1号スタンドは解体される。

 同時に、コースの2コーナーあたりに新たな場外発売施設が建設される。2024年の完成予定で、そこではJRAと地方競馬全場の馬券が買えるようになるとのこと。その後、2号・3号スタンドも順次解体され、スタンドの跡地にはショッピング施設が造られる。

 2号・3号スタンドで場外発売が続けられる当面の間は、2号スタンド1階のレストラン『あらぶ』、2階グリーンホール内の『ラッキー』、入場門横の売店『松よし』『すみれ』の4店舗が営業を続けるというから、名古屋の競馬場メシもしばらくは楽しめるようだ。

 コースの一部は学校や公園になり、また2026年に愛知県と名古屋市で開催される第20回アジア競技大会の選手村としても使用される。大会終了後、選手村は解体され、その後は分譲住宅となって売り出される計画のようだ。

 かなり大規模な再開発で、そこが競馬場であった痕跡はほとんどなくなってしまうのではないかと思われ、そうなるとちょっと残念。新たにできる場外発売施設に、そこが競馬場だった時代の写真などを展示しておくようなことはできないだろうか。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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