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【阪神大賞典予想】パワーが必要な今の芝にマッチする超大穴候補とは

  • 2022年03月19日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 阪神競馬場の芝はAコース使用6週目。金曜18日に31mmの降水量を記録。土曜19日も午後に雨が降る時間帯があり、かなり速い時計が出た先週と違って、標準〜やや時計が掛かる状況に変わっている。

 ちなみに先週日曜のフィリーズレビュー(内回り1400m)はレース前半3F33秒5〜同後半35秒0の前傾ラップが差し馬台頭を誘発。4コーナー11番手にいた2番人気サブライムアンセムが4コーナーでは外に出さずに馬群をさばいて伸びた。勝ち時計の「1分19秒9」はフィリーズレビュー史上最速のレースレコード。アタマ差2着のナムラクレアも同タイムで続き、先週はそれだけ時計が出やすい芝だった。

 ただ今週は火曜に約4mm、金曜にもまとまった雨が降って様相が変わってきた。先週日曜13日朝のクッション値は「10.1」(やや硬め)だったのが、19日朝は「9.5」(標準)。土曜の芝は「重」で始まり、12時49分に「稍重」になったが、4コーナーから直線入り口の土の飛び方などを見ると、多少渋化しているのが分かる。

 正面直線の内側に部分的に傷みは出ているもの、各馬の進路の取り方を見る限りは内ラチ沿いを通っても伸びが止まるわけではなく、ラチ沿いを伸びて勝つレースもあった。

 参考までに土曜は、芝競走は4鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、6番手、6番手、1番手」。勝ち馬の種牡馬はディープインパクト、エイシンフラッシュ、ロードカナロア、ドレフォン。

 4歳以上2勝クラスの9R・淡路特別(芝2600m)は4コーナー6番手の4番人気ヴェラアズールが最終的には内ラチ沿いに進路を取って快勝。デビュー17戦目にして、初の芝挑戦で快走だった。ダート実績馬が好走したという意味では力を要する芝なのだろう。

 11R・若葉S(芝2000m)はダート2連勝中の2番人気デシエルトが鮮やかな逃げ切り勝ち。こちらも芝初挑戦で快走。レース前半5F60秒8〜同後半5F59秒4の絶妙ペースに落とした岩田康誠騎手の手腕も大きかったが、最後まで内ラチ沿いを通り、経済コースを走る利は大きいのだろう。内は傷み出しているが、9R・淡路特別を勝ったヴェラアズールの勢いを見ても、内寄りも伸びる。ちなみにデシエルトの勝ち時計2分0秒2。先週までなら1分59秒台(昨年の勝ち馬アドマイヤハダルは1分59秒5)は出ていたと思う。多少時計を要している分は雨の影響か。

 阪神競馬場は土曜夜も雨予報が出ているが、日曜は回復する見込み。メインの阪神大賞典の頃には「良」まで回復するのでは? それでも、先週までの高速馬場には戻らないだろう。人気になっているディープボンドはご存じの通り、時計の掛かる芝を得意にしている。重馬場だった昨年ほどではないが、今年も芝状態は理想的といえそうだ。

 馬場回復が遅れるようだと、超大穴候補はダート4勝のシロニイ。今のパワーの必要な芝にはマッチしているかも。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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