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「ホッとした」加矢太騎手デビュー戦の思いを語る

  • 2022年03月23日(水) 18時01分
太論

▲競馬を終えて、父子で乾杯(写真提供:小牧家)


ここ2戦で変わり身を見せたグレアミラージュが、今回も最速の上がりを繰り出してコンマ3秒差5着。直線半ばでは差し切るかの勢いで、思わず力が入った太ファンも多かったのではないでしょうか。

もうひとつ、力が入ったといえば、加矢太騎手のデビュー戦! 美しい飛越がさっそく話題になっていますが、はたして父であり先輩でもある小牧騎手はどう見たのか!? 息子のデビュー戦を見届けた父親の心境に迫ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。


調整ルームの自分の部屋で、あえてひとりで…



──19日の阪神4Rで加矢太騎手がデビュー(障害4歳上未勝利・ブルベアペスカ2番人気4着)。まずはおめでとうございます!

小牧 ありがとう。ホッとしたね。

──しかも、記念すべきデビュー戦のパートナーとなったのは、2018年から2019年にかけて、6戦にわたり小牧さんが手綱を取っていたブルベアペスカで。

小牧 そうそう。ちょっと出遅れたけど、僕が乗っていた頃からゲートもあんな感じやった。あんまり出えへんねん。

──馬の性格など、なにかアドバイスをされたんですか?

小牧 いや、してないよ。障害のことはまったくわからんからね。結果的に、なにも心配することなかったですやん。

──踏み切り、飛越、着地後の姿勢など、すごく美しかったです。

小牧 うん、そうやね。

──レースはどういうシチュエーションで見ていたんですか?

小牧 検量の時間もちょっとズレていたから、調整ルームの自分の部屋でひとりで見てたわ。

──ジョッキールームでみんなで見たのかと思っていました。

小牧 あえてみんなが見てるところには行かんかった。注目されているのがわかっていたからね。障害のたびに、無事に飛んでくれと思いながら、力が入ったわ。

──私も掌に汗をかきましたよ(苦笑)。

小牧 まぁ心配することないやろ。ジャンプはプロ並みやし、基本はできてるからね。あとはレースの組み立てができるようになればいいなと思う。

──レース後、加矢太騎手ご本人も「競馬力の未熟さを痛感した」とおっしゃっていましたね。ただ、初戦からすごく積極的な競馬で、十分インパクトを残したと思います。

小牧 最初はあの競馬でよかったんちゃうかな。まぁ乗れるのはわかったやろうし、これから経験を積みながら、いろんなことを吸収していってくれると思う。僕はね、とにかくホッとしたわ。

──netkeibaのTwitterに、おふたりがビールで乾杯している写真が載ってましたね。初戦を終えた週の夜とあって、さぞかし盛り上がったんだろうなと。

小牧 加矢太もいろいろ喋りたかったみたい。レース映像をアテにしながら、みんなで飲んでましたよ。なんせ加矢太は、馬に乗ることが好きやから。それが一番いいこと。今週もオープンに乗るみたいやし、楽しみや。僕も早く勝たないとなぁ。加矢太に抜かれるわ。

──先週は、小牧さんのレースも力が入りました。なかでもグレアミラージュ(3月21日・中京12R・4歳上1勝クラス・7番人気5着)は、一瞬差し切る勢いで。

小牧 僕も一瞬いったかと思ったけど、あそこから伸び切らんかった。上手く乗れたのにね。でも、だんだん詰めてるからね。

──ここ3戦はそれまでとは一変して、コンマ2秒差、コンマ3秒差といった僅差の競馬が続いています。

小牧 うん、だいぶ乗りやすくなった。前は右にも左にも張ってたけど、だいぶ解消されてきたよ。調教でも乗りやすくなってきたし、レースでは調教以上に上手に走れるようになった。男馬の割にちょっと気が細かいところはあるけど、ここにきていろいろ噛み合ってきたね。

──日曜日のニホンピロマリブ(3月20日・阪神7R・4歳上1勝クラス・4番人気5着)も、前走に比べてだいぶ行きっぷりがよくなりましたね。

小牧 今回は道中からよかったです。ただ、内で辛抱が足りんかったわ、ホンマ。勝った馬の後ろにずっといたから、そのままついて行けばよかった。ペースが遅かったからねぇ、あまりにも。そのままついて行けば、3着争いまではいったかもしれんなぁと思った。ただ、道中の走りはよくなっていたから、このままの状態でいってくれたらいいんやけどね。

──土曜日のキクノクライフ(3月19日・中京7R・4歳上1勝クラス・8番人気10着)は中央に再転厩。未勝利の頃、期待していた1頭が帰ってきましたね。

小牧 うん。10着やったけど、そんなに負けてないしね。今回は1800mやったけど、1400mくらいのほうがいいですわ。マイナス15キロも、まだ太いくらい。もともと期待していた馬やし、走ってくると思うよ。

──では、最後に質問をひとつ。「もうすぐドバイワールドカップですね! ドバイといえば、マカニビスティー(2012年ドバイゴールドカップ10着)のレースのやり直しが印象に残っています。今さらながら、日本でもああいったアクシデントってあるのでしょうか? 」。落馬した馬をその場から動かせずに、レースを途中で止めて、数時間後にやり直したんですよね。

小牧 中央では経験したことないけど、地方では昔、たまにあったよ。落馬した馬が原因ではなく、ゲート自体を仕舞うことができなくて。ゲートが動かなかったんやね。

──動かしてからやり直したんですか?

小牧 いや、やり直さずに不成立になったんちゃうかな。それにしても、ドバイでのあの出来事は、なかなかできん経験よね。なんせ一日に2回走ったようなもんやから。今思い返してもすごい経験やったなぁ。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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