今週から土曜12時公開になりましたので、改めて当コーナーの趣旨を箇条書きで説明します。
・予想には騎手、種牡馬、厩舎の「妙味度」を使う
・「妙味度」は回収率よりも高度な分析をするために作られた指標
・20以上の項目を組み合わせた「総合妙味度」を算出する
・予想オッズの1〜3番人気から「総合妙味度」が最も高い馬を「儲かる軸馬」とする
・馬券は「儲かる軸馬」から「総合妙味度」が100を超えた馬に流す
一見難しそうに見えるかもしれませんが、「データ的にはこの馬なんだな」と読んでいただければ嬉しいです。なお、2021年度の「儲かる軸馬」の複勝回収率は101.9%でした。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング 編集K3)
年度代表馬 VS 遅れてきた大物
編集K3(以下、K3) 高松宮記念はキレイな縦目で外れてしまいました……。
卍 総合妙味度1位がロータスランド(115.2)、2位がナランフレグ(104.3)で、キルロードも100を超えていましたね。
K3 3連複52万5080円ですよ。僕が提案した「1〜3番人気から軸を決める」というルールが仇になってしまいました。
卍 それは長期の連敗を避けるための判断ですし、しょうがないですよ。仮にロータスランドを軸にしていたとしても配当が均等になるように買うわけですから、3連複の目が買えていたかはわかりませんよ。
K3 確かに、ワイドで代用していた可能性は高いです。
卍 そもそも「高配当に頼った買い方をしてはいけない」というのが私の投資競馬の考え方ですから。
K3 そうでしたね。それにしてもレシステンシアは残念でした。
卍 横山武史騎手のレース後コメントを見ると、なぜ負けたかわからない様子でしたね。
K3 僕はレシステンシアが「儲かる軸馬」になってホッとしていましたけど、結局「横山武史騎手が乗った人気馬が飛んだときにハネるような買い方にしておけばいい」という卍さんの考えのほうが正しかったわけです(横山武史騎手の妙味度は第73回を参照)。
卍 横山武史騎手との勝負は、まだ大阪杯、桜花賞、皐月賞と続きますよ。
K3 今週はエフフォーリアです。さすがに昨年の年度代表馬を消すのは恐いんですけど(笑)。
卍 種牡馬と厩舎の妙味度が高ければ買えるんですけどね。
K3 じゃあ、今回はエピファネイアの妙味度解説をしながら、予想していくというのはどうでしょうか?
卍 わかりました。電子書籍『中央競馬 妙味度名鑑 2022』のエピファネイアのページはこのようになっています。
特徴をまとめるとこんな感じです。
・全体的には適正に評価されている
・芝は「買い」で、ダートは「消し」
・短距離は「消し」で中距離以上は「買い」
・急坂コースに強い
・新馬戦とオープン(重賞含む)の妙味度が高い
・歳をとるごとに妙味度が下がる
・距離短縮は「消し」、距離延長は「買い」
K3 ものすごく極端ですね。特に芝とダートが。
卍 利益度(妙味度をもとに1年間購入し続けた場合にどれだけの利益をもたらしえるかを示した指標)のランキングを見ると、芝は3位ですが、ダートはワースト1位です。
K3 芝・ダート、距離、コース、クラス、年齢など、さまざまな項目でこれだけ傾向が偏るのは驚きですね。
卍 何も考えずに買うと儲からないんですけど、正しい狙い方をすればすごく儲かる種牡馬だということです。ただし、この特徴が広く知られたら妙味度が下がっていく可能性はあるので、今のうちに狙っておきたいですね。
K3 今回のエフフォーリアの場合、「芝」「中距離」「阪神」「オープン(重賞含む)」はプラス要素ですが、「4歳」と「距離短縮」がマイナス要素になりますね。
卍 距離短縮に関しては共同通信杯や天皇賞秋を勝っているので心配なさそうですけど、古馬になってどうかはやってみないとわかりませんよね。
K3 確かに、エピファネイア産駒は早熟じゃないか? と言っている人もいるようです。本当にそうなら、今後どこかで過剰人気して飛ぶということですよね。それが今回かどうかはわりませんけど。
卍 では、これらを踏まえて予想していきましょう。予想1〜5番人気の総合妙味度はこのようになっています。