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【フローラS予想】イメージとは真逆の難解重賞フローラS 攻略の鍵は意外にも単純で!?/岡村信将

  • 2022年04月22日(金) 18時00分

フローラSはラスールの扱いがポイントになりそうだ(c)netkeiba.com、撮影:橋本健


 いわゆる“皐月賞開催”の中山が終わり、今週からはオークス、ダービーを総決算とする東京開催の開幕。その先陣を務めるフローラステークスは、桜花賞に仕上げが間に合わなかった馬や、距離的なものも含めて桜花賞を あえてパスした馬たちの戦いとなります。

 近年は重賞勝ち馬や桜花賞好走馬の参戦も めっきりと減ってしまい、レベルが落ちたと見られがちな重賞ではありますが、むしろ近年になってから“次走オークス”での好走が目立っています。何を隠そう、フローラS勝ち馬の“次走オークス”での複勝率は40%を軽く超えているのです。

■フローラS勝ち馬の、次走オークス成績
2003年シンコールビー   9人気3着
2004年メイショウオスカル 9人気13着
2005年ディアデラノビア  3人気3着
2006年ヤマトマリオン   9人気13着
2007年ベッラレイア    1人気2着
2008年レッドアゲート   2人気6着
2009年ディアジーナ    3人気5着
2010年サンテミリオン   5人気1着
2011年バウンシーチューン 5人気17着
2012年ミッドサマーフェア 1人気13着
2013年デニムアンドルビー 1人気3着
2014年サングレアル    4人気7着
2015年シングウィズジョイ 9人気17着
2016年チェッキーノ    2人気2着
2017年モズカッチャン   6人気2着
2018年サトノワルキューレ 3人気6着
2019年ウィクトーリア   6人気4着
2020年ウインマリリン   7人気2着
2021年クールキャット   6人気14着
※東京競馬場 馬場改修の2003年以降。
19戦【1-4-3-11】複勝率42% 複勝回収153%

 開催場所が中山から東京に替わる週ということで、東京が得意(そう)な馬が人気を集める傾向にあるフローラSですが、過去のレース傾向を見ると、どうやら そこが大きな落とし穴になっているのではないかと思われます。

■フローラS出走馬、東京競馬場に勝ち鞍を持つ馬の成績
東京勝鞍有  85戦【 2- 7- 8- 68】勝率2% 単勝回収 18%
東京勝鞍無 244戦【17-12-11-204】勝率7% 単勝回収133%
合計数値  329戦【19-19-19-272】勝率6% 単勝回収103%
※東京競馬場 馬場改修の2003年以降。

 2着、3着は別として、東京が得意(そう)な馬は 勝ち馬候補から真っ先に消すべきなのかも知れません。過去にも数多くの1番人気馬が敗れており、今年はラスールが“東京競馬場2勝”を理由に人気を集めそうな気配。この馬の取捨が大きなポイントになってくるところでしょう。

 では逆に、どんな馬がフローラSで好成績を残せているのでしょうか。多種多様なデータを洗いなおしてみたのですが、結局は 単純に“2勝馬”を買えば良いのではないかという結論に たどり着くことになりました。

■フローラS出走馬、勝ち数別成績
2勝以上  90戦【12- 9- 6- 63】勝率23% 単勝回収122%
1勝以下 239戦【 7-10-13-209】勝率 3% 単勝回収 96%
合計   329戦【19-19-19-272】勝率 6% 単勝回収103%
※東京競馬場 馬場改修の2003年以降。

 “1勝馬”は 2003年に11戦1勝でフローラSに臨み、単勝165.4倍でのハナ差勝ちを決めた2003年シンコールビーが回収率を跳ね上げているのですが、それを除くと勝率3%の単勝回収27%という成績。

 何度か負けている実績馬よりも、オークスへ向けて未知の魅力に期待したい という心理も働いているのでしょう。そういった面も相まって、逆に2勝馬をアタマに狙うのがフローラSの効率的な馬券方針。あとは ここから、もうひとつ。フローラS攻略の秘した“最大要素”を追加することにより予想結論は完成ということになります。

 闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータ・リサーチ。ウマい馬券では、ここから更に踏み込んでフローラSを解析していきます。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論に ぜひご注目ください。



■プロフィール
岡村信将(おかむらのぶゆき)
 山口県出身、フリーランス競馬ライター。関東サンケイスポーツに1997年から週末予想を連載中。自身も1994年以降ほぼすべての重賞予想をネット上に掲載している。1995年、サンデーサイレンス産駒の活躍を受け、スローペースからの瞬発力という概念を提唱。そこからラップタイムの解析を開始し、『ラップギア』と『瞬発指数』を構築し、発表。2008年、単行本『タイム理論の新革命・ラップギア』の発刊に至る。能力と適性の数値化、できるだけ分かりやすい形での表現を現在も模索している。

 1995年以降、ラップタイムの増減に着目。1998年、それを基準とした指数を作成し(瞬発指数)、さらにラップタイムから適性を判断(ラップギア)、過去概念を一蹴する形式の競馬理論に発展した。『ラップギア』は全体時計を一切無視し、誰にも注目されなかった上がり3ハロンの“ラップの増減”のみに注目。▼7や△2などの簡単な記号を用い、すべての馬とコースを「瞬発型」「平坦型」「消耗型」の3タイプに分類することから始まる。瞬発型のコースでは瞬発型の馬が有利であり、平坦型のコースでは平坦型に有利な流れとなりやすい。シンプルかつ有用な馬券術である。

高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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