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【ヴィクトリアマイル予想】今週は見解が一致! AIの指名馬はこのレースが合っていそう

  • 2022年05月09日(月) 18時00分

単勝オッズ7.1倍(4番人気)のダノンスコーピオンが優勝(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

上位人気馬が総崩れとなった年も多いレース


AIマスターM(以下、M) 先週はNHKマイルCが行われ、単勝オッズ7.1倍(4番人気)のダノンスコーピオンが優勝を果たしました。

伊吹 大外枠から先団のすぐ後ろを追走し、4コーナーを6番手で通過。直線半ばまでは手応えも楽そうでしたし、余裕を持ってレースを進められたのではないかと思います。その後は残り200mを過ぎたところで先頭に立ち、追い込んできたマテンロウオリオン(2着)やカワキタレブリー(3着)の追撃を凌ぎ切ってゴール。馬自身の強さはもちろん、川田将雅騎手の巧みなエスコートも光った一戦です。

M ダノンスコーピオンは前哨戦のアーリントンCを勝っていたうえ、昨年末の朝日杯FSでも3着に食い込んだ実績馬。結果論かもしれませんが、妙味あるオッズだったと言えるのではないでしょうか。

伊吹 連勝式の合成オッズなどを見ても、マテンロウオリオンやインダストリア(5着)の方が支持を集めていましたね。

M どのあたりが嫌われてしまったのでしょうか。

伊吹 やはり、前走のアーリントンCを勝ち切っていた点だと思います。前走の着順が1着だったにもかかわらず3着以内となったのは、2015年2着のアルビアーノ以来です。さらに、アーリントンCの優勝馬は施行時期が移った2018年以降に限ると3着以内なしでしたし、ニュージーランドTの優勝馬が3着以内となったのも、2012年1着のカレンブラックヒルが最後。直近のレース、特に主要な前哨戦を勝った馬が信頼できないレースとして知られていました。

M 伊吹さんも先週「主要な前哨戦とは微妙に異なった資質を要求されるレース」とおっしゃっていましたね。

伊吹 基本的にはそうだと思っていますし、展開が向かない可能性も高いと見ていましたから、ダノンスコーピオンの評価を下げてしまったことに対する後悔はありません。ただ、この傾向が様々なメディアで取り上げられたせいか、今年は前走1着馬が全体的に軽視されていましたよね。

M ニュージーランドTを勝ったジャングロは単勝オッズ12.2倍の5番人気、ファルコンSを勝ったプルパレイは単勝オッズ16.8倍の9番人気でした。

伊吹 ミスタープロスペクター系種牡馬の産駒が総じて過小評価されていた先々週の天皇賞(春)と同じく、「逆張り」に適した状況だったのは確か。展開を正確に読み切ったうえで、もう少し柔軟に構えたかったです。

M 今週の日曜東京メインレースは、上半期の古牝馬チャンピオン決定戦と位置付けられているヴィクトリアM。昨年は単勝オッズ1.3倍(1番人気)のグランアレグリアが優勝を果たしました。2020年の優勝馬アーモンドアイも単勝オッズ1.4倍(1番人気)の支持を集めていましたし、近年は堅い決着が続いています。

伊吹 過去10年の単勝人気別成績を見る限りでは、むしろ波乱含みのレースなんですけどね。


M 単勝2〜3番人気馬は3着内率が15.0%にとどまっていますし、単勝1番人気馬の好走率もそれほど高くありません。

伊吹 2019年は単勝3番人気以内の支持を集めた3頭がすべて4着以下に敗れ、3連単17万5040円。2015年に3連単2070万5810円のJRA重賞史上最高配当が飛び出したのも、まだまだ記憶に新しいところだと思います。上位人気グループの馬を信頼し過ぎないよう心掛けるべきでしょう。

M そんなヴィクトリアMでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ソダシです。

伊吹 まさかこの馬を推してくるとは……。正直なところ、ちょっと意外でした。

M 競馬ファンにはおなじみのアイドルホースで、なおかつ実績上位。上位人気グループにはまず間違いなく入ってくるでしょうし、最終的に単勝1番人気となる可能性も高いと思います。

伊吹 以前にもAiエスケープが人気の中心となりそうな馬を推奨してきたことはありましたし、そういうレースの多くは堅く収まりましたよね。おそらく、今回も「大きな波乱はない」という見立てなのでしょう。この見解を踏まえつつ、私はレースの傾向からソダシの信頼度を見極めてみようと思います。

M 波乱含みのレースということで、好走馬の特徴も多岐に渡っているかと思いますが、まずはどのあたりに注目すべきなのでしょうか。

伊吹 出走数ですね。2017年以降の過去5年に限ると、3着以内馬15頭のうち11頭はキャリア13戦以内でした。


M キャリア14戦以上の馬は勝ち切れていませんね。

伊吹 古馬GIであることを考えるとなかなか厳しい条件ですが、今年もキャリア13戦以内の馬を重視すべきだと思います。ちなみに、出走数が14戦以上、かつ“同年、かつ中央場所、かつ重賞のレース”において“着順が1着、もしくは1位入線馬とのタイム差が0.1秒以内”となった経験のない馬は2017年以降[0-0-0-30](3着内率0.0%)でした。

M ソダシはまだキャリア10戦。強調材料のひとつと見て良さそうですね。

伊吹 同じく2017年以降に限ると、優勝馬5頭のうち4頭は生産者がノーザンファーム。2016年以前よりも好走率が上がっていますし、近年に限ればノーザンファーム生産馬が優勢と言えます。


M ノーザンファーム以外の生産馬も馬券に絡んでいるとはいえ、この差は無視できませんね。

伊吹 生産者がノーザンファーム以外だったにもかかわらず3着以内となった7頭は、いずれも前走の条件が重賞、かつ前走の着順が5着以内でした。よほど近走成績の良い馬でない限り、ノーザンファーム以外の生産馬は評価を下げるべきだと思います。

M ノーザンファーム生産馬のソダシにとっては心強い傾向です。他にチェックしておくべきポイントはありますか?

伊吹 これも2017年以降の過去5年に限った話なのですが、少頭数のレースを経由してきた馬は期待を裏切りがちでした。


M このヴィクトリアMはそれなりに頭数が揃いますから、ギャップに戸惑うのかもしれませんね。

伊吹 おそらくそういうことなのでしょう。今年はこの条件に引っ掛かっている実績馬が多いので、該当馬は扱いに注意すべきだと思います。

M 一方のソダシは前走の出走頭数が16頭。特に不安要素は見当たらないと見て良いのでしょうか。

伊吹 少なくとも、無理に嫌う必要はなさそうですね。そもそも1600mのレースに限ればまだ大きく崩れたことのない馬ですし、コース替わりはプラスに働くと思います。私も重いシルシを打つつもりでしたが、Aiエスケープの評価も高いのならば心強い限り。よほど人気が集中してしまわない限り、素直に連軸を任せて良いでしょう。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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