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【日本ダービーAI予想】2週連続で注目馬が完勝! 絶好調のAIが大一番で指名したのは超人気薄

  • 2022年05月23日(月) 18時00分

単勝オッズ6.5倍(3番人気)のスターズオンアースが優勝(撮影:下野雄規)


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

基本的には上位人気グループの馬が中心


AIマスターM(以下、M) 先週はオークスが行われ、単勝オッズ6.5倍(3番人気)のスターズオンアースが優勝を果たしました。

伊吹 大外枠や乗り替わり、さらには発走時刻の遅れといった不安要素の影響をまったく感じさせない、堂々たる勝ちっぷりでしたね。好スタートからポジションを探り、道中は中団の外めを追走。ずっと先行勢が射程圏内に入っていましたし、鞍上のC.ルメール騎手も安心してレースを進められたのではないかと思います。4コーナーを周ってからは無理なく大外に持ち出し、残り200m過ぎでスタニングローズ(2着)らを捕らえ、さらに差を広げながらゴール。貫録勝ちと言って良いのではないでしょうか。

M スターズオンアースは前回の当コラムでAiエスケープが推奨していた馬です。

伊吹 お見事と言うほかありません。ソダシを推奨したヴィクトリアマイルに続き、素晴らしい予想を披露してくれましたね。波に乗ったままGIシーズンのクライマックスを迎えるわけで、今週以降も楽しみにしています。

M スターズオンアースに関しては、伊吹さんも「相応に重いシルシを打つつもり」とおっしゃっていました。

伊吹 対抗格に指名し、期待通りの走りを見せてくれましたが、◎を打てなかったのは心残りですね。連勝式の合成オッズを見る限りだとアートハウス(7着)より支持が集まっていて、実質的に2番人気ではあったものの、人気の中心だったサークルオブライフ(12着)とはだいぶ差がありました。本命に繰り上げることができたかどうかはともかく、最終決断の段階でもう少しじっくり検討すべきだったと反省しています。

M スターズオンアースは桜花賞に続き3歳牝馬クラシック2冠を達成。今秋以降も楽しみですね。

伊吹 秋華賞に参戦してきたら、今度は断然の人気を集めることになるでしょう。今のところ阪神芝2000m内が合うタイプには見えないので、手頃な伏兵がいたらそちらに期待したいところ。ただ、この世代においては実力がアタマひとつ抜けているような気もしますから、無理筋な買い目で勝負しないよう心掛けたいと思います。

M 今週の日曜東京メインレースは、現3歳世代の頂上決戦と位置付けられている日本ダービー。昨年は単勝オッズ11.7倍(4番人気)のシャフリヤールが優勝を果たしました。なお、その2021年は単勝オッズ1.7倍(1番人気)のエフフォーリアが2着を確保したものの、3着のステラヴェローチェは単勝オッズ40.2倍(9番人気)の低評価にとどまっていた馬。2019年には単勝オッズ93.1倍(12番人気)のロジャーバローズが優勝を果たしていますし、人気薄が台頭する年も珍しくない印象です。

伊吹 2020年3着のヴェルトライゼンデも単勝オッズ66.4倍(10番人気)でしたからね。ただし、過去10年の単勝人気別成績を見ると、単勝7番人気以下で連対を果たしたのはロジャーバローズのみ。馬連の配当が100倍を超えたのはその2019年だけですから、見方によっては堅く収まりがちとも言えます。


M 単勝3番人気以内の馬はまずまず堅実ですね。

伊吹 より詳しく見てみると、単勝6番人気の馬も3着以内なし。一方、単勝5番人気以内の馬は2012年以降[9-10-4-27](3着内率46.0%)でした。伏兵探しだけでなく、上位人気勢の個別評価にもじっくり時間をかけるべきだと思います。

M そんな日本ダービーでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ビーアストニッシドです。

伊吹 思い切ったところを挙げてきましたね。勝った場合はもちろん、2〜3着だったとしても連勝式の配当は跳ね上がりそう。

M 2走前のスプリングSを勝っていますが、前走の皐月賞は11着どまり。その皐月賞でも単勝オッズは72.7倍(13番人気)でしたし、今回はさらに注目度が下がるのではないでしょうか。

伊吹 言われてみると、実績のわりに過小評価されそうなのは確かで、真剣に取捨を検討する価値は間違いなくある馬。しかも、これだけ好調なAiエスケープが注目馬に挙げてきたわけですから、一般的な競馬ファンの見立てよりも好走確率は高いと見た方が良いのかもしれません。これらの状況を踏まえつつ、私はレースの傾向からこの馬の評価を固めていきたいと思います。

M まず、主な勝ち鞍がスプリングSである点はどう評価すべきなのでしょうか?

伊吹 強調材料のひとつですね。2014年以降の3着以内馬24頭中20頭は“東京・中山、かつ1800〜2000m、かつ重賞のレース”において3着以内となった経験のある馬でした。


M 重賞以外のレースや短距離戦にしか実績がない馬はもちろん、関西圏や長距離の重賞でしか好走していない馬も割り引きが必要――という解釈で合っていますか?

伊吹 おっしゃる通り。近年は京都新聞杯や青葉賞を経由してきた馬の成績がいまひとつですし、関東遠征をあまり経験してこなかった関西馬も苦戦しています。皐月賞以前の3歳牡馬クラシック戦線における主要なレースの大半は、東京や中山が舞台。この“王道”を避けてきた馬は強調できません。

M なるほど。では、大敗直後である点に関してはいかがでしょう。

伊吹 ……うーん、さすがに評価を下げた方が良さそうですね。前走の着順が9着以下・競走中止だった馬は2012年以降[0-0-0-42](3着内率42.0%)と3着以内なし。さらに、2015年以降の3着以内馬21頭中20頭は、前走のコースがJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム順位が5位以内でした。


M ビーアストニッシドは前走の上がり3ハロンタイム順位も13位にとどまっています。

伊吹 もともと先行力の高さを活かしたいタイプで、日本ダービー向きの脚質とは言えません。この馬の持ち味が活きるような、例年とは異なる流れになるかどうかがポイントです。

M 他に注目しておくべきファクターはありますか?

伊吹 同じく2015年以降の過去7年に限ると、3着以内馬21頭中20頭はディープインパクト産駒かノーザンファーム生産馬でした。


M はっきりと明暗が分かれていますね。

伊吹 ちなみに、父がディープインパクトの馬は2015年以降[5-3-2-21](3着内率32.3%)、生産者がノーザンファームの馬は2015年以降[5-5-6-46](3着内率25.8%)です。

M ビーアストニッシドは父がアメリカンペイトリオットで、生産者がヴェルサイユファーム。残念ながらこの条件もクリアしていません。

伊吹 一応、2014年の1〜3着馬はいずれも父がディープインパクト以外、かつ生産者がノーザンファーム以外でしたし、ある年からいきなり潮目が変わる可能性もあります。ただ、それが今年である可能性や、その恩恵を受けるのがビーアストニッシドである可能性はそれほど高くなさそう。Aiエスケープの評価を信じて狙う場合も、好走馬の傾向からは大きく外れている点を踏まえたうえで、買い目上の位置付けや投入する金額を熟考すべきでしょう。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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