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【福永祐一騎手の変化と進化(2)】四位洋文調教師の証言「ダービーを勝つということは、相乗効果を生むんです」

  • 2022年05月24日(火) 18時02分
ノンフィクションファイル

▲四位騎手の引退セレモニーで、その手をグッとにぎりしめる福永騎手 (C)netkeiba.com


2018年にワグネリアンで初めてダービーを勝ったあと、「自分に欠けていた大事なピース、それがダービーだった」と語った福永祐一騎手。以降、福永騎手の勢いは増し、わずか4年間でダービー3勝、コントレイルで牡馬三冠も達成しました。

今春もジオグリフで皐月賞を制するなど、ファンの方にとっても厩舎関係者にとっても、これまで以上に信頼度の高いジョッキーに。そこで、福永騎手をよく知る関係者の方々にご登場いただき、「福永祐一騎手の変化と進化」を第三者目線で詳らかにしていこうという企画。

昨日の川田騎手に続き登場するのは、四位洋文調教師です。騎手の先輩として、福永騎手をデビュー当時から可愛がってきました。長い長い付き合いの中で感じている福永騎手の変化とは? また「今や祐一にあれこれ言える人間は少ないからさ」と、四位調教師ならではのピリッと引き締まる熱いメッセージも。

(取材・構成=不破由妃子)

↓掲載スケジュール↓
5/23(月)川田将雅騎手
5/24(火)四位洋文調教師
5/25(水)友道康夫調教師

関係者に「勝負強さ」を印象づけた皐月賞


──開業以来、福永騎手とのコンビでは厩舎最多となる4勝をマーク。騎乗依頼も富田騎手に次ぐ23鞍と、重用されているのが窺えます。

四位 12月の香港で不慮の事故があって、今年はスタートが遅れたでしょう。本人も気にしていただろうし、少しでもリーディングの順位が上がれば気持ちが楽になるんじゃないかと思って、チャンスのある馬を依頼したところもあります。とはいえ、開業して日が浅いからね。トップジョッキーに乗ってもらうような馬は限られているので、なかなか難しいんだけど。

──ケガのあとの気持ちまでフォローされるとは、四位調教師らしいです。福永騎手とは、ジョッキーとして25年近く同じ舞台で競い合ってきたわけですが、調教師として今の福永騎手を見た場合、どういうところにジョッキーとしての強みを感じますか?

四位 相手関係の分析力などはすごいものがあるなと思ってます。もう10年以上前から分析には力を入れているはずなので、経験と同時に積み重ねられたデータがあって、彼の頭のなかでしっかりしたデータベースが確立されているんでしょうね。あとはやっぱり、先を見据えた競馬をしてくれるところかな。よくよく考えたうえで乗ってくれていますよね。

──2018年のワグネリアンを皮切りに、2020年のコントレイル、2021年のシャフリヤールと、わずか4年でダービーを3勝。ダービー勝利前と勝利後、四位調教師から見て福永騎手にはどんな変化が?

四位 やっぱりレースに余裕が生まれたような気がしますね。気持ちに余裕ができれば、それまで以上にいいレースができるようになるし、そういうレースが増えれば、より強い馬、レベルの高い馬の依頼がくるようになる。ダービーを勝つということは、そういう相乗効果を生むんですよ。それにしても、ここ数年で3勝でしょ? すごいよね。競馬の神様がちゃんと見ていたということ。

──近年の福永騎手からは、怖いほどの冷静さを感じることがあります。ジワジワと迫ってくる凄味といいますか。

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