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【わたしの履歴書】大久保友雅騎手 「馬から降りてもいい人であれるように」祖父はナリタブライアンなどを管理した大久保正陽元調教師――新人紹介2022

  • 2022年05月30日(月) 18時02分
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▲競馬一家に生まれた大久保友雅騎手は体を動かすことが大好き!(撮影:大恵陽子)


今年3月にデビューした新人騎手の人となりを履歴書風にご紹介する「わたしの履歴書」。今回は5月15日中京8レースをキゾクで勝ち、初勝利を挙げた大久保友雅騎手です。

「大久保」という姓が表す通り、競馬一家に生まれ、祖父は三冠馬ナリタブライアンなどを育てた大久保正陽元調教師。騎手になったきっかけは祖父の自宅にあったトロフィーやレイを見て、「僕もダービーを勝ちたい!」と思ったことだそう。そんな生粋の“トレセンっ子”の大久保騎手が抱えきれない悔しさやもどかしさを感じながら、ようやくたどり着いた初勝利への思いについてもお話いただきました。

(取材・構成:大恵陽子)

【出身地】


滋賀県

【経歴】


父が調教助手、伯父が大久保龍志調教師、祖父が大久保正陽元調教師です。小さい頃からよく厩舎や競馬場に連れていってもらっていて、物心がつく前から馬が走っているのを見ていました。

服などに関しては全て親任せでこだわりはなかったんですけど、体を動かすことに関しては「これをやってみたい!」と自分から言って、積極的な子でした。

【運動歴・乗馬歴】


小さい頃はとにかく体を動かすことが好きで、3歳から小学4年生まで体操を習っていて、鉄棒が得意で賞を取っていました。他にもサッカーや水泳もやっていました。

【志望動機】


祖父の家に行くと、トロフィーやレイがたくさん飾ってあって、それを見ているうちに「僕もダービーや重賞を勝ちたい」と思うようになりました。物心がついた頃には祖父は調教師を引退していましたが、三冠馬ナリタブライアンや、有馬記念と宝塚記念を勝ったメジロパーマーなどすごい馬を管理していたんだなと思います。

小学5年生から乗馬苑で乗馬を習い始めて、同級生がみんな「競馬学校ジュニアチーム」というジョッキーになるためのチームに入ることを目指していたので、自然な流れで僕も目指すようになりました。ジュニアチームにも体重の規定があって、3kgくらい重たかったので、毎日走り込んだり食事制限をして体を作っていました。僕と、同期の今村聖奈騎手と角田大河騎手はジョッキーになれましたけど、競馬学校に不合格だった子もいるので、その人たちの分まで頑張る気持ちもあります。

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▲偉大な祖父の功績を見て「僕もダービーを勝ちたい」(撮影:大恵陽子)


【趣味・特技】


趣味は音楽を聴くことと買い物で、特技は体を動かすことです。

普段はインドア派なのですが、たまに行くショッピングが楽しいです。でも、優柔不断で何回も見に行って、3回目くらいでようやく買うことが多いです。レースでは瞬時に判断することが大事だと思うのですが、尊敬する松山弘平先輩も普段は優しくておっとりしているけど、レースになるとすごく勝負師という方で、それを目指しています。しっかり馬に乗って、馬から降りてもいい人であれるように、とすべてにおいて見習いたいと思っています。

【所属先】


池添学厩舎

【所属先の紹介】


池添学先生は馬乗りがとても上手で、聞くと全て教えてくださって、先生についていきたいと思っています。スタッフさんもすごく応援してくださって、大下智先輩(元騎手、現池添学厩舎調教助手)はジョッキーとして必要なことや、僕に足りない面を教えてくださいます。

【兄弟子】


所属厩舎の調教助手の大下智元騎手と、池添兼雄厩舎(池添学調教師の父)所属だった松山弘平騎手が兄弟子に近いと思います。

【兄弟子の紹介】


騎乗について、松山先輩にすごく教えていただいています。松山先輩は池添学厩舎の馬にも乗りますし、何でも教えてくださってお兄ちゃんみたいな存在だと思っています。

【自己PR】


デビュー戦は2着でしたが、馬が頑張ってくれて掴まっていただけなので、気を緩めることなくやってきました。でも同期の、特に幼馴染の2人(今村聖奈騎手と角田大河騎手)がポンポンと勝っている中、なかなか初勝利を挙げられず「うぅー」と、どうしようもできない気持ちになったこともありました。

そんな時に乗せていただいたキゾクはポテンシャルは必ずあると思っていて、過去のレースを見て早めに動かしていった方がエンジンがかかっていくのかなと考えていました。直線は外に出したら勝てないと思い、内を選んで、「ようやく勝てた」と思いました。

初勝利を挙げて、「もっともっと勝ちたい」という気持ちが強くなりましたし、来年2月で兼雄先生は引退なので、少しでも力になれるように頑張りたいです。

先日、祖父の家に行き、初勝利の報告をしたところ、「まだまだやな」と色んなアドバイスをもらいました。祖父は今でもオーラがあり、経験者にしか分からないようなことを教えてもらえて、環境に恵まれているなと思いました。

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▲初勝利を挙げるも祖父からは「まだまだやな」(C)netkeiba.com


【本人希望記入欄】


関係者のみなさんへ

池添学先生、兼雄先生、その他にも乗せていただいた調教師さん、馬主さん、日々馬をつくってくださっている厩務員さんの支えがあって、ジョッキーはレースに乗れるということが改めて分かりました。そういった方々の気持ちを最後に受け取って、レースに勝つという意識が強くなりました。周りの方に支えられて僕がいる、ということを十分自覚して、これからも感謝の気持ちを忘れずに頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。

■師匠からの推薦文■

怒られても、いい意味であっけらかんとしているところがあります。性格が良く、普段は優しい子ですが、初勝利の時はがむしゃらに追っていて、それが今後いい方に出ればと思います。騎乗技術はまだまだないので、感謝の気持ちを忘れずにやってほしいなと思います。

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