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【安田記念AI予想】今週は見解が一致! AIの注目馬は好走馬の傾向からも魅力十分

  • 2022年05月30日(月) 18時03分

単勝オッズ4.2倍(3番人気)のドウデュースが優勝(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

人気薄の馬を積極的に狙う価値があるレース


AIマスターM(以下、M) 先週は日本ダービーが行われ、単勝オッズ4.2倍(3番人気)のドウデュースが優勝を果たしました。

伊吹 他の馬、特に上位入線を果たした各馬もそれぞれ素晴らしい走りを見せているのですが、役者が一枚上でしたね。道中は各コーナーの通過順こそ13〜14番手だったものの、先団や中団の馬たちは射程圏内に入っていましたし、馬群から離れて一頭ポツンと追走できましたから、理想的なポジションだったのではないかと思います。ゴール前の直線に入ってからは大外を突いて進出し、残り200mの地点を過ぎたあたりで早くも先頭に。すぐ後ろで虎視眈々と逆転を狙っていたイクイノックス(2着)の追撃も危なげなく振り切りました。

M 鞍上の武豊騎手は日本ダービー6勝目。ジョッキー部門の最多勝利数記録を更新したうえ、最年長勝利の記録も塗り替えています。

伊吹 「ベテランらしい」と言うよりは「武豊騎手らしい」手綱捌きでしたね。まるで馬群全体を上空から俯瞰しているかのような、完璧なポジショニングと仕掛けによってレースを支配し、美しいフォームで追われた騎乗馬がゴール前で颯爽と先頭に立つ――。私の中にある武豊騎手のイメージは、断然のリーディングジョッキーとして君臨していた頃とまったく変わっていません。日本ダービーの舞台でまたこの姿を見ることができたのは、一ファンとして本当に感慨深いです。

M ファンと言えば、ドウデュースを所有するキーファーズの松島正昭代表は、武豊騎手に対する思い入れが人一倍強いことでも知られています。

伊吹 もともと長年のご友人だそうですが、世界一の武豊ファンと言っても過言ではないでしょう。netkeibaさんで公開されたロングインタビューにもある通り、「武豊騎手で凱旋門賞を勝つ」という目標を掲げて国内外のサラブレッドに投資し、ドウデュースで今回の日本ダービーや、武豊騎手がなかなか勝てなかった朝日杯FSを制すに至りました。熱心に武豊騎手を応援してきた人間は私を含め数えきれないくらいたくさんいますけど、松島代表は“推し活”のスケールが違います(笑)。今年のダービーはこういったバックグラウンドも含めて楽しめましたし、いつかはお二方の夢が叶うところを見てみたいですね。

M 今週の日曜東京メインレースは、上半期の最強マイラー決定戦と位置付けられている安田記念。昨年は単勝オッズ47.6倍(8番人気)のダノンキングリーが優勝を果たしました。グランアレグリアが勝った2020年は3連単1万1240円と堅めの決着だったものの、どちらかと言えば波乱含みの一戦というイメージです。

伊吹 2020年のグランアレグリアを含め、2016年以降は6年連続で単勝オッズ10倍以上の馬が優勝を果たしていますからね。一応、単勝1番人気馬の成績は悪くないのですが……。


M 単勝4〜6番人気の馬はもちろん、単勝2〜3番人気の馬も好走率は物足りない水準にとどまっています。

伊吹 一方、2012年以降の3着以内馬30頭中10頭は単勝7番人気以下。さらに言うと、2012年以降の3着以内馬30頭中17頭は単勝オッズが10倍以上でした。人気薄の馬を積極的に狙っていくべきレースと言えるでしょう。

M そんな安田記念でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ダノンザキッドです。

伊吹 面白いところを挙げてきましたね。実績上位ですが、上位人気グループからは外れる可能性が高そう。

M 2歳時にホープフルSを制してJRA賞最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得したものの、その後のレースでは勝ち切れていません。前走の中山記念で7着に敗れてしまった点や、3走前の富士Sで4着どまりだった点も不安視されるのではないかと思います。

伊吹 人気になりやすいタイプとはいえ、さすがに今回は注目度が下がるはず。少なくとも、狙うタイミングとしては悪くなさそうです。Aiエスケープが高く評価しているという事実を踏まえたうえで、好走馬の傾向とこの馬のプロフィールを照らし合わせていきましょう。

M もっとも重要なポイントはどのあたりですか?

伊吹 コース適性だと思います。2017年以降の過去5年に限ると、3着以内馬15頭のうち14頭は“東京、かつ重賞のレース”において“着順が1着、かつ上がり3ハロンタイム順位が5位以内”となった経験のある馬でした。


M 今回と同じ東京の重賞を勝っている馬でないと、上位に食い込むのは難しいようですね。

伊吹 先行力の高さを活かす競馬で勝った馬もいまひとつでしたし、このコースが合いそうなタイプを素直に選ぶべきでしょう。ダノンザキッドは2020年の東京スポーツ杯2歳Sを制しているうえ、当時の上がり3ハロンタイム順位は1位。昨年の富士Sで人気を裏切ってしまったとはいえ、評価を下げる必要はまったくありません。

M なるほど。では、実績面についてはいかがでしょうか。

伊吹 同じく2017年以降の過去5年に限ると、3着以内馬15頭のうち13頭は“前年以降、かつJRA、かつGIのレース”において“着順が5着以内、かつ4コーナー通過順が9番手以内”となった経験のある馬でした。


M 前年以降のビッグレースで上位に食い込んでいない馬は強調できませんね。

伊吹 この経験がなかったにもかかわらず3着以内となったのは、2018年1着のモズアスコットと2019年1着のインディチャンプだけ。そして、この2頭はいずれも当該年の安田記念より後にもうひとつずつ1マイル戦のGIを勝っています。純粋に能力が高い馬を選ぶべきレースと言っても良いでしょう。

M ダノンザキッドは2021年のマイルCSで3着に健闘。当時の4コーナー通過順は8番手でしたし、この傾向からも強調できる一頭です。

伊吹 あとはノーザンファーム生産馬である点も高く評価して良さそう。生産者がノーザンファームの馬は2017年以降[3-4-3-16](3着内率38.5%)と比較的堅実でした。ちなみに、生産者がノーザンファーム以外だった馬のうち、関東圏のビッグレースで優勝を争ったことのない馬は苦戦しています。


M 特別登録を行った馬のうち“東京・中山、かつGIのレース”において“着順が1着、もしくは1位入線馬とのタイム差が0.0秒”となった経験があるのは、カフェファラオ・シュネルマイスター・ソングライン・ダノンザキッドの4頭だけですね。

伊吹 おっしゃる通り。今年のメンバー構成なら、ノーザンファーム生産馬を素直に重視すべきでしょう。

M お話を伺う限りだと、ダノンザキッドはレースの傾向からも不安要素が見当たりません。

伊吹 これらの条件をクリアしている馬は他にもいますし、本命に指名するどうかはもう少し考えますが、もともと私も相応に重いシルシを打つつもりでした。Aiエスケープの評価も高いのであれば心強い限り。あとはオッズなども踏まえたうえで、買い目上の位置付けを決めたいと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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