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【安田記念予想】晩年に代表産駒を送り出す伝統・傾向にもあやかって…

  • 2022年06月04日(土) 18時00分

底力を問われる舞台でこそ真価発揮


 予測された以上に人気が割れている。またまた難解な結果が待っているのだろう。

 安田記念は、きわめてリピーターの多いレースで、最近10年、掲示板に載った馬は50頭だが、実際の頭数は37頭(12頭が複数回好走している)。今年、リピーターに該当するのは昨年3着のシュネルマイスター1頭だけ。GIの1番人気馬連敗中だが、消す手はないだろう。

 1600mのこのGIで産駒の通算成績【1-0-1-4】にすぎないハーツクライ系産駒(直仔ジャスタウェイ産駒も含む)が、今年は4頭も出走する。

 4番 ダノンザキッド 8番 イルーシヴパンサー
 11番 カテドラル 17番 サリオス

 先週の日本ダービーを制したドウデュース(父ハーツクライは2021年に種牡馬引退)の勢いが続くかもしれない。遅咲きであることが多いハーツクライ産駒から、2歳GIと3歳GIをともに制した馬が出現したのは初めてのこと。総じてだが、日本の活躍種牡馬は晩年に代表産駒を送り出す伝統がある。

 ハーツクライ直仔は決してマイル向きではないが、2014年にジャスタウェイが勝ち、2018年にスワーヴリチャードが3着している。人気の4歳イルーシヴパンサーは1600mを中心に目下4連勝中。東京の芝【4-1-0-0】が大きな強みであり、初の58キロは死角でも争覇圏内に入れたい。

 主軸にしたいのは、前回の凡走ですっかり評価を落としている4歳ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)。昨年の秋からマイル路線に転向して、2戦目のマイルCSを小差3着。マイルGI5勝目となったグランアレグリアと0秒2差。今回対戦するシュネルマイスターとはわずか0秒1差だった。中山の前走で凡走したように器用ではないが、底力を問われる東京の1600mでこそ真価発揮があるはずだ。

 2歳戦を3戦3勝で終えた当時、大物とされたのはサリオス。3歳秋に毎日王冠を圧勝したが、その後は6連敗中。だが、ドウデュースを上回る時計でマイルGI朝日杯FSを勝った馬。多くのハーツクライ産駒に低迷期があるのは少しも珍しくなく、ここで鮮やかな復活はありえる。D.レーンと【1-2-1-0】。ダノンザキッドの相手に加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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