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【エプソムC AI予想】ここなら実績上位! AIの注目馬はレースの傾向を覆すことができるか

  • 2022年06月06日(月) 18時00分

単勝オッズ8.2倍のソングラインが優勝(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

6番人気くらいまでの馬はまずまず信頼できる


AIマスターM(以下、M) 先週は安田記念が行われ、単勝オッズ8.2倍(4番人気)のソングラインが優勝を果たしました。

伊吹 2着のシュネルマイスターとはクビ差でしたが、着差以上の完勝だったと言って良いのではないでしょうか。好スタートを切ったものの、他馬の出方を見ながら少しポジションを下げ、3〜4コーナーを10番手で通過。ゴール前の直線では大外に持ち出し、一足先に抜け出したサリオス(3着)を残り100m前後の地点で捕らえ、やや内めに進路を取って伸びたシュネルマイスターの追撃もしっかり封じました。大舞台に強い池添謙一騎手が、思い切りの良い手綱捌きでこの馬の長所を余すことなく引き出した格好です。

M 2021年の富士Sを勝っているうえ、同年のNHKマイルCでも2着に食い込んでいる実績馬ですが、前走のヴィクトリアMは5着どまり。この敗戦が影響したのか、今回は過小評価だったように思います。

伊吹 2走前にサウジアラビアで1351ターフスプリントを制したものの、単勝1番人気に推されていた3走前の阪神Cでも15着に敗れていましたし、半信半疑だった方が多かったのでしょう。ただ、ヴィクトリアMは展開が、阪神Cは阪神芝1400m内のコース形態が合わなかった印象だったので、個人的には不安視していませんでした。期待通りの走りを見せてくれて良かったです。

M ソングラインはGI初制覇。今後はチャンピオンホースとしてこの路線のビッグレースに臨みます。

伊吹 注目度は高まると思いますが、昨年の桜花賞でも15着に敗れるなど、まだ右回りのレースにはこれと言った実績がありません。今秋のスプリンターズSやマイルCSはどちらも右回りなので、もし出走してきたらこの点を不安視されるでしょう。他のレースを含め、妙味十分なシチュエーションはそのうちあるはず。狙い時を逃さないよう、各レースでしっかり取捨を判断していこうと思います。

M 今週の日曜東京メインレースは、芝中距離戦線の常連勢や新興勢力が一堂に会するエプソムC。昨年は単勝オッズ6.8倍(3番人気)のザダルが優勝を果たしました。なお、ダイワキャグニーが制した一昨年は3連単421万9320円の高額配当決着。やはり、波乱含みのレースと見ておいた方が良いのでしょうか?

伊吹 過去10年の3着以内馬30頭中、単勝7番人気以下だった馬は6頭。この期間中に関して言うならば、人気薄の伏兵が上位に食い込んだ例はそれほど多くありません。


M 単勝1番人気馬の成績は微妙なところですが、単勝6番人気くらいまでの馬はそれなりに健闘していますね。

伊吹 2020年のダイワキャグニーとトーラスジェミニ(3着)を除くと、単勝オッズが20倍以上だったにもかかわらず3着以内となったのは、2012年3着のマイネルスターリーのみでした。少なくとも、むやみに手を広げる必要はないでしょう。

M そんなエプソムCでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ダーリントンホールです。

伊吹 今回は人気の中心となりそうな馬を挙げてきましたね。

M 3歳時に今回と同じ東京芝1800mで行われた共同通信杯を勝っています。その後は好走例が途絶えていたものの、2走前の洛陽Sで2着に、前走のダービー卿CTで3着に健闘。今回も相応の支持を集めることになるでしょう。

伊吹 ただ、他にも注目されそうな馬がいますし、断然の1番人気ということはないはず。Aiエスケープの評価を踏まえたうえで、私はレースの傾向から連軸としての信頼度を見積もっていきます。

M まず、前走がダービー卿CTだった点やその前走で3着に食い込んでいる点はどう評価されていますか?

伊吹 当然ながら、悪くはありません。前走の着順が1着だった馬、前走の1位入線馬とのタイム差が0.0秒だった馬を除くと、3着以内となった馬の大半は前走の条件が重賞、かつ前走の距離が2100m未満でした。


M 前走好走馬や前走が格の高いレースだった馬を素直に重視したいところですね。

伊吹 おっしゃる通り。もっとも、今年はこの条件に引っ掛かっている馬が少ないので、強調材料とまでは言えません。

M なるほど。では、どのあたりがポイントになりそうでしょうか?

伊吹 馬齢ですね。近年のエプソムCは、4歳馬が非常に優秀な成績を収めています。


M 好走例は少なくありませんが、5歳以上の馬は3着内率が11.0%どまり。ダーリントンホールにとっては気掛かりな傾向です。

伊吹 一応、馬齢が5歳以上、かつ“前年以降、かつ東京、かつ重賞のレース”において6着以内となった経験がある馬は2012年以降[3-3-2-24](3着内率25.0%)。コース適性の高い馬なら5歳以上でもそれなりに信頼できる印象でした。こちらの条件はダーリントンホールもクリアしていますし、大きく評価を下げる必要はないでしょう。

M 他に何か注目しておくべきポイントはありますか?

伊吹 この馬に関する傾向でひとつ気になるのは、大型馬が苦戦している点。前走の馬体重が500kg以上だった馬は期待を裏切りがちです。


M ダーリントンホールは前走の馬体重が544kg。特別登録を行った馬の中では断然のトップでした。

伊吹 大型馬向きの馬場や展開になる可能性もあるとはいえ、そうならない可能性の方が高そうな点は頭に入れておくべきでしょう。

M 今週は見解が割れましたね。

伊吹 ただ、Aiエスケープが有力視していることからもわかる通り、能力の高さやコース適性の高さは証明済み。私も無理に嫌うつもりはありません。たとえ妙味の薄いオッズになったとしても、買い目から削るのは怖い一頭です。連軸に指名する馬の人気も考慮しつつ、じっくり扱い方を決めようと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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