スマートフォン版へ

【函館スプリントS・エプソムC予想】ここから秋のGI飛躍馬を見つけたい! 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2022年06月08日(水) 18時00分

注目度大のジャスティンカフェの仕上がりは?


 今週から函館競馬が開幕。ということで、栗東からも函館へ出張している馬が多く、トレセン自体はすでに夏モードになってきました。追い切りに関しても、ハローが終了した直後の時間帯が混雑するくらいで、あとは閑散。とはいっても、上半期の大一番、宝塚記念までは熱気を帯びていることでしょう。

 こんな時こそ、条件戦や重賞から秋のGIへの飛躍馬を見つけたいところですが、エプソムCは少し寂しい頭数。それでもジャスティンカフェの追い切りへ向けられたカメラの台数多く、注目度は大。さあ、どんなレースを見せてくれるんでしょうか。

【函館スプリントS/ナムラクレア】

 桜花賞3着の実績は古馬に交じっても大威張り。なおかつ、これまでの追い切りの動きを考えれば、距離がスプリントになることがマイナスになるとはとても思えません。実際、これまでの栗東坂路での自己ベストは4F51.3秒とスピードは十分ですし、自身に1200mの実績があります。というよりも2勝はいずれも1200mなわけですから。

 なおかつ、斤量は50キロ。しかも浜中俊騎手が引き続きの騎乗ですから、この時点で文句なし。5月25日の栗東坂路では4F50.3秒で自己ベストを更新。netkeiba.comの予想単勝オッズが1倍なのも納得です。

調教Gメン研究所

条件面において文句なしのナムラクレア(5月31日撮影)


【函館スプリントS/シゲルピンクルビー】

 前走鞍馬Sはこの馬らしい強さを見せたレース結果。ようやく軌道に乗ってきたかなと思いますが、気になるのは昨年の函館スプリントSが9着だった点。この着順ですが、勝ち馬からは0.5秒差。しかも50キロで主戦の和田竜二騎手が騎乗できなかった、これが最大の敗因ではないかと思います。

 そういった意味では自身の調子さえ良ければ、北海道遠征に問題があるとも思えません。最終追い切りは函館芝で軽快な動きを見せたようですし、今年は斤量こそ増えますが、54キロ自体は前走から1キロ減るわけで、今年こその結果が期待できます。

調教Gメン研究所

追い切りで軽快な動きを見せ期待できそうなシゲルピンクルビー(6月1日撮影)


【函館スプリントS/プルパレイ】

 NHKマイルCで惨敗したとはいえ、朝日杯FSで負けた後にクロッカスSで距離を短縮したら2着したという実績があります。今回は初めての1200mになりますが、この馬の持っているスピード能力を考えれば、この距離短縮は間違いなくプラスだろうなと思います。

 1週前追い切りは課さず、函館へ移動して、週末、8日と函館競馬場での追い切りを慣行。いずれも併せ馬だったようですから、しっかりと負荷をかけられています。あとは実戦でのスプリント経験がない分、前半置かれてしまうようなことはないかどうか。このあたりが着順を決めるポイントにもなりそうです。

【エプソムC/ジャスティンカフェ】

 前走湘南Sは昇級初戦にもかかわらず、後方から鮮やかすぎる差し切り。ポテンシャルの違いを見せつけるような勝利だっただけに、ここでも人気するのは納得です。安田記念にも特別登録していたということで、中間の調教内容は充実。先週はいつも通り、水曜日に坂路で軽く時計を出し、金曜日に本追い切りとして、CWで併せ馬を先着しました。

 最終追い切りはCWでの3頭併せでしたが、3頭併せの一番後ろでゴールでは一番最後の入線。「遅れ」と表記しなかったのは、鞍上の安田翔伍調教師がゴール前で手綱を引っ張って、前を抜かないようにしたから。これについては、調教師コメントが出ているように意図があったようですし、距離延長に対して我慢する調教を課した、とみた方がよいでしょう。

調教Gメン研究所

距離延長に対しての我慢する調教を行ったジャスティンカフェ(写真右、6月8日撮影)


【エプソムC/コルテジア】

 2020年のダービー以来のレース。そんなこともあり、5月から栗東で追い切りを開始して、週中はCWでの追い切りを積み重ねてきました。週末には坂路で15-15の追い切りも消化。1週前追い切りのCWでの併せ馬ではきっちり先着していますし、動き自体は順調といった感じ。

 最終追い切りはCWで単走でしたが、これも軽快な動き。調教内容から無理に評価を下げる必要はないと思いますから、あとはもともとこの馬の能力をこのメンバーでどこまで評価できるか。このあたりが印の落としどころを決めることになりそうです。

調教Gメン研究所

調教内容から無理に評価を下げる必要はないコルテジア(6月8日撮影)


◆次走要注意

・6/5 新馬【ビューティーワン】(3人/3着)

 発表馬体重は490キロでしたが、パドックではもう少し大きく見えるくらいのつくり。余裕があるのか、歩きが少し緩慢なのか、いずれにしてもいかにも新馬っぽい仕上がりでした。それだけに3着という結果は納得ですし、次はいろんな意味で引き締まった姿で出走してくれそうです。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切り併せ先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<函館芝1200m>
◎最終追い切りが函館Wで併せ馬が外で先着か同入
◎最終追い切りが函館Wで4F52.9秒以下
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 昨年は札幌スタートの北海道開催でしたが、今年は通常通り。昨年は7月からの函館でしたが、例年通りの調教適性で結果が出ていました。ただし、函館スプリントSに関しては、レースに特化した調教適性があるので、ウマい馬券ではそれを重視する予定です。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング