【ユニコーンS予想】ワイドファラオと互角以上のGI級
渋い粘り強さが逆にダートで強みとなる
ドバイ帰りの馬、オープン初挑戦馬、ダートの実戦経験なしの馬もいて、例年以上に比較の難しい3歳初のダート重賞。過去26回のユニコーンSで、初ダートを克服して3着以内に快走したのは、2004年2着のダイワバンディット、2008年3着のアポロドルチェ、2019年1着のワイドファラオ。たった3頭しかいない。
ダート初挑戦のインダストリアに期待するが、厳しい挑戦が予測される。ただ、好走した3頭には共通点がある。直前、GIのNHKマイルC1600mに挑戦していたことだった。勝ったワイドファラオは1分32秒8で芝のマイルGIを0秒4差。なおかつ、ニュージーランドT1600mの勝ち馬でもあり、マイルのGI級でダートを苦にしないなら、ユニコーンSで快走して不思議はないと思わせた。
今年のダート初出走馬3頭のうち、インダストリア(父リオンディーズ)は2番人気のNHKマイルCを1分32秒7で5着(0秒4差)。2走前の弥生賞では、そこを勝って日本ダービーを3着したアスクビクターモアと0秒3差の接戦。3走前にはジュニアCを快勝。ワイドファラオと互角以上の芝のGI級といえる。
種牡馬リオンディーズ(父キングカメハメハ、母シーザリオ)の産駒は、交流重賞勝ちのリプレーザ(サンデーサイレンスの4×3)がいるように、決してダート不向きではない。また、期待を大きく上回る内容で初の海外遠征だった2021年サウジダービー(ダート1600m)を制したピンクカメハメハもいる。
帰国した2021年のユニコーンSで急性心不全を発症。残念な最期を遂げたピンクカメハメハは、サウジダービーを勝ったとき初のダート戦だった。
インダストリアもサンデーサイレンスの「4×3」であり、母の全弟はGII-IIIを6勝したフェイムゲーム、さらに母の半兄バランスオブゲームもGII-IIIだけを7勝している。
あと一歩の詰めを欠くこともあるステイゴールドの一族だが、渋い粘り強さが、逆にダートで強みとなる可能性がある。前回のインダストリアもバテてはいなかった。リオンディーズ産駒は、少なくともダート戦ならこの時期の東京のような好時計の決着歓迎だろう。
人気割れの一戦なので、単複を中心に連は手広くいきたい。