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【宝塚記念予想】偉業だからこそ再現の難易度は高い?

  • 2022年06月21日(火) 12時00分

逃げ切りVで上がり最速をマークした馬の次走は…


 予想に役立つ話かどうかは分からないが、タイトルホルダーの天皇賞春がいかに貴重というか珍しいレースだったか、というところからお話ししたい。

 タイトルホルダーは天皇賞春で逃げを打った一方、上がり3ハロンの最速もマークした。前へ行くということと上がりタイムが速いということは普通は両立しないので、聞いただけでも珍しいケースであることはお分かりいただけるだろう。

 2000年以降のJRA平地GI全体を見ても、逃げ切り勝ちでなおかつ上がり最速をマークしたのはタイトルホルダーの天皇賞春のほかに3例だけ。朝日杯FSのゴスホークケン、阪神JFのレシステンシア、大阪杯のレイパパレである。

 ここでお気づきかもしれないが、前例の3頭はすべて次走で負けている。ゴスホークケンはNZT12着、レシステンシアはチューリップ賞3着、レイパパレは宝塚記念で3着だった。

 条件を広げて、JRAの芝GI〜GIIIにおいて逃げ切り勝ち&上がり最速の馬を探すと2000年以降で12頭いる。それが引退戦だった馬とタイトルホルダーがいるので「次走」がある馬は10頭。成績は[2-0-2-6]。勝ったのは京都大賞典→JCのタップダンスシチーとラジオNIKKEI賞→セントライト記念のバビットだ。

 10頭で2勝というのが多いかどうかは微妙なところだが、めったにない偉業を達成した馬でもそこから連勝するのは簡単ではないようだ。偉業のほうがあまりに偉業であったからこそ、再現が難しいという面もあるだろう。

 ちなみにタップダンスシチーとバビットはともに「次走」のほうで4番人気。タイトルホルダーは今回もっと人気だろうから、その差を考えると馬券的にはますます単勝や1着固定にはしづらいという面もある。前走がすごすぎたので今回逆に扱いづらい、という珍しいケースかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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