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【ラジオNIKKEI賞AI予想】この相手なら侮れない!? AIは今週も大穴候補を注目馬に指名

  • 2022年06月27日(月) 18時00分


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

人気薄の伏兵を狙う価値があるレース


AIマスターM(以下、M) 先週は宝塚記念が行われ、単勝オッズ4.2倍(2番人気)のタイトルホルダーが優勝を果たしました。

伊吹 勝ち時計は2分9秒7のコースレコード。相応の支持を集めていたとはいえ、これほどまでに強烈な勝ちっぷりをイメージしていた方は、それほど多くなかったのではないかと思います。

M 昨年の菊花賞と今年の天皇賞(春)を勝っていましたが、この2レースはいずれも3000m以上の長距離戦だったうえ、スタート直後から無理なくハナを切っての逃げ切り勝ち。距離が短くなる点や、他にハナを主張しそうな馬がいる点を不安視する向きもありました。

伊吹 実際、今回は最初のコーナーでパンサラッサにハナを譲る展開。好スタートを決めていた分、だいぶパンサラッサに負担をかけることができたとはいえ、この時点で「大丈夫かな……」と思ったのもまた事実です。最終的に重いシルシを打ったものの、タイトルホルダーが大きく崩れるとしたら、2番手以下のポジションでスムーズさを欠くパターンだろうと思っていましたからね。

M 同じような心配をしていた方は少なくなかったと思います。しかし、タイトルホルダーは単独2番手のポジションでしっかりと折り合い、パンサラッサを射程圏内に入れたまま3〜4コーナーへ。ゴール前の直線入り口で難なく先頭に立ち、そのまま後続を突き放しました。

伊吹 あんな競馬をされてしまったら、他の馬はもう手の打ちようがありません。理想的なコース取りで馬群から抜けてきたヒシイグアス(2着)はもちろん、大外から力強く差し脚を伸ばしたデアリングタクト(3着)や、3〜4コーナーからおっつけ通しだったにもかかわらず失速しなかったディープボンド(4着)も、それぞれ高く評価できる内容。トップホースたちが各々のベストを尽くしてもなお及ばないくらい、横山和生騎手の手綱捌きとタイトルホルダーの走りが完璧だったということです。

M タイトルホルダーは今秋の凱旋門賞に出走を予定しています。

伊吹 相手関係やコース適性については何とも言えませんが、十分にチャンスはあると見て良いのではないでしょうか。万全のコンディションで臨み、なおかつこの馬らしいレースができるようならば、少なくとも見せ場は作ってくれるはず。非常に楽しみです。

M 今週の日曜福島メインレースは、3歳限定のハンデキャップ競走としておなじみのラジオNIKKEI賞。昨年は単勝オッズ7.8倍(4番人気)のヴァイスメテオールが優勝を果たしました。なお、2021年には単勝オッズ20.2倍(8番人気)のバビットが逃げ切り勝ちを果たしています。やはり、波乱含みのレースと見ておくべきなのでしょうか。



伊吹 その通りですね。2012年以降の3着以内馬30頭中、半数近くにあたる14頭は単勝7番人気以下の馬でした。


M 単勝1番人気馬の成績は微妙なところですし、単勝2〜3番人気馬や単勝4〜6番人気馬の3着内率も、単勝7番人気以下の馬とそれほど差がありません。

伊吹 さすがに単勝10番人気以下の馬は2012年以降[0-2-2-55](3着内率6.8%)だったものの、単勝7〜9番人気の馬は2012年以降[2-4-4-20](3着内率33.3%)と、この人気帯らしからぬ好成績をマークしています。今年も人気薄の伏兵を積極的に狙っていくべきでしょう。

M そんなラジオNIKKEI賞でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ホウオウノーサイドです。

伊吹 これはまた思い切ったところを挙げてきましたね。おそらく単勝7番人気以下にはなるでしょうし、単勝10番人気以下にとどまる可能性すらありそう。

M 通算5戦目、東京芝1400mの前走で2勝目をマークしたものの、中山芝1600m外の新馬で9着に敗れているうえ、デビュー2〜4戦目はいずれも1200mのレース。実績面だけでなく、コース適性も不安視されるのではないかと思います。

伊吹 それでもなおAiエスケープが注目馬に挙げてきたのは興味深いですね。少なくとも配当的な妙味は期待できる一頭ですし、レース傾向からもこの馬の好走確率を見積もっておきましょう。

M まず、この距離のレースにまったく実績がない点はどう見ますか?

伊吹 さすがに強調できません。2017年以降の3着以内馬15頭は、いずれも“JRA、かつ中山以外、かつ1800〜2000m、かつ出走頭数が10頭以上のレース”において1着となった経験がある馬でした。


M やはり中距離のレースを勝ち上がってきた馬でないと上位に食い込むのは難しいようですね。

伊吹 おっしゃる通り。あとは中山のレースや極端な少頭数のレースしか勝っていない馬も期待を裏切りがちだったので、該当馬は扱いに注意しましょう。

M なるほど。ちなみに、ホウオウノーサイドが勝った前走は17頭立ての多頭数でした。

伊吹 一応、多頭数のレースを経由してきた点は高く評価できますね。落ち着かない展開になりやすいせいか、前走が少頭数のレースだった馬はあまり上位に食い込めていません。


M 注目している方はそれほど多くないポイントかもしれませんが、臨戦過程を比較する際には意識しておきたいところです。

伊吹 臨戦過程と言えば、ホウオウノーサイドは前走を勝ち切っている点も強調材料のひとつと言えます。前走の着順が2着以内だった馬は2017年以降[3-3-3-24](3着内率27.3%)とまずまず堅実。一方、前走の着順が3着以下だったにもかかわらず3着以内となった6頭のうち4頭は、前走の条件がGI・GII、かつ前走の距離が2000m以上でした。


M GIの皐月賞や日本ダービー、もしくはダービー前哨戦の青葉賞や京都新聞杯あたりから直行してきた馬でないと、一変は期待できないようですね。

伊吹 今年はこの条件に引っ掛かっている馬が少なくないので、しっかり確認しておきましょう。ちなみに、牝馬も2008年以降[0-1-0-24](3着内率4.0%)、2017年以降[0-0-0-11](3着内率0.0%)と苦戦していました。

M お話を伺う限りだと、明確な不安要素はコース適性くらい。人気を考えれば十分に狙う価値のある一頭と言えるのではないでしょうか。

伊吹 そのコース適性も、走ってみないことにはわかりませんからね。極端な短距離血統ではありませんし、問題なくこなしてくる可能性もありそう。今回は出走予定馬の多くが何かしらの不安を抱えていますから、付け入る隙は十分にあるはずです。Aiエスケープが高く評価している点も踏まえつつ、オッズ等を踏まえたうえで押さえるかどうか決めようと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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