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例年通り興味深いメンバー構成で行われるG1エクリプスS

  • 2022年06月29日(水) 12時00分

今年の仏ダービー馬と昨年の欧州最優秀2歳牡馬の3歳両雄が激突


 今週土曜日(7月2日)、英国のサンダウン競馬場で、10F路線における3歳世代と古馬世代の精鋭が初めて顔を合わせるG1エクリプスS(芝9F209y)が行われるが、例年通り極めて興味深いメンバー構成となりそうである。

 日本時間の27日(月曜日)午後8時に設けられていた登録ステージで、5万ポンド(約850万円)の追加登録料を支払って出走表明をしたのが、ジャン・クロード・ルジェ厩舎のヴァディニ(牡3、父チャーチル)だ。アガ・カーン殿下による自家生産馬で、祖母ヴァダウィーナがG1サンタラリ賞(芝2000m)勝ち馬という血統背景を持つ同馬。

 2歳時から重賞戦線に顔を出し、今季2戦目となったシャンティイのG3ギシェ賞(芝1800m)を制し重賞初制覇。続いて出走したのが、6月5日にシャンティイで行われたG1ジョッケクルブ賞=仏ダービー(芝2100m)で、ここを5馬身差で快勝して仏国3歳世代の頂点に立った。

 同じ3歳世代で別の意味で非常に興味深い存在が、チャーリー・アップルビー厩舎のネイティヴトレイル(牡3、父オアシスドリーム)だ。

 タタソールズ・クレイヴン2歳市場にて21万ギニー(当時のレートで約3246万円)で購買された同馬。2歳時は4戦し、G1ナショナルS(芝7F)、G1デューハーストS(芝7F)という2つのG1を含む無敗の4連勝をマークし、欧州最優秀2歳牡馬に選出された。3歳初戦のG3クレイヴンS(芝8F)も白星で通過した後、G1英二千ギニー(芝8F)でコロエバスの2着に敗れて連勝がストップ。続くG1愛二千ギニー(芝8F)では巻き返しに成功して、クラシック制覇を果たした。

 すなわち、ここまで7戦して8Fまでの経験しかなく、エクリプスSが初めての10F戦になるのだ。

 ブックメーカー各社は、ヴァディニに3.0〜3.25倍のオッズを提示し1番人気、ネイティヴトレイルに3.75〜4.5倍のオッズを提示し2番人気と、古馬勢よりは10ポンド(約4.5キロ)軽い斤量で出られる3歳勢を上位人気にとっている。

 古馬勢で人気が最も高いのが、マイケル・スタウト厩舎のベイブリッジ(牡4、父ニューベイ)だ。今季初戦となったG3ブリガディアジェラードS(芝9F209y)を5馬身差で制し重賞初制覇を果たした後、前走ロイヤルアスコットのG1プリンスオヴウェールズS(芝9F212y)ではオッズ1.91倍の圧倒的1番人気に推されたが、ステートオヴレストの後塵を拝し2着に敗退。昨年春以来継続していた連勝が5でストップしている。ベイブリッジが、オッズ4.5〜5.5倍の3番人気。

 さらに、オッズ8-11倍の間で4番人気を争っているのが、ミシュリフ(牡5、父メイクビリーヴ)、アレンカー(牡4、父アドラーフルーク)、リアルワールド(牡5、父ダークエンジェル)の古馬勢3頭だ。

 3歳春にG1仏ダービー(芝2100m)、4歳春にG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)、4歳夏にG1インターナショナルS(芝10F56y)を制しているのが、ジョン&セイディ・ゴスデン厩舎のミシュリフだ。今季初戦となったG1サウジC(d1800m)は14着に大敗。以降立て直しを図り、ここは4カ月半ぶりの復帰戦となる。

 G2・G3を合わせて3勝、さらにG1での入着を2度経験した後、今年5月22日にカラで行われたG1タタソールズGC(芝10F110y)を制し、待望のG1初制覇を果たしたのが、ウイリアム・ハガス厩舎のアレンカーだ。

 さらに、重賞3勝馬で、前々走のG1ロッキンジS(芝8F)、前走のG1クイーンアンS(芝8F)とも、マイル路線の絶対王者バーイードの後塵を拝し2着に敗れているのが、サイード・ビン・スルール厩舎のリアルワールドだ。ここでマイル路線から10F路線に乗り換えてきたわけだが、3歳春から4歳夏にかけてはこちらの路線にいた馬で、ニューベリーのLRスティーヴントンS(芝10F)制覇という実績がある。

 この路線における世代間の力量比較の指針とする上でも、エクリプスSは見逃せない一戦になりそうである。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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