スマートフォン版へ

「自分に負けるか負けんかや」 自分自身と向き合い目指す“1勝”

  • 2022年07月05日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手、1勝への執念を語ります(c)netkeiba.com


先週は、小牧騎手の手綱で4週にわたって追い切りを消化したエイヨーチャクラがデビュー。道中で難しさを見せて15着という結果でしたが、スタートセンスもよく、小牧騎手も「次やね」と期待をつなぎます。ユーザー質問では、ライバルについて言及。周囲への感謝とともに、勝利への執念を明かしてくれました。

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

ライバルは自分自身、自分に負けるか負けんかや!


──先週土曜日の新馬戦(7月2日・小倉5R・芝1200m)では、6月の頭から調教を付けてきたエイヨーチャクラがデビュー(8番人気15着)。

小牧 ちょっとね、乗りづらかったです。馬を怖がって、もう外に逃げて逃げて…。このまま外に行ってしまうんじゃないかと思ったくらい。

──そうでしたか。どんどん位置取りが下がっていってしまったので、もしかしたら故障など何かアクシデントがあったのかなと。

小牧 いやいや、とにかく外に逃げるもんやから、なんとか内に入れようと必死やった。それまでに比べると追い切りがまぁまぁよかったから、もうちょっと頑張れるかと思ったんやけどね。ちょっと残念やった。まぁまだ初戦やからね。競馬に慣れていってくれればいいんやけど。

──周りを気にして力を出せなかったのだとすれば、展開次第では、とも思えますが。

小牧 ああ、スタートは一番速かったからね。そこからスピードに乗っていければ…。まぁとにかく次やね。

──日曜日のフロイングは初騎乗(7月3日・小倉7R・3歳上1勝クラス・ダ1700m・12番人気8着)。

小牧 ああ、あの馬は加矢太が障害の練習をしていてね。障害はちょっと難しそうやということで、今回は僕が乗せてもらいました。

──なるほど。だから最終追いが加矢太さんだったんですね。

小牧 そうそう。ズブい馬でね、なんか上積みがありそうな感じもするんやけど、まぁ初めて乗ったからね。3R(3歳未勝利・ダ1000m・14番人気9着)のスーサンシーヴァーも、思ったより頑張ったよ。

──スーサンシーヴァーは、マイナス8キロの456キロ。デビュー戦の490キロからどんどん体が減っていて…。

小牧 あれでもまだ太い。

──あ、まだ太いんですね。

小牧 うん。もうちょっと絞れてくれば、もっと頑張れると思うよ。

──今週はドルチェリアが登録しています(7月9日・小倉10R・インディアトロフィー)。

小牧 うん。小倉の1700mは久しぶりやけど、昔はけっこういい走りをしていたし、1700mがベストなのかもしれない。でもね、年齢のせいか、どうもおとなしすぎて。まぁ前走も頑張っていたし、今回もひとつでも上の着順にこられるように頑張りますわ。なんせ加矢太が4勝目を挙げたからね。離されていくいっぽうや…(苦笑)。親としてはすごくうれしいけどね。

──では、最後に質問をひとつ。「小牧騎手にとって、ライバルというと誰になりますか? その人の存在自体が自分の力になるような人がいれば、ぜひ教えてください」。

小牧 ライバルはもう自分自身やね。いや、ホントに。今の状態は、自分に負けるか負けんかや。

──今年はとくに、自分自身と向き合う時間が増えている…。

小牧 そうやね。年間300勝していたジョッキーがねぇ、昔やったら考えられへんことやから。それでも1勝を目指して騎手を続けているって、テレビで取り上げてほしいくらいやわ(笑)。当たり前やけど、乗っている限りは精一杯頑張るし、今はひとつでもふたつでも乗せてもらえているからね。すごく感謝しているし、だからこそ、なんとか結果を…と思ってるんやけどね。

(文中敬称略)
質問募集
太論 / 小牧太
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング