スマートフォン版へ

【阿武隈S】今年も波乱を思わせるハンデ戦

  • 2022年07月08日(金) 18時00分

ベテラン組の快走は珍しくないが…


 もっとも波乱含みの3勝クラスのハンデ戦。昨年は今年も出走するエターナルヴィテスがブービー人気で2着に粘り込み、3連単は64万円台だった。今年も波乱を思わせる組み合わせ。もうひとがんばりしたいベテラン組の快走は珍しくないが、今年はここで展望を広げたい4歳馬が5頭も含まれる。

 まだ先行馬有利の芝コンディションだが、予測以上に早く仕掛ける馬が出現し、乱ペースになる可能性がある。最軽量52キロの4歳牝馬パープルレディー(父ディープインパクト)の差し脚が生きる展開に期待したい。

 今回は格上がりの一戦。福島コースも、距離1800mも初めて。さらに鞍上はテン乗り。死角だらけだが、夏の平坦に近いコース向きの牝馬。デキの良さは見劣らない。

 母メリッサは、小倉の北九州記念1200mの勝ち馬。ただし、ホワイトマズル(凱旋門賞2着など12F級で活躍)産駒特有の個性派で、本質が短距離系だからではなく、典型的なステイヤーもいれば、スプリンターもいた。ホワイトマズル産駒の適距離は、気性しだいだった。

 そのメリッサ産駒でパープルレディーの全兄になるミッキーグローリーは、この福島1800mの阿武隈Sを勝ち、やがて1600mの京成杯AH、関屋記念の2重賞を制覇している。同じく全兄のカツジは、マイルのニュージーランドTを勝っている。

 パープルレディーは期待のディープインパクト牝馬として3歳時はクラシックを目標にし(オークス10着)、ここまでの全3勝は2000m以上だが、実はスタミナ型ではなく、種牡馬ミッキーグローリー(2020年から供用開始)や、現7歳カツジと同じように1800m前後で能力全開の可能性がある。

 この組み合わせで外枠13番なら、おそらく差し脚を生かす作戦だろう。単・複を中心に、相手にも4歳馬をピックアップしたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング