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【函館2歳S予想】大きく変化している世代回転サイクル

  • 2022年07月15日(金) 18時00分

必ずしもエリート路線ではない新馬勝ち→重賞制覇


 かつて遠い時代には、当時の函館3歳S(現在は2歳S)の好走馬が翌年のクラシックの主役となった歴史があった。たとえば、1973年にこの1200m重賞を信じがたい不良馬場のため、歴史的な怪時計「1分21秒7」で圧勝したサクライワイ(父マタドア)は、翌春の桜花賞を1番人気で小差2着。マタドア産駒とあって凡退したオークスも1番人気。やがてサクライワイは、翌1974年のスプリンターズSを、函館3歳Sとは13秒3も異なる当時の驚異の日本レコード「1分08秒4」で快勝した快速馬の代表だった。

 しかし、現在の函館2歳Sは主流路線から外れている。短距離路線でも外れかけている。ただ、2歳戦の競走体系も、競走馬の世代回転サイクルも大きく変化している。函館2歳Sの存在価値が変化する可能性はある。

 そういう観点からすると、新馬勝ち→重賞制覇の完成度の高さは、こと日本では必ずしもエリート路線ではないかもしれない。近年では2019年のビアンフェが2戦目の未勝利戦の勝ち馬。函館2歳Sも伏兵評価での勝利であり、2年後に「函館スプリントS」を制して見せた。

 ミシェラドラータ(父キンシャサノキセキ)は、新馬戦はクリダーム(父ハーツクライ)に半馬身届かなかったが、上がり34秒7は、0秒5上回った。

 2戦目に稍重で勝ち上がっている。父の高松宮記念連覇を含む重賞7勝はすべて5歳以降であり、スピード系でも決して早熟ではない。実戦を2戦している強みと、稍重の芝をこなした点を評価したい。外枠も有利だろう。

 3代母ステラマドリッドから発展するファミリーの代表馬は、ラッキーライラック、ミッキーアイル、アエロリット…など、3歳以降に大きく成長している。ミシェラドラータもやがては、の成長株の可能性を秘めている。

 今週の馬場状態はきわめて怪しい。人気馬だけでなく、人気薄でも動きの良かったニーナブランド、ブトンドール、ミスヨコハマなどを含め、手を広げて買いたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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