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【函館記念予想】他のレースより4倍荒れるハンデ重賞

  • 2022年07月16日(土) 18時00分

人気にとらわれない作戦とは


 波乱を呼ぶことで知られる函館記念。波乱度が分かりやすいのは馬番連勝。函館記念に馬連が導入された1992年から通算30回。半数近い13回(43パーセント)が配当5ケタ以上の万馬券だった。馬連の万馬券発生率はレース全体の約1割とされるので、その4倍はすごい。

 その13回に限ると、1番人気馬の連対は0。2番、3番人気馬の連対もわずか1回ずつ。函館記念の馬連の万馬券の場合、ありがちな人気馬と超人気薄の組み合わせは少なく、伏兵同士の組み合わせがほとんど。

 ただ、10番人気以下の穴馬が12頭も連対してきたが、最初からあまりに人気が割れるので、万馬券といっても13回のうち10回まで配当1万円台にとどまる。万馬券は嬉しいが、ハンデ戦で難しい穴馬2頭の組み合わせに成功して1万円台の配当では、3連単全盛の現在、ワリに合わないとはいえる。

 人気が割れるので、3連単以外は、高配当も、逆に低配当もないのが函館記念。人気にとらわれない作戦はある。

 中心馬に考えていた6歳マイネルウィルトス(父スクリーンヒーロー)は、稍重〜不良の渋馬場【2-1-3-1】。天候が崩れる予報とともに人気上昇。稍重-重馬場必至なので、人気の中心に近いが、それで評価は下げられない。

 昨春、2分03秒7も要した不良馬場の福島民報杯(新潟2000m)を大差勝ちしている。2着馬に1秒8差。今回も対戦する3着サトノクロニクルは1秒9差。ウインイクシード、アドマイヤジャスタはもっと離れていた。

 同じ56キロのハンデだったGII目黒記念は0秒1差の2着。4走前のGIIアルゼンチン共和国杯も0秒4差の2着。総合力、スタミナがある。

 早めに函館に入厩し、追い切りの動きも上々。Mデムーロ騎手とのコンビは【0-2-0-1】。父スクリーンヒーローで2008年のジャパンCを快勝したデムーロ騎手は、今年はちょっと不振(重賞2勝)だが、菊花賞のキセキ、日本ダービーのネオユニヴァース、高松宮記念のコパノリチャード…など、みんなが気にする道悪になると闘志に火がつく不屈の男でもある。

 人気が割れるので低配当はないだろう。サンレイポケット、スカーフェイス、アラタが相手本線。穴馬にハヤヤッコ、ギベオン、ランフォザローゼス。好配当狙いは3連単にして、控えて馬連を主力にしたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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