スマートフォン版へ

【中京記念予想】本来の中京記念とは距離も違う小倉開催! 注目馬の追い切りを徹底解説!!

  • 2022年07月20日(水) 18時00分

過去傾向としては昨年しか参考にならないが…


 今週の重賞は小倉芝1800mで行われる中京記念。昨年に続いての条件ですが、中京芝1600mだった本来の中京記念とは全く違う舞台。過去傾向としては昨年しか参考になりませんが、ひとつの手がかりとしてはしっかりと検証する必要があると思います。昨年の勝ち時計が1分46秒2ですが、中京記念の後に行われた小倉日経OPの勝ち時計が1分46秒3。ということで、このレースも参考にすべきかなと考えています。

 ちなみに中京記念は重賞捜査網で上位人気が予想される馬を取り上げることになると思いますので、ここでは人気上位だけでないところからも馬をピックアップしてみました。ぜひ、馬券検討の参考にしていただければと思います。

【中京記念/カイザーミノル】

 1週前追い切りはCWで単走。横山典弘騎手が跨っていましたが、6F79.2秒と速い時計をマーク。米子Sの1週前追い切りはCWで6F82.8秒でしたから、今回の方が3秒以上速くなっています。

 だからというわけではないのでしょうが、最終追い切りは一転して、遅い6F時計。91.2秒は前走よりも4秒近く遅くなっています。これをどう捉えるかですが、前走の6F87.5秒も結構遅い数字ですから「速かった追い切りが遅くなった」というものではなく「遅い時計がさらに遅く」という感じ。今回の最終追いだけで判断すると軽すぎる、なんて思ってしまいますが、決してそこまで考えることはない、この馬なりの追い切りだったと判断すべきです。

調教Gメン研究所

最終追い切りは軽めに行ったカイザーミノル(7月20日撮影)



【中京記念/ファルコニア】

 まずは中12週のローテーションに対しての今回の追い切り内容を評価すると、週中、週末ときっちり追い切りを消化しており、本数も十分。もともと後半2Fの脚力が素晴らしいタイプですが、それも変わりなし。最終追い切りも坂路で2F24.7秒、1F11.8秒なら、終いしっかりしている動きと評価できます。

 というわけで、追い切り内容については文句なし。ただ、小倉記念6着時の最終追い切りも中間追い切りも今回と同じようにしっかりこなしていました。それを思えば、やはりコーナー4つよりもワンターンのレースの方が結果を出せるのかも、と思ってしまいます。

調教Gメン研究所

しっかりしている動きと評価できるファルコニア(7月12日撮影)



【中京記念/コルテジア】

 追い切り内容は決して悪くなかったとはいえ、超がつく長期休養明けで勝ち馬とは0.7秒差の9着だったエプソムC。そこから反動なく調整できているからこそ、ここを使うことができていると思いますし、1週前追い切り、CWでの併せ馬は絶好の動きでした。

 併せた相手が2歳の未勝利でしょ、という意見もあるでしょうが、新馬戦は2着だった馬。そして、この馬の今朝20日の動きは抜群でしたから、やっぱりコルテジア自身の動きの良さを評価すべき。なにより、最終追い切りのCWでの動きも抜群。そのラップもラスト1Fが最速になる、きれいな加速ラップでしたから、ハナを主張したい馬がいるレースの流れを番手で運べば、絶好の展開が期待できます。ただ、個人的に56キロは少々重いような気はします。

調教Gメン研究所

順調に調整を進めているコルテジア(写真右、7月13日撮影)



【中京記念/モズナガレボシ】

 七夕賞は4番人気で7着。七夕賞に結果を残す戸崎圭太騎手や、馬名も影響しての過剰人気だった。個人的にはそんな判断をしています。今回は昨年の小倉記念を勝った時と同じ中1週。そもそも1勝C以降の中1週では2勝2着1回と良績を残しており、レース間隔が詰まることは間違いなくプラスでしょう。

 最終追い切りは坂路ですが、そのラップは1F目15秒台、2F目14秒台、3F目以降12秒台。これも小倉記念と同じラップの踏み方。あとは当時よりも2キロ重い斤量で、1Fの距離短縮。これを相殺できるかどうか、その判定次第では今回こそ重い印を打たないといけないのかも知れません。

調教Gメン研究所

小倉記念を勝った時と同じ中1週で中京記念へ臨むモズナガレボシ(7月19日撮影)



【中京記念/ベステンダンク】

 マイラーズCでは見せ場十分の4着。10歳になっても、逃げる脚質に衰えはなく、ハナさえ切ることができれば、決して侮ることはできない。そんなイメージですが、今回はポイントがふたつだと思います。

 まずは休み明け。これに関しては、追い切り本数を入念にこなしており、全く問題なし。むしろ、2週前追い切り以降、週中追い切りでは常に4F目が最速になるラップを踏めており、ペース配分は抜群といった感じです。もうひとつのポイントはコーナーが4つ。これに関してはトラック追い切りがないだけに、多少心配な面はありますから、3コーナーまでにいかにセーフティーリードで進めることができるかどうかでしょう。

調教Gメン研究所

休み明けで追い切り本数を入念にこなしているベステンダンク(7月19日撮影)



◆次走要注意

・7/17 信夫山特別【ブラックブロッサム】(1人/1着)

 追い切り本数は標準程度でしたが、栗東から福島競馬場までの輸送がありながら、18キロの馬体増。それでいて、最後はおいでおいでの勝利ですから、2勝クラスではポテンシャルが違います。これで秋のGIに直行することもできるでしょうし、トライアルを使ってもよし。とにかく秋が楽しみです。

[メモ登録用コメント] [芝長距離]最終追い切りが併せ馬先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝1800m>
◎最終追い切りが坂路で4F目最速ラップ
○1週前追い切り以降にCWで併せ馬を馬なりで追走して同入か先着
☆最終追い切りがCWでラスト1F最速ラップ
☆最終追い切りがCW6F追いでラスト2F目まできれいな加速でラスト2Fは12秒以下

 ◎○は昨年の同時期開催を参考にした調教適性。☆に関しては、CW自動計測が始まったからこそ、正確に検証できた調教データですが、3回小倉で行われた芝1800m、1勝クラス以上のレース4つのうち、3レースの勝ち馬は最終追いがCWで☆に該当していました。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング