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【ユーザー質問】「馬も人間と一緒」馬具の効果は馬の気持ち次第? 一筋縄ではいかない競走馬と矯正馬具

  • 2022年07月26日(火) 18時02分
“ミルコレビュー”

▲黒いシャドーロールがチャームポイントのオメガパフューム(撮影:高橋正和)


ブリンカーやシャドーロールなど、癖のある馬や気性が難しい馬を矯正するために用いられる様々な馬具、今週はその矯正馬具の効果についての質問にお答えします。「矯正馬具を着けると全然違います」とその効果について話す一方で、どの馬にも一定の効果があるという訳ではなく、そう簡単なものではないそう…。

競走馬の能力を最大限引き出すために用いられる馬具が、時にはマイナスに働くことがあったり、馬具に慣れてしまうことで効果が薄れることも。そんな賢い競走馬を相手にする苦悩やミルコ騎手の馬具に対する考えを聞きました。

(取材・構成=森カオル)

Q「矯正馬具にはさまざまな種類がありますが、これは効くなと思うもの、逆にこれはあまり効果がないなと思うものはありますか? ミルコ騎手の個人的な感覚でいいので、正直なレビューをお聞きしたいです!」(まこっちゃんさん)



ミルコ 効果を感じるものはいっぱいあるよ。やっぱり矯正馬具を着けると全然違います。とくに性格に癖がある馬たちには、だいぶ影響がありますね。

──あまり効果を感じないものもありますか?

ミルコ 馬次第だけど、効果を感じないものはないですね。ズブい馬にブリンカーを着ければちょっと反応がよくなるし。でも、ブリンカーによって一生懸命に走るようになったとしても、結果が出ないときは出ない。影響があることと、結果に結びつくことは、また違う話になりますね。それはどの矯正馬具も同じです。それでも、いらない馬具はない。シャドーロールにしてもチークピーシズにしても、すべて大事な意味があります。ただね、僕としては、そういう馬具はできれば使いたくない。なぜなら、癖になってしまうから。

──癖になるとは、効果が薄れるということですか?

ミルコ そうです。矯正馬具を着けて何度も競馬を使っていくうちに、馬はズルくなっていくというか、賢くなってサボるようになる。たとえば、ブリンカーを着けて一生懸命走るようになったとしても、その状態に慣れてしまったら、着ける前と同じように進んでいかなくなります。一生懸命走れば、馬も苦しいでしょ? 馬は賢いから、勉強しちゃうんです。苦しい仕事はできるだけしたくないのは、人間も馬も一緒(笑)。

──なるほど(笑)。外したり着けたりするケースがあるのは、そういうことなんですね。

ミルコ そう。効果がなくなってくると、次はどうしようか…と、みんなで悩みます。そういうときは、一度矯正馬具を外して、馬の気持ちを楽にさせる。そうすれば、走りたいという気持ちがまた返ってくるかもしれないから。セキフウもね、いろんな馬具を着けたり取ったり、すごく工夫してる。この前も話したけど、彼はMだから(笑)。ああいう性格の馬は、本当に難しいね

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Road to No.1 世界一になる / ミルコ・デムーロ
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1979年1月11日、イタリア生まれ。弟のクリスチャン・デムーロはイタリアのジョッキー。1997年から4年連続でイタリアリーディング。1999年に初来日。2003年、ネオユニヴァースの皐月賞でJRAGI初制覇。続くダービーも制し、外国人ジョッキー初の東京優駿制覇。2015年3月1日付けでJRAジョッキーに。

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